あわや大惨事。時速250kmでバリアに突っ込んだエイトケン「とても怖かった……」
ジャック・エイトケンは、ソチで行なわれたF2スプリントレースでのクラッシュの原因が、パンクにあることを明らかにした。
写真:: Mark Sutton / Motorsport Images
FIA F2第10戦ソチのレース2は、7周目で大きなクラッシュが発生したことで赤旗終了となった。ルカ・ギオット(ハイテック)と絡んでクラッシュしたジャック・エイトケン(カンポス)が、当時の状況を語った。
全21周で予定されていたスプリントレースの中でエイトケンとギオットは、4番手を激しく争っていた。7周目、大きく左に回り込むターン3で両者はサイド・バイ・サイドとなったが、ここで接触。揃ってアウト側のテックプロ・バリアに激しく突っ込んでしまった。
クラッシュしたエイトケンとギオットは共に無傷でマシンから脱出することができたが、ギオットのマシンは衝突の際のオイル漏れが原因とみられる火災が発生し、大炎上。脱出が遅れればあわや大惨事という場面であった。
レースはこれで赤旗中断となり、マシンの回収作業やバリアの修復作業が行なわれたが、結局再開されることなく終了することが決定。レースは既定に則り5周終了時の順位で確定となり、エイトケンとギオットはそれぞれ4位、5位という結果に終わった。
TVカメラの映像では、ターン3を走るエイトケンがアウト側に膨らんだことでギオットと接触し、クラッシュが発生したように見える。ただ、実はその前に一度小さな接触が起こっており、その際にエイトケンの右リヤタイヤがパンク。それによりコントロールを失ったエイトケンがアウトに膨らんでしまったというのが事故の真相のようだ。
エイトケンはレース後motorsport.comに対し、パンクに気付いた際に減速しようとしたが、ギオットとの接触を防ぐには十分でなかったと語った。
「ルカと僕はターン2でバトルをしていた。そしてターン3に差し掛かった時に僕はイン側にいて、前に出ようとしたら彼はまだ僕の少し後ろにいたんだ」
エイトケンはそう語った。
「リヤに少し接触したような感触があって、その直後にはマシンをイン側にキープできなくなって、リヤの空気圧がなくなっていく感じがした。マシンが沈むような感じがして、コントロールを失っていったんだ」
「その時点で僕はマシンのスピードを落とし始めた。データを見る限り、僕はかなりスピードを落としていた」
「彼が僕をパスできるくらいにスピードを落としていったけど、僕たちが(再び)接触した時にフロントタイヤもリムから外れた。バリアに向かっていく時にマシンは全く減速しなかったし、ルカは宙を舞っていた。僕たちは同じ状況だったんだ」
「僕たちはふたりともできる限りレーシングラインに留まろうとしたけど、このような高速区間で接触してパンクしてしまったのはアンラッキーだったよ」
エイトケンはまた、ギオットと接触した後、かなりの衝撃でバリアに突っ込むことになると思っていたと話した。エイトケンとギオットが2度目の接触をした際の速度は、時速230〜250kmだったという。
「何が起きようとしているのか、何となく分かったんだ」とエイトケン。
「僕はルカと2度目の接触をしたけど、普通はその時、状況について考える暇はない。でもバリアにぶつかってその下に潜る前、僕はかなり酷いことになると分かった。かなり大きい接触だったし、僕たちが軽い怪我で済んだのは相当ラッキーだ」
「でも、とても怖かったよ」
「あの時僕はパンクして、リヤのコントロールを失って、時速230〜250kmで(バリアに)突っ込んでいって、時速195kmでぶつかったんだ。正直、僕たちふたりが歩いて出てこれたことは、本当に神に感謝だよ」
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