F2&F3、ハイブリッド&バイオ燃料導入に向け議論開始「しかし今後3年は新車投入はない」

F1への登竜門としての位置付けにあるFIA F2とFIA F3は、将来的にはハイブリッドエンジンやバイオ燃料を導入することについて、検討しなければならないとCEOのブルーノ・ミシェルは語る。

Christian Lundgaard, ART Grand Prix

Christian Lundgaard, ART Grand Prix

Formula Motorsport Ltd

 F1への登竜門として実施されているFIA F2とFIA F3。両シリーズのCEOであるブルーノ・ミシェルは、将来に向けハイブリッドエンジンやバイオ燃料の導入を含め、検討を初めていることを明かした。

 FIA F2とFIA F3は、今季もF1のサポートレースとして行なわれることが決まっている。ただ、両方のシリーズが同じ週末に開催されることはなく、F2とF3はそれぞれ別のグランプリの併催として行なわれ、1ラウンドに3レースが行なわれる形に改められる。

 両シリーズのCEOであるブルーノ・ミシェルは、いずれのシリーズのマシンも今後3年間はほとんど変わらないとしている。しかしその舞台裏では、未来に向けた話し合いも進められているようだ。

 環境問題への対策は、今のモータースポーツでは避けられない問題だ。そんな中F1はハイブリッド・テクノロジーの先駆者であり、2009年からは運動エネルギー回生システム(KERS)を導入。2014年からは運動エネルギーに加えて熱エネルギーも回生する現行の”パワーユニット”が導入されることになった。また今後は使う燃料に含まれる持続可能燃料(バイオエタノール)の使用割合が段階的に引き上げられ、2025年に次世代パワーユニットが導入される際には、持続可能燃料100%にすることが検討されている。

 ミシェルCEOは、F2とF3もより環境に優しいシリーズとするため、同じような検討を始めたと語る。

「我々は今後3年間、F2マシンを変更しないことを決定した。F3でも、将来に向け同じことを行なう予定だ。現時点では、誰も新しいマシンを購入したくはないだろう」

 ミシェルCEOはそうmotorsport.comに対してそう語った。

「現在のクルマは、パフォーマンスの面、そしてドライバーが次のカテゴリーにステップアップしていくための学習という面で、良い仕事をしている。ショーという面でもしっかり仕事をしている。F2とF3のレースは素晴らしいモノになっており、それは変えたくない」

「しかしある時点で、環境対策について自問しなければならないだろう。おそらく、ハイブリッドやバイオ燃料がそれに当たるだろうし、それが現在我々が話し合っているモノだ。ただ、近い将来に新しいマシンを導入することによって、チームに莫大な支出を強いるようなことはしたくない。そのため、環境対策を行なうとしても、それは短期的なモノではないだろう」

「もちろん、我々はそういうことについて考える必要がある。そして現時点でそれについて既に考えている」

 ただマシンは今後3年間継続使用されるものの、その間にアップデートキットが用意される可能性はあるようだ。現在のF2シャシーは2018年から使われているモノだが、昨年18インチホイールを導入した際に、大幅なアップグレードが行なわれた。

「昨年18インチのホイールを装着したF2マシンのように、アップグレードキットと呼ばれるようなモノを用意する可能性は常にある。昨年のF2は、タイヤとホイールを変更しただけでなく、車体自体にもかなりの変更が加えられた」

 ミシェルCEOはそう語った。

「我々は常に、マシンを再設計するのではなく、変更を加える可能性がある。1年か2年後にそれを行なうことになるかもしれないが、マシンを完全に別のモノにすることは、直近3年の間にはないだろう」

 

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