角田裕毅、開幕2戦の走りにある程度満足も「チーム全体が覚悟の年。焦らずに少しずつ前進していきたい」
F1の2023年シーズン開幕2戦を終え、アルファタウリの角田裕毅はチーム一丸となって改善を続けていくことが重要だと語った。
写真:: Red Bull Content Pool
アルファタウリの角田裕毅は2023年シーズン開幕2戦を振り返り、自身の走りにある程度満足している様子だが、チームとして改善を進めていかなければいけないと語った。
角田は、開幕戦バーレーンGPと第2戦サウジアラビアGPで連続11位フィニッシュ。惜しくもポイント獲得を逃しているが、激戦の中団勢の中で相対的にマシンパフォーマンスが苦しい状況を鑑みると見事な走りを見せていると言っていいだろう。
開幕2戦を振り返った角田自身も、自身の走りという点では全力に近いパフォーマンスを引き出せている実感があるようだ。
第3戦オーストラリアGPを前にオンラインで取材に応えた角田は、次のように開幕戦を振り返った。
「昨年の最終戦までに築き上げたクルマへの理解度・信頼度、クルマを操る自信をすぐに発揮できて、ある程度限界で走れました。そこをまず目標にしていたので達成できましたし、(開幕戦)決勝までミスなくほとんど100%のパフォーマンスを見せたので良かったと思います」
「今年の中団勢はすごくタイトなタイム差なので、特に予選は本当に少しのミスも許されません。そこが痺れる、面白いところでもありますし、集中しなくてはいけないところです」
サウジアラビアGPでは、レース終盤までポイントを争う熱い走りを見せた角田。一方、スタートでウイリアムズ勢に前に出られてしまったことがレース展開に影響してしまったと悔やんだ。
「難しい状況でもチームを活気づけるために、ある程度満足できるレースができたと思います」
「スタートで少し出遅れてしまって、中団勢で一番ストレートが速いウイリアムズ勢の後ろになってしまったので苦労しました。アルファタウリは逆に一番遅いくらいのチームなので、コーナーで詰めても離されてしまいました。それがなければポイントを獲れたかもしれないので、それは自分として改善しなければいけないなと思います」
アルファタウリの今季マシン『AT04』は、中団勢のライバルたちと比べて、相対的にパフォーマンスが苦しい状況にある。角田は、特にダウンフォースの増加によるグリップの向上と、空気抵抗の低減によるストレートスピード向上を課題にあげた。
「バランス自体はそこまで悪くないんですけど、本当にグリップが足りないです。グリップが高くなればセットアップの幅も広がりますし、長いレースの中でタイヤの消耗も少し抑えられます。まず全体のダウンフォース、グリップを上げることが最優先ですね」
「あとはドラッグを減らすこと。同じエンジンを使っているレッドブルと比べても時速10kmくらいストレートスピードが違います。うちのチームは結構ドラッグが多いので、最高なのはドラッグを減らしてダウンフォースを上げることですね」
とはいえ、チームもそうした弱点は把握済み。オーストラリアGPに向けて、アップグレードを用意しているという。
角田は、チームとして昨年以上のペースでアップグレード投入を計画していると明かし、ドライバーとして前進できるように、フィードバックしていきたいと意気込んだ。
「詳細な内容は言えないんですけど、(オーストラリアGPで)アップグレードはあります。昨年特に学んだことは、シーズンを通してうちのチームがたぶん一番(アップグレードが)少なかったんですね。それもあまり変わらないことがあったり……」
「チームとしては今年たくさんアップグレードを用意できるように考えています。できるだけコンスタントにアップグレードして、少しでも良いステップを踏んで行きたいと思います」
「昨年の結果が良くなかったのでチームとしてもプレッシャーはありますし、チーム全体が覚悟の年だと思っているので、同じ方向を向いてまずはポイントを獲り、焦らずに少しずつ前進できるように、できるだけ良いフィードバックをしていくことが僕の仕事として重要かなと思います」
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