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コレア、F2事故の後遺症は“一生続く”と告白。それでも彼をレースに駆り立てるものとは?

ファン・マヌエル・コレアは、FIA F3参戦への準備を進める上で未だに「痛みを感じる」と明かしたが、フォーミュラカーのコックピットに戻ることで多くの人に希望を与えたいと考えている。

Juan Manuel Correa, ART grand Prix

 2021年シーズンにARTグランプリからFIA F3に参戦するファン・マヌエル・コレア。彼は2019年にスパ・フランコルシャンで行なわれたFIA F2のレースで起きた事故で脚に重傷を負いながらも、1年以上のブランクを経てついにカムバックを果たす。

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 アントワーヌ・ユベールが命を落とした大事故から生還したコレアだったが、脚の怪我は深刻であり、1年以上車椅子での生活を強いられた。懸命なリハビリの甲斐あって現在は立って歩くことができているが、それでも松葉杖は欠かせない状態だ。

 コレア曰く、現在でも毎日“どうすることもできない痛み”を抱えているというが、それでも彼は2月初めにポールリカールでテスト走行を行ない、実に533日ぶりにフォーミュラカーのステアリングを握るなど、復帰に向けて着々と準備を進めている。

 彼は回復に向けて未だ多くの作業が残っていることを明かしながらも、テストでのパフォーマンスは励みになったと語った。

「テストはうまくいった。肉体的にはまだ準備が必要な部分はあるし、特に脚の筋肉には痛みを感じていた。でも、マシンに変更を加えずともアクセルを完璧に踏み込めたことには驚いた。そこが一番心配だったからね」

「1年半ぶりにカムバックをするということは、とてもチャレンジングなことだった」

「大変なシーズンになるだろうけど、僕がF3を選んだのは、選手権の開幕が5月なので開幕戦に向けて準備をするチャンスが十分あるからなんだ」

「やるからには負けたくないし、後ろの方を走ることには興味がない。もちろん、生活の質を上げていくためにリハビリを続けながらやっていく必要があるから、過渡期のシーズンにはなるかもしれない。でも僕はすぐに松葉杖なしで歩けるようになると思っているよ」

 コレアはまた、自身の脚の状態が必ずしも快方に向かうとは限らないことを理解しており、将来的には切断する可能性すらあることも受け入れているという。しかし、自らが肉体的にも精神的にも厳しい道のりを越えてレースに復帰することで、同じような境遇にいる人たちの励みになりたいと語った。

「ここまで色んなことを経験してきて、できないことが多いことが何を意味するのか理解している」とコレア。

「僕は1年以上車椅子で生活していたけど、今は松葉杖の助けを借りて歩いている。一歩踏み出すだけで痛みを感じているし、今後もどうすることもできない痛みを一生抱えていくことは承知している」

「もしかすると、歳をとったら脚を切断せざるを得なくなるかもしれない。実際その可能性はある」

「でも、その現実を受け入れてこの状況から最善の方法を見つけていかないといけない」

「もし、もう前のようには歩けないと分かっていたとしても、家族といられるだけで幸せを感じられることだってある」

「この1年半で気付いたことは、必ずしも肉体的に100%幸福である必要はないということだ。人生を楽しむためには精神的に幸福である必要があるんだ」

「僕は同じような状況から立ち直ろうとしている人たちの見本になりたいんだ。世界には、僕のように一生続くダメージを抱えている人や、人生が一変する様を見てきた人はたくさんいると思う」

 コレアは今季のF3に向けて具体的は目標を設定していないが、初戦を無事に乗り切ること自体が“勝利”だと考えている。また、将来的にF2への復帰を目指すことも否定していない。

「僕にとって、最初のレースを問題なく走れることは、それだけでも勝利だと思う」

「でもあまりそういう前置きはしたくない。僕だってレーシングドライバーだし、負けず嫌いな男だ。他のみんなと同じようにポールと優勝を狙っている」

「今シーズンは来シーズンに向けて準備のシーズンになるだろうけど、僕はF2に復帰を狙っていることも否定しないよ」

「たくさんの資金が必要なので、レースを戦うために経済的なサポートを得られるか確認しないといけない。今後どうなるかはまだ分からないね」

 

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