F1
”F1シートを金で買った”という批判を、デビュー戦入賞で跳ね返す。中国人初のF1ドライバー周冠宇「夢に向けて戦っている時に……厳しい状態だったけど」
アルファロメオの周冠宇は、F1デビューが決まった後、数多くの批判が寄せられていたという。そんな中デビュー戦のバーレーンGPで入賞できたことが「非常に大きかった」という。

Luke Smith
公開日時: 2022/12/28 9:38
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初の中国人F1ドライバーとして、2022年にアルファロメオからF1デビューを果たした周冠宇。しかしアルファロメオと契約を結びF1デビューが決まった直後から、ネット上を中心に批判や人種差別的な暴言に晒されることになった。それは周にとっても辛いことだったようだが、開幕戦バーレーンGPでいきなり入賞できたことで、その状況を払拭することができたという。
2021年の11月、アルファロメオは2022年シーズンのドライバーとして、周を起用することを発表した。初の中国人F1ドライバー誕生の瞬間である。
ただ、デビューが決まった後の周には、批判的なコメントが投げかけられるようになった。その多くが「中国の豊富なスポンサーマネーで、F1のシートを買ったのではないか」というモノだった。
しかし周は、デビュー初戦のバーレーンGPで、その批判を一気に払拭する走りを披露した。15番グリッドからスタートした周は、1周目に最後尾付近までポジションを落としてしまったものの、その後追い上げを見せ、最終的には10位といきなり入賞を果たしてみせたのだ。
シーズン終了後、motorsport.comのインタビューに応じた周は、このデビュー戦での入賞が、批判を払拭する上で重要なことだったと語った。
「冬の間に直面していた全てのことを考えると、そのレースの結果は大きかった」
周はそう語った。
「契約が発表された時、僕のことを知らない多くの人が、僕の国籍に基づいて僕のことを判断しようとした。夢に向かって戦っている時に、そんな批判を受けるのは素晴らしいことじゃない」
「でも、最初のレースでポイントを獲得できたのは本当に良かった。それによって、そういう懸念を払拭することができたからね。コース上での走りで主張するってことは、僕にとっては大きな意味がある。批判していた人たちは、その走りによって僕を理解し始め、その後もっとよく理解していくことができるからね」
周曰く、F1デビューが発表された時とアルファロメオとの契約が延長された時の人々の反応は、「完全に異なっていた」という。
「(反応が変わったことは)とても良かったよ」
「これまでの年と同じように、僕は今年、目指していたモノを達成することができたんだ」
この1年を振り返ると、周は確かに成長したように見える。シーズン序盤は、チームメイトのバルテリ・ボッタスに対し、予選1発での決勝レース中のペースでも、大きく遅れをとっていた。さらに、信頼性のトラブルにも見舞われた。
しかし第9戦カナダGPあたりがターニングポイントとなり、同レースで初めて予選Q3に進出し、決勝でも8位入賞を果たした。
最終的にはポイント数の面ではボッタスが46ポイントを獲得したのに対して周の獲得ポイントは6……実に40ポイントの差をつけられたわけだが、シーズン後半はボッタスと遜色ない走りを披露。第10戦以降の13戦で見れば、周の獲得ポイント1に対しボッタスは3と、明らかに差が縮まったのだ(それ以上に、ボッタスの前半戦と後半戦のパフォーマンスの違いは驚きだが!)。
「それは僕としても予想外だった」
そう周は言う。
「カナダは厳しいコースだ。ウォールが近いから、コーナー出口でミスを犯す余地のない、ストリートサーキットのようなモノだ。それでもカナダでいい走りができたのは素晴らしいことだった」
「また進歩と言う点でも、3〜4戦連続でリタイアした後に獲得できた結果だったということも良かったと思う。それ(カナダGP)は僕にとって、ブレイクスルーとなった1戦だった」
なお周のF1デビュー1年目は、日本のモータースポーツファンも高く評価。motorsport.com日本版が行なった「2022年ベストルーキー」の投票では、スーパーGTで活躍した大草りきに次ぐ2位となり、F2参戦初年度で2勝を挙げた岩佐歩夢を抑えた。
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