ロズベルグがPPから開幕4連勝へ。ハミルトンにまたもトラブル:ロシアGP予選レポート
F1ロシアGPの予選が行われ、メルセデスAMGのニコ・ロズベルグがポールポジションを獲得した。2位にはフェラーリのセバスチャン・ベッテル、3位にはウイリアムズのバルテリ・ボッタスが入った。ルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)はトラブルでQ3に出走できず。マクラーレンの2台は目標としていたQ3進出を果たせなかった。
Polesitter: Nico Rosberg, Mercedes AMG F1 Team, second place Sebastian Vettel, Ferrari, third place Valtteri Bottas, Williams
XPB Images
F1第4戦ロシアGP予選。気温は16度と午前中と変わらず、路面温度も30度というコンディションである。
予選Q1開始と同時に、12台がコースイン。ポールポジション最有力とみられるメルセデスの2台も、早速コースインである。フェラーリやウイリアムズ、そしてレッドブルらは待ちの体勢だ。
まずロズベルグが1分36秒684でトップタイムを記録。その直後にハミルトンが1分36秒518でトップタイムを更新する。このタイムなら、十分にQ1をクリアできるだろう。セッション序盤で3番手につけたのはフォースインディアのニコ・ヒュルケンベルグで、1分38秒562である。このあたりがQ1突破ラインギリギリというところだろうか?
残り10分というところで、セッション序盤のコースインを控えたマシンがコースイン。その一方、メルセデスの2台は2回目のアタックを行い、ロズベルグが1分36秒119にトップタイムを更新。さらにはハミルトンも1分36秒006でロズベルグのタイムを上回り、首位に立っている。なおハミルトンは、セクター1と2は最速だが、セクター3だけはロズベルグを上回ることができない。これは、フリー走行の時から続いてきた傾向である。
セッション後半にコースインしたマシンは、最初のアタックを終えた時点でキミ・ライコネン(フェラーリ)、ベッテル、ボッタス、フェリペ・マッサ(ウイリアムズ)の順。ただ、3番手のライコネンですら、ハミルトンからは1秒近く遅れている。マクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソは7番手につけている。
ライコネンは1回のアタックのみでピットに戻るが、ベッテルは2回目のアタックを行い、自身のタイムを更新して3番手に浮上する。Q1終了間際にカルロス・サインツJr.(トロロッソ)が7番手に上がった。
結局Q1ノックアウトとなったのは、ケビン・マグヌッセン(ルノー)、ジョリオン・パーマー(ルノー)、フェリペ・ナッセ(ザウバー)、パスカル・ウェーレイン(マノー)、リオ・ハリャント(マノー)、マーカス・エリクソン(ザウバー)の6台である。
なおコースオフした際、規定された位置からコースに戻らなかったとして、ハミルトンが審議の対象となっている。
続いて行われた予選Q2。フェラーリとウイリアムズがコースインのタイミングを遅らせる中、ほかの12台が早々にコースに向かう。
まず最初のタイムを計測したのはサインツJr.で、1分37秒652。すぐにセルジオ・ペレス(フォースインディア)がこれを更新して首位に。マックス・フェルスタッペン(トロロッソ)もサインツJr.を上回った。メルセデスとマクラーレンは最初の周回をタイヤのウォームアップに充て、ゆっくりと周回している。
ロズベルグは最初のアタックで1分35秒337。Q1のハミルトンのトップタイムを0.7秒も更新してみせた。共に、ここではもう十分なタイムだろう。マクラーレンのふたり、ジェンソン・バトンとアロンソは、7番手と8番手。おそらくこのタイムでは、Q3進出は難しいだろう。
満を持してコースインしたベッテルは3番手、ライコネンは4番手である。しかし、メルセデスとの差は1秒以上と依然非常に大きい。これに次ぐ位置にウイリアムズの2台がつけ、5番手ボッタス、6番手マッサの順となっている。
最後の最後、ダニール・クビアト(レッドブル)が10番手に飛び込んだところでQ2終了。バトンは12位、アロンソは14位で予選を終了し、目標としていたQ3進出は叶わなかった。その他、ここで脱落となったのは11位サインツJr.、13位ヒュルケンベルグ、15位ロマン・グロージャン(ハース)、16位エステバン・グティエレス(ハース)である。
Q3に進出したのはメルセデスAMGの2台、フェラーリの2台、ウイリアムズの2台、レッドブルの2台、そしてペレス、フェルスタッペンの合計10台である。ペレスとフェルスタッペンはレッドブル2台を下しており、大健闘と言っていい結果だろう。
予選Q3。セッション開始前からレッドブルの2台がピットレーンの出口に並び、開始を今か今かと待つ。一方、メルセデスAMGのガレージでは、ハミルトンのマシンがウマに乗せられ、フロアやカウルを取り外している。どうも中国GPと同じMGU-Hのトラブルのようで、予選Q3には出走できず。チャンピオン争いへの巻き返し開始を誓っていたハミルトンにとっては、なんとも苦しい結果となった。
