ゲラエルのシルバーストン欠場は、スチュワードへの”抗議”だった?
F2のシルバーストン戦のレース1とレース2に出場しないことを決めたショーン・ゲラエル。この決断は、ゲラエルに科せられたペナルティに対する反応だったことが分かった。
写真:: FIA Formula 2
プレマのショーン・ゲラエルは、シルバーストンでF1の併催として行われたF2で、レース1以降のセッションには出場しないという決定を下した。この決断は、金曜日のフリー走行で起きたクラッシュにより、ゲラエルが受けたペナルティに影響を受けたモノだったという。
F1イギリスGPの金曜日に行われたF2のフリー走行で、ゲラエルはルイ・デレトラ(カーリン)との接触事故を起こした。この時、デレトラはアウトラップを走行中であり、レーシングライン上に車幅の半分ほどを入れ、スロー走行していた。レーシングスピードで走っていたゲラエルは、デレトラを抜こうとブルックランズ・コーナーのインに飛び込んだが、ふたりは接触してしまうことになった。
その後行われた予選でゲラエルは18番グリッドを獲得。しかし最終的には、フリー走行でのクラッシュの責任を問われ、3グリッド降格のペナルティを科された。これを受けたゲラエルは、その後コースに戻らないことを決断した。
F2のスチュワードは今季、チームやドライバーなどから度々批判を受けてきた。特にモナコGPでは、赤旗中にピットレーンでマシンの隊列を正しく並べ替えず、ゲラエルはそのせいで、勝利のチャンスを失うこととなった。
「F2ではこの4年間、色々なことが起きた。今年は特にそうだ。それは僕がコントロールできることではない、極端なことだ」
ゲラエルはmotorsport.comに対してそう語った。
「例えば、モナコで起きたことだ。一貫性がないんだ」
「それは根本的な問題だと思う。レース欠場を決めたことが抗議とみなされるなら、僕はそれに反論するつもりはない。しかし、僕にとっては大きなことだ。決定を下す際、それほど矛盾することは許されない」
「彼らが裁定を語った時、僕はショックを受けたし、言うべき言葉がなかった。単なる抗議ではなかった。チャンピオンシップとスチュワードの間で、物事をどう処理するかということに関して線を引いたということだ」
「彼らは僕に戒告とペナルティポイント2を与えた。僕は『悪いことをしていない人を責めることはできない』と思う」
「僕らは控訴しようとした。そしてルールブックの中に、もし戒告を与える場合、ペナルティポイントを科すことはできないという条文を見つけた」
「午前中の段階で、チームマネージャーのギヨーム(キャピエット)はスチュワードと話をしに行った。そして僕らは『今回のことには同意できない。しかしもし戒告を与えるなら、少なくともペナルティポイントは与えられないはずだ』と主張した。そうしたら彼らは、3グリッド降格のペナルティを戻してきたんだ」
デレトラとゲラエルは、インシデントの後に話をしたという。そしてデレトラは被害を受けた側にも関わらず、ゲラエルを完全に非難することはできないと語った。
「そのペナルティが、彼にとっては非常に過酷だったということに同意しなければいけない」
デレトラはそうmotorsport.comに対して語った。
「僕が非難されるべきだとは思わない。でも、彼もどちらかのせいにしようとしていたとも思わない。僕からすればそれはレース中のインシデントであり、回避することができたことだった」
シルバーストンのレースを欠場した後、ゲラエルはmotorsport.comに対し、将来のことについては今後検討することになるだろうと語った。
「前に進み、頭を落ち着かせるまでには2〜3日かかる」
そうゲラエルは付け加えた。
「それは僕とチームの間で決断したことだ。そして僕に近しいグループは、将来をどうすべきかを見ている」
「僕はレースではなく、周りで起きているたくさんのことの影響を受けていると思う。それは全てのモノから楽しい部分を取り除き、レースから心を取り除く。もし心がそこにないのなら、レースをする意味は何なのだろうか?」
FIAはゲラエルの主張について、コメントすることを控えた。
一方でF2のプロモーターであるブルーノ・ミシェルは、今回のことについて言及。ゲラエルの気持ちを理解できると語った。
「ショーン・ゲラエルが土曜日のイベントから撤退することを決めたことで、F2の歴史の中で初めて、スターティンググリッドには19台のマシンしか並ばないイベントとなった」
「スチュワードの決断について意見を述べるのは、プロモーターの立場ではない。しかし私は、ショーンに対するペナルティが、レース1の直前に変更された形については、後悔することしかできない」
「ショーンの不満と、今回の反応については完全に理解することができる。彼と彼の家族は、過去4年にわたって、このカテゴリーの重要な部分を占めてきた。私は、彼がグリッドに戻ってくることを願うことしかできない」
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