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なぜこんなに注目されない? F2首位なのにF1チームから声がかからないフォルナローリ。彼を絶賛する所属チームも「理解できない」

F2チームのインヴィクタを率いるジェームズ・ロビンソン代表は、自チームに所属するレオナルド・フォルナローリは、F1チームにとって「世紀の掘り出し物」になると考えている。

Race winner Leonardo Fornaroli, Invicta Racing

写真:: Formula Motorsport Ltd

 現在FIA F2の選手権をリードしているのは、ルーキーのレオナルド・フォルナローリ。F2参戦1年目でチャンピオンを争うのは並大抵のことではないが、にもかかわらず彼は未だどのF1チームの育成プログラムにも所属していない。

 これについて彼がF2で所属するインヴィクタのジェームズ・ロビンソン代表は「衝撃的なこと」だと表現する。そして、将来に向けて陣営を補強したいF1チームにとって、フォルナローリが掘り出し物的な存在になると述べた。

 フォルナローリは昨年、トライデントからFIA F3に参戦してチャンピオンを獲得。今季はF1へ向けた最後のステップであるF2に昇格した。チームは強豪インヴィクタ(旧ユニ-ヴィルトゥオーシ)……ここまで14ラウンド中10ラウンドを消化した段階でポイントリーダーにつけている。

Leonardo Fornaroli,  Invicta Racing

Leonardo Fornaroli, Invicta Racing

Photo by: Formula Motorsport Ltd

 彼のここまでの道筋は、ガブリエル・ボルトレトと全く同じだ。ボルトレトも2023年にトライデントでF3王座を獲得、翌年にインヴィクタでF2チャンピオンに輝き、今年ザウバーからF1デビューを果たした。それ以前にF3(GP3)とF2を2年連続で制したのはシャルル・ルクレール、ジョージ・ラッセル、オスカー・ピアストリ……いずれも現在のF1の最前線を走るドライバーたちだ。フォルナローリもそんな“スターの系譜”に並べるかもしれない。
 
 ロビンソンはmotorsport.comの取材に対し、ボルトレトとフォルナローリを直接比較することは避けたものの、フォルナローリの安定性と任務遂行力を高く評価した。

「レオ(フォルナローリ)は一緒に働く上で本当に素晴らしい存在だ。チームのみんながそう思っているだろう」

「我々は2年連続でF3王者を迎え入れた。当然、期待は大きかった。去年ガビ(ボルトレト)と仕事をして、彼が今F1でその力を示していることもあり、レオへの期待はおそらく高すぎた。だから彼自身のためにも、そのバランスを取る必要があった」

「私はガビと過剰に比較したくないと思っているが、彼(フォルナローリ)の成長ぶりは遜色ない、むしろそれ以上のレベルだった」

「ガビは昨年、メルボルンからイモラにかけて大きく成長した。レオは少し時間がかかったが、レッドブルリンク、シルバーストンあたりから開花した。それが今形になっているのだと思う」

 フォルナローリは昨年、F3で1勝もせずにチャンピオンとなった。今季もなかなか優勝に届かない中、持ち前の安定感でポイントを積み重ねていたが、シルバーストンのスプリントでF2初勝利を挙げると、スパのスプリントレース、ハンガロリンクのフィーチャーレースも制し、3ラウンド連続の勝利で波に乗っている。

 ロビンソン代表は、フォルナローリのその目立たないレーススタイルと性格から、すぐに注目はされないかもしれないが、その安定感と力強さはF1チームにとって魅力になるはずだと強調する。

“マネーボール”な存在

 その上で彼は、フォルナローリを“マネーボール”的なドライバーだと評する。“マネーボール”とは、MLBオークランド・アスレチックスのビリー・ビーンGMを題材にした書籍・映画のタイトル。ビーンGMは、今や野球界では常識となった『セイバーメトリクス』というデータ分析の概念を持ち込んだことで知られる。統計学の導入によって、それまであまり優秀とされていなかった選手の意外な貢献度の高さなどがあらわになった(その逆もしかり)わけだが、フォルナローリも見た目のインパクト以上に貢献度が高いという。

「レオの特長は、常に冷静でミスなく走れる能力だ」とロビンソン代表は言う。

「例えばスパのスプリントでは、(ヴィクトー)マルタンスが速いラップを連発しており、厳しい展開になるとピットウォールの誰もが思った。しかしレオは淡々とラップを積み重ね、最終的に4~5秒差を築いて快勝した。彼はハンガリーのフィーチャーレースでも同じことをやってのけた」

「正直なところ、この段階で彼がF1チームと契約していないのは驚きだし、なぜなのか理解できない。本人は次のレースに集中しているからそういったことは言わないだろうが、だからこそ私にはチームの多くの人間が思っていることを代弁する役割があると思っている」

「彼が来年F1チームのどこかに所属するという発表がまだないというのは、まさに衝撃のひと言だ。選手権のトップ7、8にいるドライバーのほどんどがF1チームのアカデミーに所属しているのにだ」

写真: Formula Motorsport Ltd

 ロビンソン代表はさらにこう続ける。

「レオはマネーボール的な選手なのだと思う。他のドライバーのような派手で無謀な動きはしない。表彰台でおかしなダンスもしない。メディアに対しても饒舌なタイプではない。しかしF1の世界に20年いて、F1チームがドライバーに求めるものを知っている私から言わせてもらうと、彼はマシンの開発という点でも並外れた才能を持っている」

「データを重視するマネーボール的なアプローチで行くなら、レオは誰にとっても最良な選択肢だろう」

「マシン開発のために重要なのは、周回ごとに安定してデータを提供できるドライバーが必要だ。今のF2で、レオ以上にそれを確実にこなせる者はいない」

「今、F1チームが手を挙げれば“世紀の取引”になるだろう」

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