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分析:なぜF1グランプリは中国に定着したのか?

「F1開催マップからいくつかのアジア開催が消えて行く一方、中国GPは長期に渡り継続されて行く事が確実な模様だ」−−フランキー・マオ

Fans in the grandstand

Fans in the grandstand

XPB Images

 F1は何も生み出さない開催地に固執する忍耐力は持ち合わせていない。歴史上、トルコや韓国やインドなどのように鳴り物入りでカレンダー入りしたものの、費用の増加と入場者数が伴わないために途中で断念した国はたくさんある。

 中国GPにも将来が保証されなかった時期があった。その頃は、グランドスタンドは埋まらず、F1に対する一般的な興味も薄く、多くのスポンサーを獲得できる流れもなかった。しかし、時間が懸念の多くを解決していき、中国GPは今や開催地として揺るぎない地位を確保し、F1カレンダーにしっかりと定着した。

 中国GPを運営する上海 Jussイベントマネージメント株式会社のCEOのラン・ジャンは語った。

「私たちは、他の商業的観点において直面した困難に打ち勝つことが出来ました」

「中国GPはF1カレンダーにおいて最も重要なレースのひとつとなりました。中国GPは持続可能なだけでなく、社会に役立っているのです。現状から考えるに、2018年以降も中国GPを続けるべきでない理由は見当たりません」 

増大する関心 

Kimi Raikkonen, Ferrari signs autographs for the fans
Kimi Raikkonen, Ferrari signs autographs for the fans

Photo by: Ferrari

 安全上の理由により昨年撤去された古いグランドスタンドは、興行収入の不足を隠すためだとの指摘を受けたが、3日間で140,000人と言う公式入場者数に恥じる部分はない。その他に20,000人の人々が、お金を払って入場し観戦するよりも、サーキットの外側を歩いて、マシンの音を聞くために来たと言っている。

 2004年にF1が上海に上陸した時には、まだ遠い世界の出来事だったのは真実だ。
そして、上海全体がF1に関してふたつの事を知るようになった。それは、ミハエル・シューマッハとフェラーリだ。

 けれど、ファンはすぐにキミ・ライコネン、フェルナンド・アロンソ、ジェンソン・バトンやフェリペ・マッサなどのドライバー、続いてルイス・ハミルトンやセバスチャン・ベッテルという新人ドライバーの事も徐々に知っていった。大半の中国人ファンは、文化的な理由により、マシンやテクノロジーやF1そのもよりもドライバーを崇拝している。そして、その中でもひとり際立っていたのが、キミ・ライコネンである。

 2010年と2011年に、ライコネンがF1からWRCに切り替えた時、シューマッハが短期間メルセデスに復帰したにも関わらず、観客数が減少したのは偶然の一致ではない。そのスポーツ以上に選手を賞賛するファンは、何も間違ってはいない。そうでなければ、マイケル・ジョーダンやデヴィッド・ベッカムやロジャー・フェデラーが、プレイから離れて有名にはならなかっただろう。

 ベッテルはこのように述べている。

「中国のファンは世界一だよ。満員のグランドスタンドを見るのは素晴らしいね」

「我々がレースを始めようとしている時に、ピットストレートやメインストレートの上に立っているのはすごい名誉なんだと思う。左側を見上げると興奮している観客が目に入るんだ。そして僕のためにドイツ国旗を振っているファンたちや、ニコとその他のドイツ人ドライバーのためにドイツ国旗を振っている人たちなど、とにかくすごい熱狂なんだよ」

「僕たちがやっている事に対して、あんなに楽しんでくれる人々を見ることが出来るのは素晴らしい事だし、僕たちを本当にすごい特別な気分にさせてくれるんだ」

文化の変革

Sebastian Vettel, Ferrari SF16-H
Sebastian Vettel, Ferrari SF16-H

Photo by: XPB Images

 文化的にも知識的にも、ヨーロッパとは完全に異なっている中国では、モータースポーツはまだ成長段階にあるのは明らかだ。

 F1が13年前に初めて上海に上陸した時の中国は、今とは全く異なるものだった。その当時、サーキットはダウンタウンから40km以上離れた、上海北部にある嘉定(ジャーディン)と言う辺鄙な場所に位置していた。サーキット近辺の投資に苦戦した韓国やインドのレースとは異なり、嘉定は変貌を遂げて行った。

