【F2】今季初優勝の松下信治「得意なコースがこれからもたくさんある」
F2バルセロナのレース2で今季初優勝を果たした松下信治は、この先も「得意なコースがたくさん」と手応えを感じている。

FIA F2選手権のバルセロナラウンド。そのレース2で松下信治(ARTグランプリ)が今季初優勝を果たした。この勝利は松下にとって、前身のGP2時代と合わせて3勝目となる。
レース1の残り2周というところまでは3番手を走っていた松下。しかし、オリバー・ローランド(DAMS)に抜かれ、4位フィニッシュとなった。
リバースグリッドで行われるレース2、松下は5番グリッドからスタート。素晴らしい蹴り出しで一気に3番手までジャンプアップしてみせた。
「スタートには自信がありました」
松下はそう語る。
「実は自分としては少し失敗したんです。ちょっとホイルスピンしてしまったんですよね。それがなければ、もう1台抜くことができていたと思います」
レース1で3位のポジションを失った原因。それはタイヤのデグラデーションだった。早めにタイヤ交換を行った松下は、レース終盤にペースを上げられず、ポジションを失ったのだ。
「ペースには気をつけていました。昨日(レース1)はデグラデーションがすごかったんで、今日はより前とのギャップを開いて、タービュランスの影響を受けないようにしていたんです。でも、前のドライバー(グスタフ・マルヤ)があまり速くなかったんで、早めに抜こうと思いました」
マルヤを抜いた後の松下の前には、ニコラス・ラティフィ(DAMS)がいるだけ。しかしその差は4秒あり、なかなか詰まらなかった。松下も「厳しいかなと思った」と言う。
しかしラティフィは、ターン5でオーバーランしコースオフ。このロスにより、松下は労せずしてトップに立つことができた。
「彼も苦しそうな感じでしたけど、クリーンエアで走っていた分良いはずなんで。後ろのオリバー(ローランド)も速かったから気にはなりました。でも、自分としてはタイヤマネジメントがうまく行ったんで、自信になりました」
結局松下は、ローランドらに差を詰められることなくトップチェッカー。今季初優勝を果たした。
「アグレッシブな1周目を見せることができたし、どんなシチュエーションでも仕事ができるということを見せられたと思います。こういうレースをやっていけば、(ランキング上でも)追いついてくると思います」
バルセロナで勝利を収めた松下だが、実はここが最も苦手なサーキットなのだという。
「得意なサーキットが、これからたくさんあります。実はバルセロナが一番苦手なんですよ」
「セクター3が苦手なんですよ。ずーっと一定のペースで、ちまちましているところが苦手なんですよね」
開幕戦はレース1で8位になったものの、レース2ではリバースグリッドでのポールポジションを得ていたにもかかわらず、マシントラブルでピットスタートを余儀なくされるなど、不完全燃焼に終わった松下。しかしここバルセロナでは躍動し、今後もこの流れを持続したいと語る。
「バーレーンの分を取り戻して、イーブンになったんじゃないですかね? 4位と1位で、ポイント的にも良かったと思います」
「良い結果を出せてモチベーションを上げられたので、次に向けては良いです。モナコ、バクー、オーストリアと、表彰台を獲っていきたいです」
取材/尾張正博
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この記事について
シリーズ | FIA F2 |
イベント | バルセロナ |
サブイベント | Sunday Race |
ロケーション | サーキット・デ・カタルニア |
ドライバー | 松下 信治 |
チーム | ARTグランプリ |