メルセデス、今季マシンは”全治10ヵ月”。ポーパシング問題の解決に手こずり開発期間を浪費
メルセデスは、シーズン初期のポーパシング問題のために、今季マシンの開発期間を最大で10ヵ月ロスしたと考えている。
メルセデスのトト・ウルフ代表は、今季マシン『W13』がシーズン序盤に苦しめられたポーパシング問題を解決するのに、8~10ヵ月分もの開発作業を費やしてしまったと語った。
過度のポーパシングやバウンシングに苦しみ、シーズン序盤から中盤はなかなかパフォーマンスを発揮できていなかったメルセデス。その要因を理解し、ルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルがシーズン後半に前進できるような調整を実施するまでには、数ヵ月を要した。
ポーパシングを克服できたとはいえ、まだレッドブルには若干ペースが及んでおらず、今季はまだ勝利することができていない。
またメルセデスは問題が解決するまでパフォーマンスを追求するアップグレードに取り組むことができなかったことも痛手となった。
ウルフは、チームは今も遅れを取り戻しているところであり、2023年の開幕から優勝を狙えるようなポジションに返り咲くのは容易ではないだろうと考えている。
2022年に導入された新規則において、レッドブルが早くから優位に立っている影響は、今後何年にもわたって続くと思うかとの質問に対し、彼は「我々が、そのギャップがどこから来るのか理解できていると信じている」と答えた。
「彼らはクルマの強みを持ち越すだろうし、我々は何が問題なのかがわからず、開発面で8ヵ月から10ヵ月ほど損をしてしまったかもしれない。だから、確かにチャレンジングだ」
「でも我々はみんな、ここで長いゲームをしているんだ。ふたりのドライバーも、チームもそうだ。チームやパフォーマンスに関する判断は、ひとつの週末や1年で決まるものではない。それが、長期にわたって我々がチャンピオンシップを勝ち取ることを可能にした方法なんだ」
最近のレースではフェラーリもアメリカとメキシコの2戦で苦戦を強いられたこともあり、メルセデスがレッドブルにとって最大の脅威となっていた。
しかし今季初優勝を目指すメルセデスは、レッドブルがまだ優位に見えるとはいえ、残り2戦は三つ巴の戦いに状況が戻ると考えている。
チーフストラテジストのジェームス・ボウルズは次のように語っている。
「フェラーリは、メキシコのときのように我々からそれほど離れているわけではないだろう。ブラジルとアブダビではもっと接近してくるだろうし、この2チームの戦いは非常に接近したものになるだろう」
「レッドブルと比較すると、彼らはまだ我々に対して優位に立っている。(メキシコでの)コンマ3秒差まではいかないだろうが、これからの数レースではコンマ1~2秒の差になるだろう」
「我々はどんどん近づいている。シーズン当初は予選Q1突破やQ3進出に苦労していたのに、今では初優勝まであと一歩のところまで近づいている。前進したのだ」
「ブラジルのコースは、我々のドライバーふたりが得意とするところだし、より多くのポイントを獲得できるスプリントレースもある。そして、ライバルとコンマ数秒差のところにいれば、物事を起こすことができるんだ」
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