岩佐歩夢、ポールポジションから悔しい3位表彰台。レース2優勝はプルシェール|F2第10戦ハンガリー
F2第10戦のレース2がハンガロリンクで行なわれ、テオ・プルシェール(ARTグランプリ)が優勝を果たした。
写真:: Red Bull Content Pool
FIA F2選手権の第10戦ハンガロリンクのレース2が行なわれ、テオ・プルシェール(ARTグランプリ)が今季3勝目を挙げた。
レース2はポイント配分の多いフィーチャーレース。タイヤ交換義務のある37周のレースだ。
ポールポジションは、予選で圧倒的な速さを見せたDAMSの岩佐歩夢。ハイテックのマーカス・アームストロングがフロントロウに並ぶ。佐藤万璃音(ヴィルトゥオーシ・レーシング)は15番手スタートだ。
直前に行なわれたF3のレースはウエットコンディションから路面が乾いていき、終盤は走行ラインがほぼドライコンディションとなった。そのため、F2のグリッドに並んだ各車も軒並みスリックタイヤを装着し、フォーメーションラップに出ていった。
今回、ソフトタイヤとミディアムタイヤが使用可能だが、上位は定石通りソフトタイヤを選択。5番グリッドのローガン・サージェント(カーリン)、7番グリッドのフレデリック・ベスティ(ARTグランプリ)はミディアムタイヤを履いた。
岩佐はスタートの蹴り出し悪く、3番手に後退。首位にアームストロング、2番手にプルシェールがつけた。サージェントは11番手までポジションダウン。佐藤はその前、10番手でオープニングラップを終えた。
ミディアムタイヤを履くマシンの中で、最上位なのは6番手のベスティだったが、他のドライバーをコース外に押し出したとして5秒のタイム加算ペナルティを受けてしまった。
岩佐は5周目ごろからプルシェールのDRS圏内でプレッシャーを強めていく。岩佐のすぐ後ろにはフェリペ・ドルゴビッチ(MPモータースポーツ)も続き、プルシェールが蓋をしているような状況だ。
ドルゴビッチは前が詰まっている状況を嫌い、7周終わりでピットイン。翌周には首位のアームストロング、プルシェールと岩佐もピットインした。アームストロングは作業に時間がかかり、岩佐の後ろまで後退した。
10周が終わるころには、ソフトタイヤスタートのマシンの中で最もピットストップを遅らせていたエンツォ・フィッティパルディ(チャロウズ)がピットイン。岩佐の前でコースに復帰した。一方で、サーキットには雨雲が徐々に接近。雨が降り出すタイミング次第では、大きく展開が変わりかねない状況だ。
岩佐はピット作業を終えたばかりでタイヤが温まっていないフィッティパルディを追い立てたが、オーバーテイクならず。岩佐の後ろにはドルゴビッチも接近するという難しいポジションとなった。
レース折り返しの19周目になっても、雨はまだ落ちてこず。6番手を走るデニス・ハウガー(プレマ)はかなりタイヤに苦しんでおり、たまらず20周目にピットイン。ミディアムタイヤからソフトタイヤに履き替えた。ミディアムタイヤを履いてスタートした他のマシンも、徐々にタイヤが厳しくなってくるが、雨雲はサーキットの北側をかわすように流れていった。
26周を終わったところで、首位のベスティや2番手を走っていたユーリ・ヴィップス(ハイテック)など、ミディアムタイヤスタートで上位を走っていたマシンのピット作業が始まっていく。ベスティは、岩佐やアームストロング、ドルゴビッチの後ろでコース復帰となった。
29周目にはプルシェールがレースリーダーに復帰。約2秒後方にフィッティパルディ、6.5秒後方に3番手の岩佐という状況だ。
タイヤの面でアドバンテージを持つベスティが、5番手ドルゴビッチに迫っていく中で、ついにサーキットに雨粒が落ち始める。ただ展開を左右するほど雨は強くはならなかった。ペースが苦しいドルゴビッチは、31周目の最終コーナーでベスティに交わされると、その後ズルズルとポジションを落としていってしまった。
トップ3が1分35秒前後のラップタイムで走る中、追い上げるベスティは1分32秒台のペース。35周目にアームストロングを交わしたベスティの次なるターゲットは、3.5秒前の岩佐となった。
みるみるギャップを削り取っていったベスティだが、ファイナルラップに入るメインストレートでDRSを使えず。最大のオーバーテイクポイントで前を守った岩佐は、何とか3位でチェッカー。表彰台を死守した。
トップチェッカーはランキング2番手のプルシェール。ソフトタイヤを長く使う戦略で前に出たフィッティパルディが2位。岩佐の2.2秒前でチェッカーを受けた。
ポールポジションの岩佐は、結果的にスタートで2台に先行されたのが痛手となった。
佐藤はスタートでポイント圏内まで浮上したものの、最終的に15位でレースを終えている。
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