“苦労人”デ・フリーズ、F1昇格ならずも「ここまでチャンスを与えてくれて感謝」
2019年のFIA F2でタイトルを獲得したニック・デ・フリーズは、F1昇格こそ叶わなかったものの、FIA F2で“リベンジ”する機会を得られたことに感謝している。
昨年のFIA F2は、ランキング上位3名(ジョージ・ラッセル、ランド・ノリス、アレクサンダー・アルボン)が全てF1に昇格するという“豊作”の年となった。そのシーズンで3勝を挙げてランキング4位となったニック・デ・フリーズは今季、チームをプレマからARTに移籍して同カテゴリー3年目のシーズンを迎えた。彼は開幕前テストから好調で、タイトル獲得の最有力候補と目されていた。
デ・フリーズはその期待に違わぬ活躍を見せた。シーズン序盤こそニコラス・ラティフィ(DAMS)の先行を許していたが、モナコとポールリカールのレース1で連勝してランキング首位に躍り出ると、その後はコンスタントにポイントを獲得する安定感のある走りを披露。ソチ戦レース1で優勝したことで、3レースを残してタイトルを確定させた。
なお、彼はメルセデスから2019-2020年シーズンのフォーミュラEを戦うことが決定している。チームメイトは元F1ドライバーで、2015年のGP2(FIA F2の前身)チャンピオンのストフェル・バンドーンだ。
今季のF2タイトルが自身にとってどういった意味を持つのか尋ねられたデ・フリーズは、次のように語った。
「リベンジのようなものだ」
「昨年はタイトルを争える位置にいたけど、(自分よりランキングが上の)全てのドライバーがF1に昇格したという点で、とてもつらい1年だった。序盤では、大量得点が狙えるような場面で単純なミスをいくつも犯してしまった。そこからずっと劣勢になってしまったんだ」
「今季のライバルたちも、僕が得点でリードをして優位になると、追い付こうとして不必要なミスをするようになった。昨年の僕はそういった立ち位置だったんだろう」
彼はさらにこう続けた。
「昨年はポイントを積み重ねることよりも、勝つことに集中しすぎていた」
「正直僕はそれが理に適わないことを分かっていたんだけど、“僕らしくない”ミスをしてしまった。今季はその反対をやることで、(ポイント重視の走りが理に適っていると)証明できて良かった」
今季のデ・フリーズは、ここまで10ラウンド20レースの内19レースで入賞。彼がポイントを逃したのはポール・リカール戦のレース2のみである。
彼は長年マクラーレンの育成ドライバーに名を連ねていたが、昨年末にそこから離脱。今季F2でタイトルを獲得したにも関わらず、来季はF1ではなくフォーミュラEへの参戦を決めた。彼の夢であったF1参戦を2020年に実現する可能性はほぼゼロ。今季のアレクサンダー・アルボンのような例外を除けばだが……。
「子供の頃からF1を夢見てきたし、そこに続くルートを歩んできた。カート時代の成功、その後の困難な時期、物事の変化……これまで山あり谷ありだった」とデ・フリーズは語った。
「今季、僕はなんとかシングルシーターの世界にとどまることができた。それはF2で2度目のチャンスを与えられたような感じだった。なぜなら昨年の前半は全然ダメだったからね」
「特にARTには、(GP3時代の2016年に)結果を残すことができていなかったにも関わらず、チャンスを与えてくれて感謝している。あの年は難しいシーズンだった。ペースなどは関係なく、いろんなことがうまくいかなかったんだ」
「この数年間で起こったことの全てが無駄ではないと思っているし、これまで僕が成し遂げてきたことに満足している」
「もちろん(目指していたところとは)違う方向、違うルートを選んだことになったけど、(フォーミュラEという)チャンスをもらって感謝している。同時に、これまでのキャリアで様々な経験ができたことにも感謝しているし、それはかけがえのないものなんだ」
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