Daniel Ricciardo, Red Bull Racing RB12
XPB Images
モナコGPのフリー走行2回目。1回目の終盤にニコ・ロズベルグとジェンソン・バトンのマシンにダメージを負わせた排水口の蓋は完全に溶接され、問題なしとして予定通りのスケジュールでセッションがスタートした。
セッション序盤にトップタイムを記録したのは、ハースの2台である。ロマン・グロージャンとエステバン・グティエレスはウルトラソフトを履き、1分17秒台を記録する。
ただ、グロージャンは早速この難しいモンテカルロ市街地コースの洗礼を受ける。グロージャンはトンネル出口〜ヌーベルシケインの間で姿勢を乱し、ハーフスピンの状態で右側のウォールにクラッシュ。フロントウイングを破損してしまう。
上位チームのマシンも、続々とアタック。やはり速いのはメルセデスで、ロズベルグが1分16秒694でトップタイムを記録する。履いたのはスーパーソフトタイヤだ。この直後、フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)もアタックしたが、同じタイヤにもかかわらず、ロズベルグに0.3秒差まで詰め寄っている。
このロズベルグのタイムを超えたのはルイス・ハミルトンで、1分15秒489。これでトップに立つ。
しかし、新パワーユニットの効果もあったのか、次第に速さを見せはじめたのがレッドブル勢。ダニエル・リカルドはまずウルトラソフトタイヤを履き、1分15秒015でトップに浮上。さらに2セット目のウルトラソフトで1分14秒607を記録し、この座を堅持する。このタイムは、同タイミングでウルトラソフトを履いたメルセデス勢をもってしても、なかなか追いつけない。マックス・フェルスタッペンは、アタックの度にトラフィックに悩まされたが、4番手につけている。
このフェルスタッペンのアタックを邪魔してしまう格好になったのは、フェラーリのセバスチャン・ベッテルである。ベッテルはミラボーでスピン。アウト側のウォールに、マシンのリヤを当ててしまう。大破はしなかったものの、ダメージ確認のため、ピットに戻っている。今回のフェラーリは、キミ・ライコネンも含めてなかなかタイムが上がってこず、苦しんでいるように見える。
レッドブル、メルセデスに次いで速さを見せているのはトロロッソ勢。ダニール・クビアトが5番手、カルロス・サインツJr.が6番手。バルセロナでは大きく遅れをとってしまったクビアトだが、今回はマシンに慣れたのか、チームメイト同様のタイムを記録している。
その後方はフォースインディアとマクラーレンの混戦。そしてフェラーリも、もしかしたらこの集団にいるのかもしれない。
セッション残り30分というところから、各車がロングランを実施する。しかし、最終コーナー”アントニー・ノゲス”で、ルノーのケビン・マグヌッセンがクラッシュ。低速の、それほどクラッシュの多くないコーナーでの事故であり、実に不可解だ。ベッテルも1コーナーの立ち上がりで、左リヤをウォールにヒットさせている。
なお各車のロングランでは、例えばウルトラソフトを履いたリカルドは、次第にペースを下げていく傾向を示していた。これは、このタイヤが比較的デグラデーションが大きいことを示していると思われる。逆にソフトやスーパーソフトのペースは悪くなく、その上デグラデーションも少なく、決勝でも十分出番があるものとみられる。ただウルトラソフトは一度ペースが落ちた後、再びラップタイムが戻ってくる傾向も見て取れ、判断が難しい。各陣営どんな戦略を採るのがベストなのか、非常に頭を悩ませることになりそうだ。細かい分析は、後ほどお知らせする。
結局、レッドブルのリカルドがトップタイム。以下ハミルトン、ロズベルグ、フェルスタッペン、クビアト、サインツと続き、フェラーリはライコネンが7番手、ベッテルが9番手、マクラーレンはバトンが10番手、アロンソが12番手となっている。いつものレースとは少し違う、そんな勢力図になっているようだ。
F1モナコGP フリー走行2回目結果:
Pos | Driver | Team | Time | Gap | Laps |
---|---|---|---|---|---|
1 | Daniel Ricciardo | Red Bull Racing | 1:14.607 | 40 | |
2 | Lewis Hamilton | Mercedes | 1:15.213 | +0.606 | 36 |
3 | Nico Rosberg | Mercedes | 1:15.506 | +0.899 | 48 |
4 | Max Verstappen | Red Bull Racing | 1:15.571 | +0.964 | 42 |
5 | Daniil Kvyat | Toro Rosso | 1:15.815 | +1.208 | 53 |
6 | Carlos Sainz Jr. | Toro Rosso | 1:15.981 | +1.374 | 54 |
7 | Kimi Raikkonen | Ferrari | 1:16.040 | +1.433 | 38 |
8 | Sergio Perez | Force India | 1:16.120 | +1.513 | 48 |
9 | Sebastian Vettel | Ferrari | 1:16.269 | +1.662 | 40 |
10 | Jenson Button | McLaren | 1:16.325 | +1.718 | 46 |
11 | Nico Hulkenberg | Force India | 1:16.487 | +1.880 | 49 |
12 | Fernando Alonso | McLaren | 1:16.723 | +2.116 | 43 |
13 | Esteban Gutierrez | Haas F1 Team | 1:16.782 | +2.175 | 40 |
14 | Valtteri Bottas | Williams | 1:16.849 | +2.242 | 47 |
15 | Romain Grosjean | Haas F1 Team | 1:16.874 | +2.267 | 23 |
16 | Felipe Massa | Williams | 1:17.286 | +2.679 | 42 |
17 | Kevin Magnussen | Renault F1 Team | 1:17.530 | +2.923 | 29 |
18 | Marcus Ericsson | Sauber | 1:17.562 | +2.955 | 39 |
19 | Jolyon Palmer | Renault F1 Team | 1:17.761 | +3.154 | 24 |
20 | Felipe Nasr | Sauber | 1:17.999 | +3.392 | 49 |
21 | Rio Haryanto | Manor Racing | 1:18.647 | +4.040 | 10 |
22 | Pascal Wehrlein | Manor Racing | 1:18.814 | +4.207 | 46 |
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