F1に向け、岩佐歩夢にとって大事なシーズンが幕を開ける「ホンダのPUを積んだF1マシンに乗りたい……将来の子供たちのために」
岩佐歩夢にとって重要な1シーズンが、まもなく開幕する。今季好成績を残せば、自ずとF1への道は開かれるはず。そして彼は、未来を担うこどもたちのためにも、ホンダのPUを積んだF1マシンに乗りたいと語った。
写真:: Red Bull Content Pool
岩佐歩夢にとって重要なシーズンが幕を開ける。昨年はFIA F2挑戦1年目ながら、フィーチャーレース2勝を上げてランキング5位となった岩佐。ただ当然、それで満足するわけにはいかない。今季の岩佐の目標は、F2でチャンピオンになること。そして当然、その先のF1を見据え、このオフの間に準備を整えてきた。
岩佐は開幕戦を前にしても、”開幕だ”という感じがないという。それは昨シーズン終了後から、ずっと今季に向けた準備を進めてきたからだ。
「開幕戦という感じがまだないんです。昨年の最終戦が終わった後、すぐに準備を始めました。だから、スイッチを完全にオフにするタイミングがまるでありませんでした」
岩佐はそう語る。しかも今季に向けた準備は、最終戦後に始めたわけではなかた。
「昨年の最終戦アブダビは、2023年の”第0戦”のつもりで臨もうよと、チームと話していたんです。ですから、新しいシーズンという感覚があまりありません。アブダビの前は、モンツァの後からかなりの時間が開いていたということもありますしね」
そして岩佐は、確実にレベルアップしている。トレーニングでも、他のドライバーに話すと「そんなこと考えすぎ!」というところも気になり、その懸念を潰すための努力を惜しまなかったという。
「筋力をつけても、パフォーマンスに繋がらなかったということが何度かあったんです。それを詰めてきました」
そう岩佐は説明する。
「他のドライバーにそう言うと、『アユム! それは考えすぎだ。そんなことできるドライバーいないよ』と言われるんですが、うまくパフォーマンスに繋げられていないとずっと感じている部分がありました。僕がセンシティブすぎるのかもしれませんが、そう感じている以上、筋肉のつけかたや身体の使い方を改善していかなきゃいけないと思っています」
「例えば、疲れていても頭が正確に動かないと、判断ミスに繋がってしまうことがあります。ですから、疲れた状況でもそれを正しく判断し、素早く行動に移せるようなトレーニングをしています」
岩佐は今年の目標はF2でのチャンピオン獲得だと、改めて断言する。
「僕の今年の目標は、F2でチャンピオンを獲ることです。とにかく目の前の1戦1戦を勝つために、全力でプッシュしていくのみ。抑えに入るというシチュエーションはお見せしないようにしたいです」
岩佐は結果はもちろんのこと、見ているファンにとっても面白いレースをしたいと語る。
「アグレッシブさを見せつつ、かつクレバーな部分もチラチラとお見せできる、そんなスマートな戦い方をしていきたいです。リザルトはもちろんですが、内容的にも見ていただいて面白いようなレースをしたいと思っています」
「目標に向けてもアグレッシブに、そしてファンの皆さんにお見せするパフォーマンスとしても、とにかくアグレッシブにいく……自分のパフォーマンスを100%発揮できるような1年にしたいです」
Ayumu Iwasa, DAMS
Photo by: Red Bull Content Pool
なお岩佐はホンダの育成ドライバーであり、レッドブル・ジュニアチームの一員でもある。このホンダとレッドブルの関係には、先日ひとつの答えが出た。2026年からレッドブルは、フォードとタッグを組み、”レッドブル・フォード”の名称となるパワーユニットを使ってF1に参戦することを決めたのだ。今のレッドブルはHRC(ホンダ・レーシング)のPUを使っているが、それも2025年までということになった。
今は岩佐には、この提携関係変更の影響はないというが、F1に昇格した際にはホンダのPUを搭載したマシンでぜひ走りたいと、岩佐は言う。
「レッドブルがフォードと組むことになったことについては、僕が考えるのは難しいことだと思います。全てを知っているわけではないですが、今後どうなっていくか分かりません。ですから、それに関してはまったく関係ないというのが正直なところです」
そう岩佐は言う。
「今の僕に影響が及んでいるとは、全く感じていません。僕は今、F2に参戦できていますから、そこで結果を出す以外にないと思っています」
「でもホンダさんがエンジンを供給している限り、ホンダエンジンを搭載したF1マシンに乗りたいという希望はあります。日本人ドライバーが日本メーカーのエンジンを積んだF1マシンに乗るということは、すごく大きい意味のあることだと思います。それが日本の子供たちやカートをやっている子供たちに、影響すると思っています」
「それが僕の夢なんです。そしてF1ドライバーになることが、色んな子供たちの夢になればいいと思っています」
Ayumu Iwasa, DAMS
Photo by: Red Bull Content Pool
子供たちが夢を持つためには、自分自身が憧れられる存在にならなければいけないと、岩佐は自覚したという。そのため、これまでは苦手だったSNSでの発信も、積極的に始めている。
「モータースポーツもアスリート競技ですから、ある程度憧れてもらえる存在にならなきゃいけないと思っています。それが僕の最終的な目標である、日本のモータースポーツを盛り上げるということに繋がります」
そう岩佐は言う。
「SNSで発信することで、子供たちに夢がある世界だということを伝えることができれば、僕としては意味のあることだと思っています」
「僕はこれまで、SNSを全く使いこなせませんでした。だから使ってこなかったんですが、そのメリットや必要性はすごく感じていました。今後は僕の気持ちを伝えるためにも、どんどん発信していきたいです。メインはレースの結果だと思いますが、オフはWEBサイトなどで、ファンの皆さんに楽しんでいただけるコンテンツを用意していきたいです」
岩佐にはこれまで、定期的にインタビューに応えてもらっている。しかしその都度、彼の成長を感じることができるような気がする。そして今回も、また新しい岩佐を垣間見せてくれた。
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