17年F3マカオGPは、牧野の9位が日本人最上位。その”敗因”は?

2017年のF3マカオGPには、7人の日本人ドライバーが参戦した。しかし牧野の9位を筆頭に劣勢に立たされた。その原因はどこにあったのか?

 11月16〜19日に中華人民共和国マカオ特別行政区の市街地を一時的に封鎖した公道コース、1周6.120kmのギア・サーキットで開催された第64回マカオGP・FIA-F3ワールド・カップには、7人の日本人ドライバーが参戦した。

 ユーロF3選手権(EF3)からはドライバーズ・ランキング15位の牧野任祐(モトパーク)と同19位の佐藤万璃音(モトパーク)、全日本F3選手権(JF3)で同2位の坪井翔(トムス)と同4位の宮田莉朋(トムス)、JF3のNクラス王者DRAGON/組田龍司(B-Max)、さらには全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)とスーパーGT(SGT)ドライバーを務めるドライバーとしては格上の関口雄飛(B-Max)と山下健太(B-Max)というラインアップである。

 なかでもマカオGPは5回目で11年にはミュッケから参戦して4位となった関口、同4回目で16年にはTスポーツから参戦して4位となった山下には、戦前より期待が寄せられていた。

 決勝レースの結果だけを見れば関口も山下もリタイア。しかし、後に車両規則違反で競技除外となるものの予選1回目で6番手、予選2回目で8番手、予選レースで9位と関口はいずれも日本人最上位だった。一方の山下は予選1回目で11番手、予選2回目こそ16番手と振るわなかったが、予選レースで11位と好位置につけた。

 最終的には牧野の9位を筆頭に宮田が12位、坪井が14位、関口と山下そして佐藤はいずれもリタイアとなった。結果だけを見れば冴えなかったと言えなくもない。

 マカオGPでは01年に佐藤琢磨(カーリン)が日本人初優勝、08年には国本京佑(トムス)が優勝。また、日本のチームとしてはトムスが通算5勝を飾っている。だからこそ、近年のマカオGPで日本勢の劣勢には目を覆うばかりだ。

 では、その原因は?

 イタリアのプレマで現場を指揮するレネ・ロジンに訊ねると「僕は今年4月に鈴鹿サーキットを訪れてSFとJF3を観た。ドライバーもチームもレースも素晴らしかった。実際マカオGPではトムスも勝っているし、日本のドライバーも勝っている。ただ、マカオGPはやっぱり特別なんだよ」とこちらを煙に巻くような答えが返ってきた。

 そこで日本のトムスで現場を指揮する山田淳にも、日本勢の劣勢の原因を訊ねた。「クルマでEF3勢に負けているとは思えない。まあ、ウチはエンジンで少しハンデがあるかな? でも、やはりマカオGPに対するドライバーの姿勢。ウチの例で言えば、もし坪井や宮田がEF3で走り込んだら、それなりの順位で帰って来ると思う。でも、彼らにはマカオGPに対する執念が足りない。たとえばトムスでマカオGPに出たニック(・キャシディ)などは、レース前にあらゆる事態を想定して僕を質問攻めにした」と“草食系”の日本人ドライバーを嘆いた。

 格上の存在である関口や山下を別にして同じF3の括りで見れば、EF3でドライバーズ・ランキング15位の牧野や同19位の佐藤のほうが、JF3で同2位の坪井や同4位の宮田より、結果はともかくマカオGPでは良い走りを見せていた。誤解を恐れずに言えば、食うか食われるかの“サバンナ”に身を置いている者と、そうでない環境に身を置いている者との違いだろう。

 日本の自動車メーカーが掲げる、“世界に通用するドライバーの育成”は、少なくとも日本国内に留まっている限りは永遠に訪れない。関口や山下をはじめとする日本人ドライバーはいみじくも、「世界で自分の力を試したい。若い才能の刺激を受けたい」と語っていた。マカオGPとは、そうした意欲的なドライバーにはうってつけの舞台であり、今後も挑戦者を待っている。

取材・執筆/石井功次郎

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この記事について
シリーズ その他
イベント名 Macau GP
サーキット Circuito da Guia
記事タイプ 速報ニュース