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F2バクーでペナルティのティクトゥム、SNSで思いの丈ぶつける「F1目指して必死で戦っているのを分かってくれ!」

FIA F2バクーラウンドのフィーチャーレースで10秒のタイムペナルティを受けたダニエル・ティクトゥムは「バカバカしいどころの話ではない」とソーシャルメディア上で怒りをあらわにしたが、同時にドライバーにかかるプレッシャーの大きさを視聴者にも理解してほしいと語った。

Dan Ticktum, Carlin

写真:: Mark Sutton / Motorsport Images

 バクー市街地コースで行なわれたFIA F2第3ラウンドのレース3では、1周目のターン3で3台が絡むアクシデントが発生した。ターン3に向けては4番手を争うダニエル・ティクトゥム(カーリン)、テオ・プルシェール(ARTグランプリ)、マーカス・アームストロング(DAMS)の3台が横並びで進入しようとしたが、最もイン側にいたティクトゥムが隣にいたプルシェールに接触し、アウト側にいたアームストロングはそのプルシェールに弾き飛ばされる格好となった。

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 これによりプルシェールとアームストロングはリタイアを余儀なくされたが、ティクトゥムはこの接触を引き起こした原因があると判断され、10秒のタイムペナルティを受けた。ティクトゥムはファステストラップを記録するなど追い上げを見せて8位でフィニッシュしたが、無線では強い口調でペナルティに対する不満を述べていたため、批判も受けることになった。

 レース後にティクトゥムは、ソーシャルメディアに思いの丈を綴り、このレースで勝てると思っていたこと、そして視聴者にはドライバーたちが背負っているプレッシャーの大きさを分かってほしいことを主張した。

「厳しいレースだった。ターン3では前のマシンが早めにブレーキをかけたので、その隙を狙った。一番外側にいたマシン(アームストロング)が真ん中のマシン(プルシェール)のラインを潰したので、僕の行き場はなかった。真ん中のマシンが外側のマシンと接触したのは、僕が接触する前だったんだ!」

 ティクトゥムはそう綴っている。

「これで10秒のペナルティを受けるなんてバカバカしいどころの話じゃないけど、起こってしまったことはしょうがない。今日は本当に速さがあったので、本来なら勝てたと思う」

「僕が無線で怒ったことに対して、ソファでくつろぎながら説教を垂れる人たちは、僕の立場になって考えてみてほしい」

「幼い頃からF1を目指して必死にやってきて、今年が僕にとってそれを目指す最後の1年になっている。こういうことが起きると、夢が遠のいていくように感じる」

「夢が近付いている時に、それが自分の手からすり抜けていくのを想像してほしい。僕の気持ちになるのは簡単じゃないはずだ」

「だから僕の感情だってたかぶるよ! これはみんなが想像する以上に大きなことなんだ。もちろん、僕の言葉遣いなどに関しては謝るけど、一歩下がった視点で、僕たち全員にかかっているプレッシャーを理解してくれ!!」

「とにかく、今週末素晴らしいパッケージを提供してくれたカーリンには心から感謝しているよ。シルバーストンに向けても大きなチャンスがある。それじゃあまた!」

 ティクトゥムは今季ここまでの3ラウンド9レースで、優勝1回、2位表彰台2回という成績を残しており、ポイントリーダーの周冠宇(ユニ-ヴィルトゥオーシ)と28点差のランキング5番手につけている。

プルシェールは腕を骨折。次戦に間に合うか?

 なお、ティクトゥムと接触したプルシェールに関しては、手首を押さえながらメディカルスタッフと会話している様子がテレビ映像でも映し出されていた。その後プルシェールはTwitterで「手首が折れた」と短いコメントを投稿し、骨折したことを明かしていた。

 一方FIAは声明の中で、プルシェールが“腕の骨折”の治療のために病院に搬送されたと発表した。声明文には次のように書かれている。

「本日6月21日にアゼルバイジャンで行なわれたFIA F2フィーチャーレースで起きたインシデントを受けて、カーナンバー10のドライバー(プルシェール)は骨折した腕の治療のために石油労働者中央病院に搬送された」

 次戦のFIA F2は7月16日〜18日にシルバーストンで行なわれる予定となっているが、プルシェールがそれまでに間に合う目処が立つかどうかは不明だ。

 

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