メルセデス、2022年のドライバー決定に「ボッタスの多重クラッシュは影響を与えない」
メルセデスのトト・ウルフ代表は、F1ハンガリーGPでバルテリ・ボッタスが引き起こした多重クラッシュは、2022年のドライバーラインアップの決定に影響を与えないと語った。
メルセデスF1チームは現在、バルテリ・ボッタスを2022年も起用するか、それとも育成ドライバーのジョージ・ラッセル(現ウイリアムズ)を昇格させるか検討を進めている。そのうえで、第11戦ハンガリーGPでボッタスが多重クラッシュを引き起こしたことについて、トト・ウルフ代表は決定に影響を与える要素ではないと話した。
ラッセルは、2017年からメルセデスの若手ドライバー育成プログラムに参加しており、2019年にウイリアムズからF1デビューして以来、印象的な活躍を見せている。第11戦ハンガリーGPでは、チームでの初ポイントを獲得している。
ラッセルのポイント獲得には、スタート直後のクラッシュで多くの有力マシンがリタイアしたり、マシンにダメージを負ったりしたことが大きく影響している。そして、多重クラッシュのひとつを引き起こしたのが、ボッタスだった。
ボッタスは「回避可能な接触を引き起こした」として、夏休み明けの第12戦ベルギーGPでの5グリッド降格ペナルティを受けている。
しかしメルセデスのトト・ウルフ代表は、ボッタスのミスが2022年に向けたチームのドライバー決定に影響を与えることはないと明言した。
「あのミスは重大な結果をもたらす不運なものだった」
「彼は前の2台に挟まれてダウンフォースを失ってしまい、そのときはすでに手遅れだった」
「それが決定に影響を与えることはない」
メルセデスは夏休み中にボッタスとラッセルのどちらを来季起用するか決断を下すと見られており、メルセデスの決定をきっかけに、ドライバー市場の動きは一気に活発になると予想されている。
ウエットコンディションとなった第2戦エミリア・ロマーニャGPでは、ラッセルとの接触で大クラッシュし、第5戦モナコGPではホイールナットが外れずリタイアしたボッタス。ハンガリーGPが今季3度目のリタイアとなった。
今季まだ優勝できていないボッタスは、チームメイトであるルイス・ハミルトンと87ポイント差をつけられ、ランキング4番手。彼はシーズン前半戦が「自分の思い通りにはならなかった」と認めつつも、最近のレースは進歩しつつあったと考えている。
「少なくともここ数戦は、表彰台に上ったり、ポイントを獲得したりと、少しずつ良い方向に向かっているように感じていた。でもリタイアはこれで3回目、かなり多くのポイントを失っているので、あまり良い状態ではない」
「でも、レース数はまだ半分以上残っているから、これからも攻め続けていく」
前半戦最後のレースで、メルセデス残留に向けたアピールができなかったボッタス。メルセデスが決断を下すまで、落ち着かないサマーブレイクとなりそうだ。
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