コロナ禍の経済危機はF1目指す若者の将来を脅かす? ジャン・アレジは救済措置を望む
元F1ドライバーのジャン・アレジは、F2などのジュニアカテゴリーを戦う多くの若手ドライバーたちが、スポンサーの危機により2020年シーズンを戦い抜くことができないのではないかと懸念している。
写真:: Joe Portlock / Motorsport Images
新型コロナウイルスの流行によって、モータースポーツ界は財政的に大きな影響を受けている。元F1ドライバーのジャン・アレジは、F1を目指す若手ドライバーたちがその影響を大きく受けることになるだろうと考えている。
アレジの息子であるジュリアーノは今季、HWAからFIA F2に参戦する。しかしながら既に彼のスポンサーたちが逃げ腰になっている兆候があるといい、今後無観客イベントが続く可能性が高いことや、カレンダーの不確実性も状況をさらに悪くしているという。
アレジはmotorsport.comに対し、2020年シーズンの展望を次のように語った。
「恐ろしいことになりそうだ。なぜかって? ご存知のようにこのカテゴリー(F2)ではドライブするためにお金を払っているからだ。F2でチームに支払う額は非常に高額だ。我々父親の大半は、まだまだ支払う必要があるだろう」
「私の場合、大抵はレーストラックにいて、スポンサーやパートナーをF1のパドックに招いてジュリアーノと週末を楽しんでいる。彼らはその間F1を見ている」
「しかし今季はドライバーと技術クルーしか(サーキットに)入れないだろうから、それはできない。既に私は困難に直面している。彼らはF2マシンをスポンサードするメリットがあまりないから、支援を渋っているんだ」
さらにアレジはこう続けた。
「この2ヵ月の間に、世界中のあらゆるスポーツが始まっていく。サッカーのチャンピオンズリーグやセリエA、そしてF1やスポーツカーが一斉に始まった時、F2にスポンサードする余裕は残っているのだろうか? 難しいことになりそうだ」
アレジはまた、モータースポーツの統括団体であるFIAとF1の商業的権利を持つリバティメディアが、今季若手ドライバーが直面するであろう問題を認識していることを期待している。ジュニアカテゴリーにおいてはドライバーが個人の支援者に依存しているため、より厳しい状況となっているからだ。
「私には解決策はない」とアレジは言う。
「F1は素晴らしいグループであり、特にジャン・トッド(FIA会長)とロス・ブラウン(F1マネージングディレクター)はモータースポーツであらゆる経験をしてきていて、そのメカニズムを理解している」
「だから彼らはこれにどう対応すべきかを知っているはずだ。子供たちを救済するためにも、迅速に対応してくれることを願っているよ」
FIA F2とFIA F3の代表であるブルーノ・ミシェルは、財政状況は世界的に見ても厳しいため、十分な注意を払う必要があると言うが、ドライバーたちを救済するためにできることはあるはずだと考えている。
「もちろん、スポンサーに関する問題は常に付きまとうものだ。全てが問題なく支払われて、全てがうまくいったシーズンなどなかった」とミシェルは語る。
「おそらく今年はもっと厄介なシーズンになる。ただシーズンが始まってみないと予測するのは難しい。ただチームから聞いた話によると、今のところグリッドに戻ってこれないドライバーはいないとのことだ。これは何より重要なことだ」
「それから、予算の支払いの面ではどうなるのか? 我々はもちろんチームへの対応には細心の注意を払う。そして状況を正確に把握しようとしている」
そう語ったミシェルだが、チームに不利益となる可能性があることから、安易にスポンサーの支払い額を値下げさせることは間違いだと明言した。
「それを口実にチームと金額について再び話し合いを始めようとする人が出るのは避けたい。お互いフェアではないからだ」
「チームにとっても、ドライバーにとっても、そして我々にとっても公平なものを見つける必要がある。今シーズンは慎重になる必要があるが、これまでにも厳しいシーズンを経験した我々にとっては、それほど大きな問題にはならないだろう」
Be part of Motorsport community
Join the conversationShare Or Save This Story
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
Top Comments