岩佐歩夢にとっては最悪のタイミングでのセーフティカーも10位。優勝はベスティ|FIA F2モナコ・フィーチャーレース
モンテカルロ市街地コースを舞台にFIA F2のモナコ戦フィーチャーレースが行なわれ、プレマのフレデリック・ベスティが優勝。岩佐歩夢は、彼にとって最悪のタイミングでセーフティカーが出てしまったことで、10位でフィニッシュするのが精一杯だった。
写真:: Simon Galloway / Motorsport Images
FIA F2のモナコ戦フィーチャーレースが行なわれ、フレデリック・ベスティ(プレマ)が優勝を果たした。岩佐歩夢(DAMS)はセーフティカーのタイミングに翻弄されて戦略を活かせず、10位でのフィニッシュとなった。
タイヤ交換義務があるF2のフィーチャーレース。ポールポジションのフレデリック・ベスティ(プレマ)や2番手のヴィクトー・マルタンス(ARTグランプリ)らは硬い方のソフトタイヤを履いてのスタートを選択。一方で9番グリッドスタートの岩佐歩夢(DAMS)らは、柔らかい方のスーパーソフトタイヤを履いてスタートを切った。
そのスタートで上位勢の順位は大きく変わらなかったが、岩佐はひとつ前のジェハン・ダルバラ(MPモータースポーツ)を抜いて8番手に浮上。ダルバラはアイザック・ハジャー(ハイテック)にも抜かれて、ポジションを10番手まで落とした。
先頭を行くベスティは、毎周のようにファステストラップを記録し、2番手マルタンスとの差を大きく引き離す。一方、岩佐らスーパーソフトを履いてスタートしたドライバーたちのペースは上がらない。
そんな中クレメント・ノバラク(トライデント)やラルフ・ボシュング(カンポス)らが、7周を終えた段階でスーパーソフトからソフトタイヤへとスイッチ。ダルバラも10周を終えた段階でピットインした。
スーパーソフトでスタートした中で最上位だったジャック・クロフォード(ハイテック)も11周を終えた段階でピットイン。岩佐はその翌周にピットインし、クロフォードの後ろでコースに戻った。
13周を終えた段階でピットストップを行なったオリバー・ベアマン(プレマ)は、岩佐の前でコースに復帰。しかし岩佐はミラボーでベアマンのインにズバッと飛び込み、ポジションを奪った。
19周目、トンネル内を走行中だったカーリンのエンツォ・フィッティパルディが、マシン後方から激しく白煙を上げ、ヌーベル・シケイン先のランオフエリアにマシンを停めることになった。これでバーチャル・セーフティカー(VSC)が宣言された。
VSCが解除された直後の22周目、ジャック・ドゥーハン(ヴィルトゥオーシ)がボー・リバージュを登り切った左コーナー”マセネー”で単独クラッシュ。コースを塞ぐような形で止まってしまった。ドゥーハンのマシンからは火の手が上がり、コースマーシャルが総出で消火作業に当たった。ドゥーハンはこのクラッシュの直前、別の場所でガードレールにヒットしており、その時にフロントウイングにダメージを負っていた。これが、大きなクラッシュの原因になったようだ。
このタイミングで、まだタイヤ交換を済ませていなかったドライバーたちが続々とピットインし、ソフトタイヤからスーパーソフトタイヤへと履き替え、ほとんど順位を落とさずにコースに復帰した。既にタイヤ交換を済ませていたドライバーたちにとっては最悪のタイミングで、岩佐は結局10番手ということになってしまった。
なおドゥーハンのクラッシュによりコース上にはデブリが散らばり、さらに消火剤が大量に撒かれたり、ガードレールを交換する必要性が生じたため、レースは赤旗中断となった。
約20分間の中断を経てレース再開。9番手クロフォード以下岩佐らは、セーフティカーがクロフォードの前で出動したことで、首位グループの前でピットレーンに並び、レース再開を待つことになった。つまり、ほぼ周回遅れの状況だ。そのため、レース再開に向けてコースインした時もクロフォードがセーフティカーの直後につける形となった。そしてターン12を越えたところで、セーフティカーを抜くように指示が出された。これで首位グループと同一周回に戻った格好だ。
そしてローリングスタートでレースが再開されることになったわけだが、このローリングスタートはクロフォードが8番手のローマン・スタニャク(トライデント)に追いつく前に切られてしまった。結局クロフォード以下岩佐らはスタニャクから30秒以下離される格好となり、実に不利な展開となってしまった。
リスタート直後、2番手を行くマルタンスには、ドゥーハンがクラッシュした際に黄旗区間で十分に減速しなかったとして、ドライブスルーペナルティを科された。マルタンスはすぐにペナルティを消化し、大きく遅れたクロフォードの前、8番手でコースに復帰した。
ベスティはその後も順調な走りを披露。最終的には制限時間いっぱいとなる60分を迎えたためタイムレースとなり、39周でチェッカーが振られることになったが、結局ベスティがテオ・プルシェール(ARTグランプリ)に2.5秒の差をつけて優勝。今季2勝目を挙げた。
2位にはプルシェール、3位にはゼン・マローニ(カーリン)が続いた。
結局岩佐は10位でのフィニッシュ。終盤、ベアマンに激しくプレッシャーをかけられたが、なんとか1ポイントを持ち帰った。思えば、ピットストップ直後のベアマンを攻略できたことが、非常に大きかったと言えよう。
なおランキング上位のベスティとプルシェールが1-2位でフィニッシュしたため、岩佐はランキング3番手に後退することになった。
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