 F1の毎年開催のおかげで、上海では急速な開発が行われて行った。地元の開発業者のいくつかがグランプリを餌に厚かましい態度を取っていたにも関わらず、不動産開発は特に活発になっっていった。

 マシンが毎回Í最終コーナーを通るたびに、サーキットのそばにある不動産業者が彼等のビルの上に掲げた大きな宣伝広告が、TVカメラに映り込むことにF1のボスが懸念していたことがあると、Motorsport.comに語ってくれた。広告を撤去させる方法が見つからなかったため、無料広告を避けるにはカメラポジションを移動させるしかなかった。

サーキット周辺は建設ラッシュ!

Nico Hulkenberg, Sahara Force India F1 VJM09
Nico Hulkenberg, Sahara Force India F1 VJM09

Photo by: XPB Images

 今では、サーキットの周辺にはさらに多くの建物が姿を現し、サーキットのほとんどどこからでもそれらを見る事が出来る。地元メディアはそれでも批判を続け、十分なスポンサーの獲得に失敗したためにF1は商業的価値を失ったなどと言っている。

 しかし、上海インターナショナルサーキットに最も近い嘉定並びに安亭(アンティン)の町は、ターン13のすべてのスタンドを使用して最も大きな広告を出している。
不動産とは離れて、嘉定は、電気自動車やスマートカーなどを含む高度先進技術の開発エリアとして大きな産業の転換を進めて来た。そのため、上海インターナショナルサーキットが、安亭上海インターナショナル・オートモバイル・シティの一部だと言うことは、注目に値する。なぜならば、安亭上海インターナショナル・オートモバイル・シティは、自動車製造業の視点から2001年に設立された、上海の4つの重要な工業地帯のひとつであるからだ。

 Motorsport.comは、安亭上海インターナショナル・オートモバイル・シティが検討している拡張計画について学んだ。それはおそらく、製造業とF1標準の唯一のサーキットとの関係強化を築くものになるだろう。

視聴者の増加

Daniil Kvyat, Red Bull Racing RB12 and Felipe Massa, Williams FW38  battle for position
Daniil Kvyat, Red Bull Racing RB12 and Felipe Massa, Williams FW38 battle for position

Photo by: XPB Images

 過去3年間、3日間のイベントの観客は安定して増えていた。地下鉄11号線を筆頭とした公共交通機関の発達は、サーキットへのアクセスを以前より簡単なものにしていった。

 13年前に遡ってみると、サーキットへの唯一のアクセス方法は、自分で運転して行くか、レース運営者が手配するバスに乗るかのふたつしかなかったが、現在では、地下鉄が市内と市街地を結んでいる。レース開催の経験は、地下鉄11号線の反対側に6月にオープンするディズニーパークまで、どのように人々を運ぶべきかの計算にも役に立っている。

 一方で、全国的放送局のCCTVがレースを放送しないため、テレビの視聴者は上海テレビや広東テレビなどの地方局が流す生中継やハイライトに頼るしか手だてがない。しかし、2014年7月からオンラインで全セッションの生中継を放映するLeSportsや、スポーツチャンネルのLeTV.comなどのおかげで、インターネットが将来的に安定した放映を提供できるかもしれない。 これらは始まったばかりだが、今年は4日間で150万人の視聴者を集めた。そして、今後さらに増加して行く見込みだ。

 中国の旧暦は12年で1サイクルのため、先日のレースは2サイクル目に入ったことを意味する。現在の契約は来年で終了するが、すべての兆候が、F1イベントの次の時代は、開始当初よりももっと成功していくためのたくさんの余地がある事を示している。

Podium: winner Nico Rosberg, Mercedes AMG F1 Team
Podium: winner Nico Rosberg, Mercedes AMG F1 Team

Photo by: XPB Images

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