F2シュピールベルク:周に不運、レース1はアイロットが制す。角田はほろ苦い初陣に
2020年FIA F2開幕ラウンドのシュピールベルク戦レース1が行なわれ、ユニ-ヴィルトゥオーシのカラム・アイロットが優勝した。日本勢最上位は松下信治の9位だった。
写真:: Andy Hone / Motorsport Images
2020年のFIA F2開幕戦シュピールベルクのレース1が、オーストリアのレッドブルリンクで行なわれた。優勝したのはユニ-ヴィルトゥオーシのカラム・アイロットで、日本勢は松下信治(MPモータースポーツ)の9位が最上位だった。
角田裕毅(カーリン)、松下、佐藤万璃音(トライデント)という3人の日本人ドライバーが参戦する今季のFIA F2。日本のファンにとっては近年稀に見る注目度のシーズンが開幕した。
前日に行なわれた予選では、ユニ-ヴィルトゥオーシの2年目、周冠宇が他を圧倒する速さでポールポジションを獲得。2番手にはルーキーのフェリペ・ドルゴビッチ(MPモータースポーツ)が入った。フリー走行でトップタイムを記録していた角田は12番グリッド、松下と佐藤は共に最後列からのスタートとなった。
レース開始前、予選7番手のルカ・ギオット(ハイテック)にトラブルが発生。グリッドに着くことができず、こレースをスタートすることすらできなかった。
ギオットを欠いた21台でフォーメーションラップが始まったが、22番グリッドの佐藤がスタートできず。スタートを前に2台のマシンが戦列を離れることになった。
40周のフィーチャーレースがスタート。3番グリッドのアイロットが抜群のスタートを見せてターン1をトップで抜けた。角田はターン3のブレーキングでチームメイトのユアン・ダルバラに追突してしまい、フロントウイングを破損。緊急ピットインを強いられ、最後尾に落ちてしまった。さらに角田にはその後、5秒のタイムペナルティが科されてしまった。
周はアイロットを交わしてトップを奪い返すことに成功。3番手にミック・シューマッハー(プレマ)、4番手にドルゴビッチ、5番手にロバート・シュバルツマン(プレマ)というオーダーとなった。
7周目、ショーン・ゲラエル(DAMS)がスロー走行でピットイン。戦列から離れることになった。
10周目前後から、ソフトタイヤを履いてスタートしたマシンが続々とピットインし、ハードタイヤに交換した。その中でもマーカス・アームストロング(ARTグランプリ)はフレッシュタイヤでファステストラップを連発しながら、ステイアウトしている上位陣との差を詰めていった。
18周目から周、アイロット、シューマッハーの上位3台が順にピットへ。その中で最もピットを遅らせたシューマッハーがアイロット、そして周の前に立ち、ピットを終えたマシンの中ではトップに立った。
しかし周はアイロットをすぐさま攻略すると、21周目にはシューマッハーも捉えてオーバーテイク。全てのマシンがピットを終えた段階でトップに返り咲いた。
しかし26周目、ここまで完璧なレース展開を見せていたトップの周が突然スローダウン。ピットインして再度コースには復帰したが、まさかのトラブルで優勝争いからは完全に脱落してしまった。
その直後にアーテム・マルケロフ(HWA)のマシンもスローダウン。そのままコース脇にマシンを止めてしまい、セーフティカーが出動することとなった。
アイロットを先頭に、レースは残り10周から再開。そこにシューマッハー、アームストロング、シュバルツマンが続き、フェラーリ育成のドライバーがトップ4を独占していたが、シューマッハーはターン7で痛恨のコースオフ。大きく順位を下げた。
アイロットは結果的に後続との差をぐんぐん離していき、トップでチェッカー。2年目にしてF2初優勝を達成した。FIA F3時代のチームメイトであるシュバルツマンとの激闘を制したアームストロングが2位に入り、フェラーリ育成が表彰台を独占した。
松下は最後方から追い上げ9位でフィニッシュ。貴重なポイントとリバースグリッドでのPPを獲得できなかった。一方、角田はチームメイトと同士討ちを演じてしまい、ほろ苦いデビュー戦となった。佐藤はトラブルによりレースをすることすらできなかった。
順位 | ドライバー | チーム | 周回数 | タイム | 差 | 前車との差 | Mph | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | カラム アイロット | ユニ・ヴィルトゥオーシ | 40 | - | ||||
2 | Marcus Armstrong | ARTグランプリ | 40 | 8.800 | 8.800 | 8.800 | ||
3 | Robert Shwartzman | プレマ・レーシング | 40 | 9.200 | 9.200 | 0.400 | ||
4 | Christian Lundgaard | ARTグランプリ | 40 | 10.800 | 10.800 | 1.600 | ||
5 | ダニエル ティクトゥム | ダムス | 40 | 11.200 | 11.200 | 0.400 | ||
6 | ジュリアーノ アレジ | BWT HWA Racelab | 40 | 12.800 | 12.800 | 1.600 | ||
7 | ルイ デレトラ | Charouz Racing System | 40 | 16.200 | 16.200 | 3.400 | ||
8 | Felipe Drugovich | MPモータースポーツ | 40 | 17.000 | 17.000 | 0.800 | ||
9 | 松下 信治 | MPモータースポーツ | 40 | 17.400 | 17.400 | 0.400 | ||
10 | Roy Nissany | トライデント | 40 | 19.500 | 19.500 | 2.100 | ||
フルリザルトを見る |
Be part of Motorsport community
Join the conversationShare Or Save This Story
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
Top Comments