
ルノー育成ドライバーのアントワーヌ・ユベールが事故死したことを受け、アラン・プロストがインタビューに答え、心境を語った。
FIA F2ベルギーラウンドでアントワーヌ・ユベールが亡くなる大事故が起きた翌日、4度のF1世界チャンピオンであるアラン・プロストがインタビューに答えた。
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プロストは現在、ルノーのノン・エグゼクティブディレクターを務めており、ルノー育成ドライバーであるユベールの成長を近くで見てきた。そのため、今回の悲劇には特にショックが大きかったという。
「レース界全体にとってつらい1日となった」
「我々にとって非常に悲しく、つらいことになった。知っての通り、彼は我々のアカデミーの一員だったので、家族や友人、兄弟を亡くしたようなつらさがある」
「個人的には、1980年代に起こった出来事を思い出した。もうそんなこと(死亡事故)は2度と起こらないだろうと常に思っていたが、やはり起こり得るものなのだ」
「モータースポーツは危険と隣り合わせだ。ただ、多くのスポーツに危険が潜んでいる中で、モータースポーツはおそらく安全なスポーツのひとつだとも言える」
「自転車競技でも今年、ふたりの若者が亡くなった。こういう悲劇は奇しくも若者に降り掛かってしまうんだ。とてもつらい出来事だが、我々は一緒になって改善していく必要がある。我々はこのスポーツ、そしてこの人生を愛している」
昨年GP3(現FIA F3)チャンピオンに輝いたユベールは今季、BWTアーデンからF2デビューを果たした。モナコと母国フランスのレース2で勝利を挙げるなど、ルーキーながら頭角を現しており、事故当日にはルノーとの育成ドライバー契約を更新したばかりだった。
プロストはさらにこう続けた。
「私は彼をアカデミーに推薦した。彼とは頻繁に話をしたよ。とても良い子で頭も良く、クレバーで好奇心旺盛だった」
「彼は今年、オーストリアでF1マシンに乗ってテストをした。来季のF2参戦に向けて、ドライバープログラム(契約)を昨日更新したばかりだった。彼をF1まで昇格させてあげたかったので、とても残念だ。言葉にならない。22歳は若すぎる」
ルノーのF1マネージングディレクターであるシリル・アビテブールも、ユベールの事故死に際してコメントを残した。
「彼の才能は特別なものだった。順調にジュニアシリーズを勝ち上がってきていて、その活躍は非常に印象深かった」
「昨年にGP3でタイトルを獲得したことは、彼にとって活力になっただろうし、彼が何より際立っていたのはそのハードワークだった」
「彼はハードワークによって何ができるかを示す良い例だった。彼が純粋な才能だけでチャンスを掴んできたとは思わない。彼の仕事ぶり、人々との関わり方がそれをよく表している」
この記事について
シリーズ | F1 , FIA F2 |
ドライバー | Alain Prost , アントワーヌ ユベール |
チーム | ルノーF1チーム |
執筆者 | Jonathan Noble |