出走していったマシンの中で、まずトップタイムを記録したのはベッテル。タイムは1分36秒259である。2番手にはライコネン。このライコネンを上回ったのは今回好調のウイリアムズで、ボッタスが浮上してきた。ハミルトンの脱落で大いに楽になったロズベルグは、ベッテルに0.8秒差をつけてトップタイムを更新する。
各車1アタックを終えたところでコースイン。すぐさまタイヤを交換し、2回目のアタックに出て行く。ロズベルグのみコースにとどまり、2回目のアタックへ。しかし、ターン13でオーバーラン。これでロズベルグはアタックを諦め、ピットに戻って予選を終える。
フェラーリvsウイリアムズの2番手争いが、セッション後半の焦点だ。ボッタスは1分36秒536を出すが、ベッテルを上回ることができずに3番手止まり。ライコネンも続いてアタックするが、ボッタスに届かず4番手だ。結局このままセッションは終了し、2位ベッテル、3位ボッタス、4位ライコネン、5位マッサという結果になった。なおベッテルはグリッド降格が決まっているため、ボッタスがフロントロウに並ぶことになる。なお6位以下はリカルド、ペレス、クビアト、フェルスタッペン、そしてハミルトンという順になっている。
今季開幕3連勝中のロズベルグが、ポールポジションからスタートして4連勝とするのか? もしくは、フロントロウに並ぶボッタスが好スタートを見せて番狂わせを演じるのだろうか? さらには後方スタートとなるベッテル、ハミルトンの追い上げも楽しみにしたいところである。
そんな注目ポイント満載の決勝レースは、明日21時(日本時間)スタートだ。
ロシアGP 予選結果
Pos | Driver | Team | Q1 | Q2 | Q3 |
---|---|---|---|---|---|
1 | Nico Rosberg | Mercedes | 1:36.119 | 1:35.337 | 1:35.417 |
2 | Sebastian Vettel | Ferrari | 1:36.555 | 1:36.623 | 1:36.123 |
3 | Valtteri Bottas | Williams | 1:37.746 | 1:37.140 | 1:36.536 |
4 | Kimi Raikkonen | Ferrari | 1:36.976 | 1:36.741 | 1:36.663 |
5 | Felipe Massa | Williams | 1:37.753 | 1:37.230 | 1:37.016 |
6 | Daniel Ricciardo | Red Bull Racing | 1:38.091 | 1:37.569 | 1:37.125 |
7 | Sergio Perez | Force India | 1:38.006 | 1:37.282 | 1:37.212 |
8 | Daniil Kvyat | Red Bull Racing | 1:38.265 | 1:37.606 | 1:37.459 |
9 | Max Verstappen | Toro Rosso | 1:38.123 | 1:37.510 | 1:37.583 |
10 | Lewis Hamilton | Mercedes | 1:36.006 | 1:35.820 | |
11 | Carlos Sainz Jr. | Toro Rosso | 1:37.784 | 1:37.652 | |
12 | Jenson Button | McLaren | 1:38.332 | 1:37.701 | |
13 | Nico Hulkenberg | Force India | 1:38.562 | 1:37.771 | |
14 | Fernando Alonso | McLaren | 1:37.971 | 1:37.807 | |
15 | Romain Grosjean | Haas F1 Team | 1:38.383 | 1:38.055 | |
16 | Esteban Gutierrez | Haas F1 Team | 1:38.678 | 1:38.115 | |
17 | Kevin Magnussen | Renault F1 Team | 1:38.914 | ||
18 | Jolyon Palmer | Renault F1 Team | 1:39.009 | ||
19 | Felipe Nasr | Sauber | 1:39.018 | ||
20 | Pascal Wehrlein | Manor Racing | 1:39.399 | ||
21 | Rio Haryanto | Manor Racing | 1:39.463 | ||
22 | Marcus Ericsson | Sauber | 1:39.519 |
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