岩佐歩夢、完璧なレース運びで独走優勝！　F2での初勝利飾る丨F2第9戦ポール・リカール

　FIA F2選手権の第9戦レース2がポール・リカール・サーキットで行なわれ、DAMSの岩佐歩夢が見事なレースでF2初優勝を果たした。

　ポールポジションはローガン・サージェント（カーリン）。予選ではそのサージェントに0.006秒の僅差で2番手となったDAMSの岩佐歩夢がフロントロウに並んだ。ヴィルトゥオーシ・レーシングの佐藤万璃音は12番手だ。

　気温は28度、路面温度が33度というコンディションで、タイヤ交換義務のある30周のレースがスタートした。

　岩佐はサージェントよりも良い反応を見せて前に出たものの、それを凌ぐ好スタートを決めたのがジャック・ドゥーハン（ヴィルトゥオーシ）。4番グリッドから一気に首位に躍り出た。

　ただ岩佐はすぐさま追撃。ターン8でドゥーハンをオーバーテイクし、トップに立った。だが中団以降は佐藤がターン8、マーカス・アームストロング（ハイテック）がターン13でマシンを止めたこともあって、2周目にセーフティカーが出動した。

　レース再開は6周目。岩佐はうまく加速し、ドゥーハンに1秒以上の差をつけてリスタートすることに成功した。DRSが使用可能となるまでその差をキープした岩佐は、好ペースで少しずつリードを築いていった。

　10周が終わると、ソフトタイヤでスタートした上位勢のピット作業が始まっていく。3番手を走っていたサージェントは、ピット作業が終わり走り出そうとしたタイミングで痛恨のストール。ここでレースを終えることになった。

　2番手ドゥーハンは13周終わりでピットイン。こちらもピット作業に少し時間がかかった。岩佐は好ペースを維持し、14周終わりまでピットストップを引っ張った。

　チームは完璧な作業で岩佐を送り出すことに成功。ピットストップを済ませた中でのトップである4番手でコースに復帰した。早めにピットインし、ポジションを上げたテオ・プルシェール（ARTグランプリ）の4秒ほど前だ。

　ハードタイヤでスタートしたマシンもピットインしていき、19周目には岩佐がレースリーダーに戻った。2番手プルシェールにはドゥーハンが接近したが、オーバースピード気味でターン8イン側の縁石に乗り上げたドゥーハンは、プルシェールと接触。ドゥーハンは走行を継続したが4番手に後退、プルシェールはコースをショートカットする形となった。

　こうしたバトルを尻目に、岩佐は快走。後続との差をジリジリと広げ、独走状態へと持ち込んでいった。

　ポイントリーダーのフェリペ・ドルゴビッチ（MPモータースポーツ）は、ハードタイヤでスタートしながらレース中盤にピットストップ。ちょうど岩佐と真逆のタイヤ戦略でハイペースを刻むと、27周目にドゥーハンを捉え4番手に浮上。表彰台を目指した。

　一方の岩佐は、プルシェールとの差をジリジリと広げ、8秒のリードを持ってファイナルラップに突入。完璧なレース展開でトップチェッカーを受けた。

　2020年にフランスF4チャンピオンを獲得している岩佐は、海外でのホームコースとも言えるポール・リカールで見事F2初優勝を挙げた。今季は再三速さを見せながらも、不運もあり特にメインとなるフィーチャーレースで結果が出ていなかった岩佐だが、待望の1勝目をつかんだ。

　2位はプルシェール、3位はドルゴビッチに追いつかれながらも抑えたフレデリック・ベスティ（ARTグランプリ）が入った。

順位	ドライバー	チーム	周回数	タイム	差	前車との差	Mph	ポイント
1	岩佐 歩夢	DAMS	30	-				25
2	テオ プルシェール	ARTグランプリ	30	8.6	8.600	8.600		18
3	フレデリック ベスティ	ARTグランプリ	30	9.8	9.800	1.200		15
4	フェリペ ドルゴビッチ	MPモータースポーツ	30	10.2	10.200	0.400		12
5	ジャック ドゥーハン	ユニ-ヴィルトゥオーシ	30	16.0	16.000	5.800		10
6	リアム ローソン	カーリン	30	19.6	19.600	3.600		8
7	ユアン ダルバラ	プレマ	30	27.5	27.500	7.900		6
8	クレメント ノバラク	MPモータースポーツ	30	32.8	32.800	5.300		4
9	ロイ ニッサニー	DAMS	30	36.5	36.500	3.700		2
10	エンツォ フィッティパルディ	チャロウズ	30	37.6	37.600	1.100		1
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