メルセデス、レッドブルへのPU供給否定の”理由”説明「恩恵を受けることができない」
メルセデスのチーム代表であるトト・ウルフは、レッドブルとかつて契約寸前まで話が進んだことを明かすとともに、2022年以降同チームにパワーユニットを供給しないと宣言する理由を語った。
写真:: Mark Sutton / Motorsport Images
ホンダは、2021年シーズン限りでF1へのパワーユニット(PU)・サプライヤーとしての参戦を終了させることを決めた。これによりレッドブルとアルファタウリは、次に組むPUメーカーを早急に探さなければならなくなった。
メルセデスのトト・ウルフ代表は、アイフェルGPの週末に、レッドブルにPUを供給する可能性について否定。レッドブルにとって残る選択肢はフェラーリもしくはルノーという二択となったが、現在供給しているチーム数を考えれば、ルノーと話を進めるのではないかという見方が強い。
その一方でレッドブルは、2022年から現在のホンダのPUプロジェクトを引き継ぐことが最も好ましい選択肢であると語った。ホンダ側も、「まだ正式な依頼はない」としながらも、依頼があった場合には前向きに検討する用意があることを明かしている。ただこの実現のためには、PUの開発が2022年以降凍結されることが必須となるだろう。レッドブルがホンダのPUプロジェクトを引き継いだとしても、それを開発・アップデートするのは難しいと考えられるからだ。
ウルフ代表曰く、レッドブルがルノーとの関係を断ち切ろうとしていた2015年、同チームにPUを供給する方向で話が進んでいたという。その議論はメルセデスの取締役会まで上げられていたというが、最終的にこの計画は却下されることになった。
今回レッドブルにPUを供給することは、マーケティング上でのメリットが少ないだけでなく、すでに3チームへの供給が決まっているため、メルセデスのハイパフォーマンス・パワートレイン部門の規模を拡大する必要性に迫られることになると語った。
「当時(2016年)のアイデアは、メルセデスとレッドブルが、共にマーケティングに取り組むことができるというモノだった」
そうウルフ代表は語った。
「レッドブルが提供するプラットフォームに我々が興味を持ったのは、彼らが非常にクールなブランドであり、その仕事が非常に革新的だったからだ。我々とアライアンスを組むことができれば、ダイムラーの取締役会のレベルで、少なくとも適切な検討が可能になる……それは私が、クリスチャン(ホーナー/レッドブルのチーム代表)に言ったことだ。しかし、それが実を結ぶことはなかった」
「現時点では、単純にキャパシティの問題だ。現在のPUは非常に複雑だ。ダイムラーの他の部分と同じように、継続的に規模を拡大することはできない。我々はそういう状況にある」
「ロジスティクス、そしてコストの観点から、レッドブルにPUを供給するのは不可能だ。そして今日では、マーケティングという観点から、PUのサプライヤーは、チームと働くことについて、大きな恩恵を受けることはない」
「これが、我々がチームを購入した理由であり、単にPUのサプライヤーであり続けるということをしなかった理由でもある。我々はチームを持つことのメリットを享受していると思う」
「PUを供給することは、我々にとっての優先事項ではない。我々はPUを作り上げ、自分たちのマシンでレースさせる。そして、カスタマーに供給するための費用を補填しているのだ」
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