バルセロナレース2:エイトケン初優勝。牧野&福住はまさかの相打ち!
F2第3戦バルセロナのレース2が行われ、ジャック・エイトケンがF2初優勝を飾った。牧野任祐と福住仁嶺はまさかの相打ちリタイアとなった。

FIA F2第3戦バルセロナのレース2が行われ、ARTグランプリのジャック・エイトケンがF2初優勝を飾った。日本勢の牧野任祐(ロシアン・タイム)と福住仁嶺(BWTアーデン)はターン3入り口で相打ちとなり、揃ってリタイアとなった。
直前に行われたGP3のレースはウエットコンディションで行われたが、このF2では雨が上がっており、路面には濡れている箇所があるものの全車ドライのミディアムタイヤを履いている。
3番手のジャック・エイトケン(ARTグランプリ)がスタートを決めてをホールショットを奪うと、セルジオ・セッテ・カマラ(カーリン)、アレクサンダー・アルボン(ダムス)、ランド・ノリス(カーリン)と続く。ポールポジションのアルテム・マルケロフ(ロシアン・タイム)は6番手までポジションを落としてしまった。
後方ではニック・デ・フリーズ(プルタミナ・プレマ・セオドール・レーシング)がコースアウト、ロベルト・メリ(MPモータースポーツ)も他車と接触してポジションを落としている。牧野は10番手、福住は12番手とそれぞれひとつずつポジションを落としてオープニングラップを終えている。
スタート直後にコースアウトを喫したデ・フリーズのマシンが止まってしまい、このレース最初のVSC(バーチャルセーフティカー)が出され、その間にマシンの撤去作業が行われた。リスタート後はセッテ・カマラ、アルボン、ノリスらの2番手争いが続き、ここでアルボンが2番手に浮上した
5周目、牧野と福住がコースアウトしているまさかの映像が映し出された。後ろを走る福住が牧野に仕掛けていったが、路面が濡れていたのだろうか、福住が牧野のマシンに乗り上げるような格好でグラベルに突っ込んでいった。これで両者はリタイア。2台のマシンを撤去するためにセーフティカーが導入された。なお彼らの接触はレース後に審議されることになっている。
8周目にレースが再開され、エイトケン、アルボン、ノリスのトップ3は変わらなかった。この3名の集団は後続を引き離している状態だが、各車がDRS圏内に迫るなど接近戦を繰り広げている。
後方では、サンティノ・フェルッチ(トライデント)とニコラス・ラティフィ(ダムス)の9番手争いが続いていたが、ここではラティフィが前に出た。レース1勝者のジョージ・ラッセル(ARTグランプリ)も、ターン1でセッテ・カマラを追い抜いて5番手に浮上した。その直後、追い抜かれたセッテ・カマラが突然失速し、トラック上でマシンを止め、マシンを降りてしまった。ここでこのレース2回目のVSCが掲示された。
レース再開後は、各所でポジション争いが起こった。VSC前に5番手に浮上したラッセルがファステストラップを記録するなど、前を走るルカ・ギオット(カンポス・レーシング)に迫る。ラッセルは終盤20周目にギオットをオーバーテイクし4番手に浮上した。
その後ろでは9番手のフェルッチ以下マルケロフ、ラルフ・ボシュング(MPモータースポーツ)、メリ、ルイス・デレトラズ(チャロウズ・レーシング・システム)らの5台が連なっている。至るところで各車のギャップが1秒以内に迫るなど、激しい争いが続いているが、終盤にはメリがエンジンの不具合を訴えマシンを降りている。
またボシュングはターン1で前を走るフェルッチに仕掛けていったが、ブレーキングで左フロントタイヤを激しくロックさせてしまい、タイヤの内部構造が見えるほどにタイヤが裂けてしまっていた。さらにタイヤの裂けた部分がフロントウイングのフラップ部分を大きく壊してしまっていた。ボシュングはマシンを止めてしまい、彼のマシンを撤去するためにまたもVSCが導入された。
残り周回が2周となったところで、レースが再開。コース上では順位争いが繰り広げられるが、スタートで首位に浮上したエイトケンが一度もトップを譲ることなくF2初優勝を飾った。2位はアルボン、3位にはノリスという上位3名の顔ぶれとなった。
4位以下ラッセル、ギオット、ゲラエル、アントニオ・フォッコ(チャロウズ・レーシング・システム)、ラティフィまでが入賞となっている。なおラッセルは最終ラップにファステストラップを記録している。