F1 アメリカGP

黒い噂呼ぶレッドブル“車高調”デバイス、FIA調査終了で万事解決……にはならない? メルセデスF1「けしからん」と疑いの目

F1パドックを騒がせる最新トピックとなったレッドブルの“車高調整デバイス”。FIAはこの問題の捜査を終了したと宣言したが、メルセデスらライバルチームは依然として疑いの目を向けている。

Jonathan Noble

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公開日時: 2024/10/23 22:09

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Sergio Perez, Red Bull Racing RB20, George Russell, Mercedes F1 W15

Sergio Perez, Red Bull Racing RB20, George Russell, Mercedes F1 W15

写真:: Simon Galloway / Motorsport Images

 メルセデスF1のトト・ウルフ代表は、レッドブルのフロントビブ(フロア前端部のTトレイ)の高さを外部に見えないように調節し車高を変更できるデバイスについて「けしからん」と非難。FIAによるさらなる調査が行なわれる可能性を示唆した。

 アメリカGPでは、FIAがレッドブルのRB20に搭載されている車高調整デバイスへの監視を強化していることが明らかになり、パドックでは技術的な不正が行なわれていたのではないかと疑惑の目が向けられた。

 この車高調整デバイスの存在自体は認められているものの、注目を集めたのはレッドブルがパルクフェルメ下で調整を行なっていたのか? ということ。仮にチームがそうしていればレギュレーション違反だ。

 そのため、FIAはアメリカGPで調査を実施。予選と決勝の間でデバイスに変更が加えられないよう封印をした。さらにレッドブルは、今シーズン後半に向けてデバイス自体に修正を加えると見られている。

 FIAのシングルシーター担当主任を務めるニコラス・トンバジスは、レッドブルが過去にこの車高調整デバイスを不当に使用した形跡はないとしており、問題は解決したとして調査終了を宣言した。しかし、それがこの一見が終わるとは限らない。

 過去にレッドブルと激しいタイトル争いを繰り広げたメルセデスのウルフ代表は、モハメド・ベン・スレイエム会長らFIA幹部がさらなる調査を推し進めるよう圧力をかける可能性をほのめかしつつ、レッドブルの車高調整デバイスを取り巻く状況が容認できるモノではないとの考えを示した。

 レッドブルの車高調整デバイスについて、ウルフ代表は次のように語った。

「私が見たモノ、聞いたモノからの意見では、あれはけしからんことだ」

Red Bull Racing RB20 technical detail

Red Bull Racing RB20 technical detail

写真: Andreas Beil

 ウルフ代表は、そう考える理由について、レッドブルがフリー走行セッションで車高を調整するためだけに、このような複雑な装置を取り付けるとは非常に疑わしいと語った。

「我々はみんな、F1基準のパーツを設計し、レギュレーションの範囲内で最高の仕様に仕上げていると思う」とウルフ代表は言う。

「エアロの柔軟性みたいなモノに関しては、できる限りのことをしようとすることもあるだろう。しかし、それ以外にも全体的なことや、なぜそれが存在するのか疑問に思うようなパーツもある」

 そしてウルフ代表はこうも続けた。

「なぜこういうモノを設計し、色々と変えたいと考えているかのように、ふたつのポジションにふたつのマークをつけるのだろうか? それがF1における正確な意思決定なのだろうか?」

“バッグス・バニー”ツール

 ウルフ代表はまた、レッドブルがFIAに対して車高調整デバイスに変更を加えるために使用したとして提示したツールが“見せかけ”だったと示唆。もっと単純な方法でセッティングすることができると考えている。

「本物のほうき(のようなツール)をマシンに入れて、それがセッティング変更するための唯一の手段だと証明したのは、本当に良かったね! あれを作って、あそこに突っ込むまでにどれだけの時間がかかったんだろうね?」とウルフ代表は言う。

Christian Horner, Team Principal, Red Bull Racing, Helmut Marko, Consultant, Red Bull Racing, talk in the garage as mechanics work on the car of Max Verstappen, Red Bull Racing RB20

Christian Horner, Team Principal, Red Bull Racing, Helmut Marko, Consultant, Red Bull Racing, talk in the garage as mechanics work on the car of Max Verstappen, Red Bull Racing RB20

Photo by: Mark Sutton / Motorsport Images

 あるライバルチームは、レッドブルがFIAに提示した長さ60cmのソケットが、F1で考えられる洗練さから考えると、カートゥーンアニメのようなツールに見えたことから、『ルーニー・テューンズ』に登場するバッグス・バニーと呼称。ウルフ代表もそれに賛同した。

「F1でバッグス・バニーのような装置を使っているとは知らなかったよ。これでおしまいと言って、もう二度とやらないと誓うとだけでは十分じゃない」

 アメリカGPでトンバジスは、レッドブルの車高調整デバイスをめぐる一件が解決したと考えている。しかしウルフ代表は、これで終わりだとは考えていない。

「私はFIAを代弁することはできないし、ニコラスの代わりに話すこともできない」とウルフ代表は前置きした上で、こう語った。

「見ての通り、これは長いこと確認されていたモノではない。しかしFIAの指導者たちはあれを見て『我々はこれをどうする?』と言うことになると思う」

 

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