motorsport.com編集部が選ぶ2017年モータースポーツ10大ニュース
今年もモータースポーツでは、様々な話題がありました。motorsport.com日本版編集部が選ぶ今年の10大ニュースをご紹介
Takuma Sato, Andretti Autosport Honda celebrates in victory lane
Phillip Abbott / Motorsport Images
あと数日で幕を降ろす2017年。モータースポーツ界にも色々なニュース/出来事がありました。ここでは、motorsport.com日本版編集部が選んだ今季のモータースポーツ10大ニュースをご紹介。年末のこの機会に、今年あったあんなことやこんなことを思い出していただきたい。あなたにとっての重大ニュースは、一体何だったでしょうか?
10位:F1マレーシアGPのサポートレースで全車リタイアの珍事
F1マレーシアGPのサポートレースとして行われたF4東南アジア選手権で、出走した全車がリタイアするという珍事が発生した。
F1のフリー走行2回目で、排水口の蓋が外れるという事件が起きたため、サポートレースとして設定されていたF4レースが、土曜日の午前中に2レース連続で行われた。
しかし、主催者発表の燃料計算にミスがあり、全車がストップ。9台のうち1台のみが最終ラップを迎えることができたが、このマシンもチェッカーを受けることができなかった。
9位:鉄人ロッシ、トレーニング中に大怪我もスピード復帰
MotoGP界の生ける伝説バレンティーノ・ロッシ。彼は今季も、新たな”伝説”をその歴史の1ページに加えた。
8月末のこと、ロッシはモトクロス用バイクに乗り、トレーニングをしていた。その際に転倒を喫し、右足を骨折する重傷を負った。この怪我により、長期の戦線離脱は避けられないと考えられていたが、サンマリノGPこそ欠場したものの、直後のアラゴンGPで復帰。予選3位、決勝5位という信じられない結果を残して見せた。
ロッシはレース後、「いつもより疲れた」と語ったが、それでもその驚異的な回復力と精神力を、多くの人々が賞賛した。
8位:日本のレース界にレッドブルが登場!
日本のレース界に、レッドブルが大々的に登場した。
スーパーGTではGT500の#37 KeePer TOM'S LC500にレッドブルのロゴが付き、スーパーフォーミュラではピエール・ガスリーが乗るTEAM 無限の15号車がF1マシンと”ほぼ”同様のレッドブルカラーに塗られた。
そしていずれのマシンも、好成績を残した。まずスーパーGTでは、#37 KeePer TOM'S LC500が2勝を挙げ、平川亮とニック・キャシディのコンビでタイトルを獲得。またスーパーフォーミュラでも、ガスリーが2レースで勝利し、わずか0.5ポイント差のランキング2位につけた。
まだ来季の日本のモータースポーツでのレッドブル活動については未発表ながら、その去就が注目される。
7位:鈴鹿1000kmは今季限り。来季からは鈴鹿10時間耐久として再出発
鈴鹿サーキットを運営するモビリティランドは、伝統の鈴鹿1000kmを今年限りの開催とし、来年から鈴鹿10時間耐久レースとして再出発することを決めた。
1966年から開催されてきた鈴鹿1000km。しかしその歴史にピリオドが打たれることになった。モビリティランドの山下社長は、”1000kmでは短時間で走り切れてしまう”という想いがあったことを語っており、その走行距離、走行時間を延ばす必要性を感じていたようだ。
来季からは新たに鈴鹿10時間耐久レースがスタート。これにはFIA GT3規格の車両のほか、GT300クラスに参戦中のJAF-GTマシンの参加することができる。これが多くの方面から注目を集めており、50台のエントリーを集めること確実視されている。
6位:ニッサン、フォーミュラE参戦を発表。ポルシェ、メルセデス、BMWも
東京モーターショーで、ニッサンはシーズン5からのフォーミュラE参戦を発表した。
ニッサンは同アライアンス内のルノーのノウハウを引き継ぐ形でフォーミュラEに参戦。一方でルノーは、F1にそのリソースを注力するとしている。
ニッサン以外にも、ポルシェ、メルセデス、BMWらがフォーミュラEへの参入を発表。すでに参戦中のアウディ、ジャガー、DSらも含め、世界中の自動車メーカーが集う激戦カテゴリーになりつつある。
5位:ベッテル、アゼルバイジャンGP決勝でハミルトンに体当たり!
