F2ハンガロリンク・レース1:ラティフィ今季4勝目。他車ペナルティ取り消しで松下7位
FIA F2のハンガロリンク戦レース1が行われ、DAMSにニコラス・ラティフィが、スタート直後にポジションを上げ、そのまま逃げ切りトップチェッカーを受けた。松下信治(カーリン)は7位フィニッシュとなった。
Nicholas Latifi, Dams
Joe Portlock / Motorsport Images
FIA F2のハンガロリンクラウンドのレース1が行われ、ニコラス・ラティフィ(DAMS)が優勝を果たした。
前日に行われた予選とは打って変わり、晴天に恵まれたF2のハンガロリンク戦レース1。スタート時の気温は23度、路面温度は32度と発表された。
ポールポジションからスタートしたニック・デ・フリーズ(ARTグランプリ)は抜群の蹴り出しを見せ、首位をキープしたままターン1を目指した。しかし、そのターン1でタイヤをロックさせる痛恨のミス。これでアウトに膨らんでしまったところを、3番手スタートだったニコラス・ラティフィ(DAMS)がオーバーテイク。一気に首位に立った。ルカ・ギオット(ユニ・ヴィルトゥオーシ)が3番手、ミック・シューマッハー(プレマ)が4番手という隊列。8番手スタートだった松下信治(カーリン)はふたつポジションを上げ、6番手で1周目を終えた。
先頭を行くラティフィは、デ・フリーズを引き離していきたいところだがそうはいかず、デ・フリーズが終始1秒の差を保って追いすがっていく。一方3番手のギオットは、前を行く2台から徐々に引き離される展開となった。
3周目の最終コーナーを立ち上がったところで、ルイ・デレトラ(カーリン)のマシン後方から激しい白煙が上がる。エンジンブローが起きてしまったようで、デレトラは1コーナーのランオフエリアにマシンを止めてしまった。このレースのリタイア第一号である。
このレースに持ち込まれているタイヤはソフトとミディアムであり、レース中に両方のタイヤを使うことが義務付けられている。ペースは速いソフトタイヤだがデグラデーション(性能劣化)は急激であり、6周目にはこのソフトタイヤを履くジュリアーノ・アレジ(トライデント)がミディアムタイヤ装着マシンに抜かれるシーンもあった。
この状況を見たのか、2番手を走るデ・フリーズが6周目にピットインしてミディアムタイヤに交換。アレジも同じ周回にピットに入った。翌7周目終了時点では、シューマッハー、ジャック・エイトケン(カンポス)、松下らがやはりピットストップを終えた。
首位を行くラティフィは、8周を終えた段階でピットへ。ポジションを争っていたデ・フリーズはファステストラップを更新する速さで走ったが、ラティフィの前に出ることは叶わなかった。
ソフトタイヤでスタートしたマシンが交換を終えた段階で首位に立ったのは、ジョーダン・キング(MPモータースポーツ)。キングはミディアムタイヤを履いてスタートし、この時点での2番手であるアンソニー・ユベール(アーデン)に6秒の差をつけ、快調な走りを見せた。
ただ、タイヤを変えたばかりのラティフィとデ・フリーズのペースは良く、キングとユベールへと迫っていった。
9番手を走っていたシューマッハーは、タイヤ交換を終えていないファン-マヌエル・コレア(チャロウズ)のペースに付き合わされた。19周目になんとかオーバーテイクを完了したが、前を行くギオットに離されてしまっただけでなく、後方の松下に急接近されることとなった。
19周目にはカンポスのアルジュン・マイニがマシントラブルによりコース脇にストップ。このマシンを処理するため、バーチャル・セーフティカーが発動することとなった。
22周目にバーチャル・セーフティカーが解除。このタイミングをうまく使ったのが松下だ。松下はメインストレートでシューマッハーの背後に迫り、オーバーテイクを完了。7番手に上がった。シューマッハーは松下を抜き返そうと攻めに攻めたが、松下が僅差ながら防衛していった。
ペースが上がらないのは、5番手を行くエイトケン。このエイトケンにギオットが近づき、さらに松下とシューマッハーもこれに追いつき、4台による争いへと突入していく。首位キングと3番手ユベールがまだピットに入っていないことを考えると、これが実質的な表彰台争いである。ただシューマッハーは、コースオフするシーンもあり、徐々にこの集団から遅れていくことになった。そして29周目にはセルジオ・セッテ・カマラ(DAMS)に抜かれてしまった。
残り10周という段階で、キングとユベールがピットイン。キングはカラム・アイロット(チャロウズ)の真後ろ、9番手でコースに復帰することになった。そして31周目、新品のソフトタイヤを履いたキングがアイロットをオーバーテイクし。キングの勢いは衰えず、33周目のターン1ではシューマッハーも攻略した。
一時ペースを落としていた松下だが、32周目あたりから攻撃を開始。一気にギオットとの差を詰め、抜きにかかる。ただギオットに防御された一瞬の隙を突かれ、セッテ・カマラに抜かれてしまうこととなった。さらにこの集団には、キングも迫り、35周目のターン1でキングが松下をオーバーテイクした。
この間、34周目にはトライデントのラルフ・ボシュングが派手にエンジンブローを起こし、コース脇にマシンを止めてしまった。これでセーフティカーが出動することとなった。
結局このセーフティカーが退出することなく、チェッカーフラッグを振られることになった。ラティフィが優勝し、今季4勝目。デ・フリーズ、エイトケンという表彰台の面々となった。
ただ、キングとギオットには、フィニッシュ直後に5秒のタイム加算ペナルティが科された。その結果、松下は5位に繰り上がることになった。なおこのペナルティにより、ギオットが6位、キングが7位となった。キングはファステストラップも獲得している。
シューマッハーは8位フィニッシュとなり、トップ8がリバースグリッドとなるレース2のポールポジションを手にした。
追加情報:キングとギオットに科されたペナルティは、その後取り消され、フィニッシュ順での最終結果に修正された。スチュワードはこれについて、正しく減速するのは非常に困難であり、ペナルティは不適切だと判断したと説明している。
順位 | ドライバー | チーム | 周回数 | タイム | 差 | 前車との差 | Mph | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ニコラス ラティフィ | ダムス | 37 | 1:02'40.675 | 155.133 | 25 | ||
2 | ニック デ・フリーズ | ARTグランプリ | 37 | 1:02'41.427 | 0.752 | 0.752 | 155.102 | 18 |
3 | ジャック エイトケン | カンポス・レーシング | 37 | 1:02'41.720 | 1.045 | 0.293 | 155.090 | 15 |
4 | ルカ ギオット | ユニ・ヴィルトゥオーシ | 37 | 1:02'43.670 | 2.995 | 1.950 | 154.804 | 8 |
5 | セルジオ セッテ・カマラ | ダムス | 37 | 1:02'44.819 | 4.144 | 1.149 | 154.962 | 12 |
6 | ジョーダン キング | MPモータースポーツ | 37 | 1:02'45.723 | 5.048 | 0.904 | 154.719 | 6 |
7 | 松下 信治 | カーリン | 37 | 1:02'45.957 | 5.282 | 0.234 | 154.915 | 10 |
8 | ミック シューマッハー | プレマ・レーシング | 37 | 1:02'56.482 | 15.807 | 10.525 | 154.483 | 4 |
フルリザルトを見る |
Be part of Motorsport community
Join the conversationShare Or Save This Story
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
Top Comments