モビリティランド山下社長に訊く、サウンド・オブ・エンジン今後の展望

今年3回目の開催を終えた鈴鹿サウンド・オブ・エンジン。その今後の展望について、モビリティランドの山下社長に訊いた。

 第3回目となる鈴鹿サウンド・オブ・エンジンが、11月18日〜19日の2日間にわたって開催され、合計2万3000人のファンが来場した。昨年からはタイトルスポンサーにRICHARD MILLEがつき、今年は「Masters Historic Formula One」シリーズに参戦するF1マシンが大挙して来日。年々、イベントの充実度は増しているように見える。

 では、鈴鹿サーキットを運営するモビリティランドは、このイベントをどのように捉え、そして今後どんな発展を目指しているのか? 同社の山下晋社長に話を訊いた。

「去年からRICHARD MILLEさんにサポートをしていただいて、そのおかげもあって様々なことに力を入れることができるようになりました」

 そう山下社長は語る。

「今年、鈴鹿サウンド・オブ・エンジンはイベントとして1段ステップアップすることができました。特にヨーロッパの方々、オールドレーシングカーのファンの方々の反応が大きく変わったのです。『ぜひ出てみたい!』と。去年までとは全然違うのです。鈴鹿を走ることができるぞと、認知されたのだと思います」

「RICHARD MILLEさんに協力していただけるようになったことで、今後継続していくためのハードルはひとつ超えたのかなと思います。まだまだやるべきことはありますが、クラシックF1マシンの本場であるヨーロッパの方々に興味を持っていただけたことで、今後このイベントを広げていくための、スタートラインに立てたのかなと思います」

 山下社長が考える”まだまだやるべきこと”とは一体何なのか? その詳細を尋ねると、次のような答えが返ってきた。

「鈴鹿サーキットが生まれた所以は、二輪・四輪ともにレースをするということ。そして実際に二輪・四輪それぞれのレースを開催し続けてきました。今年は、ヨーロッパからたくさんのF1マシンを持ってきていただけた。だから今後は、二輪のイベントも充実させていきたいと思っています。そういうバランスを考えてやっていけば、鈴鹿サーキットとしての特色が出せるのではないかと思っています」

「ヨーロッパには、トライアンフやアウグスタなど、たくさんのレーシングバイクを作っていたメーカーがあります。そのあたりもバラエティ豊かに参加してくださるようなイベントになると、もっと魅力が出てくるのではないかと思います」

 そしてさらに、次のように付け加えた。

「我々はホンダグループの一員でもあります。ホンダは二輪も四輪も両方作っているメーカー。しかも、鈴鹿サーキットも1962年の二輪のレース(第1回全日本選手権ロードレース)からその歴史が始まっています。我々の伝統・意識として、それをずっと続けていきたいなと。そしてこのイベントも両方の魅力あるモノになっていったらいいと思います」

 今回、全部で20台以上のF1マシンが鈴鹿サーキットを走った。しかし現役時代に鈴鹿を走ったことがあるマシンは、2000年代のフェラーリのみである。鈴鹿で伝説的なシーンを残したF1マシンなどを招聘する予定はないのかと尋ねると、山下社長は次のように語った。

「鈴鹿でのF1日本GPって、サーキットが出来上がってから25年経って初めて開催したのです。それまではF1を開催するだけの力がなかった。今回走って頂いたF1マシンが、鈴鹿を走っていないというのは間違いありません。しかし、彼らが走っていた頃には、鈴鹿ではすでにレースが行われていました。彼らの現役時代にはもうこの鈴鹿はあったわけですから、そんなに違和感がある話ではないと、私は思います」

「1987年のF1を鈴鹿のスタートとして見てしまうと、違和感があるかもしれません。でも、我々の歴史も55年もありますから」

 とはいえ、あの日、あのグランプリで名勝負を生み出したマシンを、もう一度鈴鹿で見てみたいと思うファンも多いことだろう。

「別の理由で難しいこともあります。1990年以降のF1マシンは、徐々にコンピュータが入ってきました。そうなると、とても個人の方が所有して、当時の性能のまま走らせるというのは不可能に近いんです」

「もちろん、メーカーやチームが所有しているマシンが走るという可能性もゼロではありません。ただ、彼らもビジネスをしています。だから良い時も悪い時もある。良い時が続けば問題ありませんが、悪い時には誰もいなくなってしまう可能性だってあります。このようなイベントをしっかりと継続していくためには、ファンの皆さんに参加していただくというのが一番良いんです。そのバランスは、しっかり考えていかなければいけません」

 初日雨に見舞われながらも、2日間無事に開催された第3回目の鈴鹿サウンド・オブ・エンジン。来場者の表情を見れば、その満足度は非常に高かったように思う。第4回目となる1年後の鈴鹿サウンド・オブ・エンジンには、どんなイベントラインアップが用意されることになるのだろうか?

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この記事について
シリーズ その他
イベント名 RICHARD MILLE SUZUKA Sound of ENGINE
サーキット 鈴鹿サーキット
記事タイプ 速報ニュース