F1アゼルバイジャンGPの決勝レースのセーフティカーラン中に、その事件は起こった。
先頭を行くルイス・ハミルトン(メルセデス)は、セーフティカーの解除に備えてペースをコントロールし、真後ろのセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)に対して加減速を繰り返し、プレッシャーをかけていた。その際、「危険なブレーキテストをされた!」と感じたベッテルは怒り心頭……ハミルトンの真横に並びかけ、体当たりを食らわせた。
この件でベッテルは10秒のストップ&ゴーペナルティ。一方のハミルトンも、ヘッドレストが浮いてしまうというトラブルに見舞われ、揃って勝利を逃すことになった。
勝ったのはレッドブルのダニエル・リカルド。3位にはウイリアムズのルーキーであるランス・ストロールが入るという波乱のレースとなった。
- F1アゼルバイジャンGP決勝詳報:リカルド逆転優勝。ベッテル&ハミルトン表彰台逃す
- ベッテル「ハミルトンにもペナルティを科すべきだ!」と主張
- ハミルトン、ベッテルを非難「彼は自分で自分の名を汚した王者」
4位:ニッキー・ヘイデン死去
MotoGPのチャンピオン経験者であり、今季はスーパーバイク世界選手権に出場していたニッキー・ヘイデンが、サイクリング中に事故に遭い、死去した。35歳だった。
ヘイデンは5月17日にイタリアでサイクリング中に事故に遭遇。頭部と胸部に外傷を負った。その後懸命な治療が続けられたが、それも及ばずに5月22日に亡くなった。
スーパースターの突然の訃報に、二輪界のみならず、四輪レースのドライバーも含め、各方面から惜しむ声が聞かれた。
3位:変革期を迎えたF1。リバティ・メディアがF1新オーナーに就任
2017年シーズン開幕を前に、F1はオーナー企業が変更。新たにリバティ・メディアが筆頭株主となり、様々な改革が実施された。
これに伴い、各サーキットでは”F1エクスペリエンス”と名付けられたファン向けのイベントを実施。好評を得た。また、ロンドン中心部の公道を活用し、”F1 Live”というF1マシンのデモ走行+アーティストのライブというイベントも実現。このF1 Liveには、ルイス・ハミルトン以外の全現役ドライバーも参加した。
さらにシーズン最終戦では、来季から使われる新しいF1ロゴも発表。変革を印象づけた。
なおリバディ・メディアがオーナーに就任したことで、これまで長年にわたってF1を率いてきたバーニー・エクレストンが事実上の失脚。”名誉会長”に就任した。
2位:マクラーレンとホンダ、パートナー契約を早々に解消
2015年から始まった、新生”マクラーレン・ホンダ”のプロジェクト。しかし3年目となったパートナーシップも思うような結果を残すことができず、早々に関係を解消することで合意、シンガポールGPの際に発表された。1980年代後半から90年代前半にかけて黄金期を築いたマクラーレン・ホンダの黄金期、その再現とはならなかった。
関係解消の発表と同時に、マクラーレンは新たなパートナーとしてルノーと組むことを、さらにホンダはトロロッソとのパートナーシップを結ぶことも発表。この影響でカルロス・サインツJr.がルノーに移籍し、トロロッソのラインアップが大きく入れ替わるなど、各所に影響が及んだ。
→マクラーレンとホンダが関係解消。来季はマクラーレン・ルノー&トロロッソ・ホンダとして再出発
1位:佐藤琢磨インディ500で優勝。日本人として初の快挙
フェルナンド・アロンソの参戦で注目を集めた今年のインディ500。しかし結末は、佐藤琢磨が日本人として初優勝を遂げるという、日本のモータースポーツファンには決して忘れられない結果となった。終盤、エリオ・カストロネベスとの壮絶なる一騎打ちを制しての勝利。中継を担当したテレビ局のアナウンサーは絶叫。そのシーンを目撃して涙したファンも少なくなかったはず。
その後佐藤琢磨は内閣総理大臣顕彰を授与されたり、トランプ大統領来日の晩餐会にも招かれたり、その他様々な賞を受賞するなど、年間を通して注目された。来年、佐藤はチームを移籍してインディ500に臨む。連覇なるか?
→第101回インディ500詳細レポート:佐藤琢磨が激戦制す。アロンソはリタイア
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