もつれにもつれたタイトル争いは赤旗終了で混乱。アルピーヌ育成のマルタンスが王者に|F3最終戦モンツァ
FIA F3最終ラウンドのレース2が行なわれ、トライデントのゼイン・マロニーが優勝。ARTグランプリのヴィクトー・マルタンスが年間チャンピオンに輝いた。
FIA F3ラウンド9(最終ラウンド)のレース2がイタリアのモンツァ・サーキットで行なわれた。優勝したのはゼイン・マロニー(トライデント)で、チャンピオンはヴィクトー・マルタンス(ARTグランプリ)となった。
今季のFIA F3はこれが正真正銘最後のレース。ポイントリーダーはマルタンス(127点)で、以下アイザック・ハジャー(ハイテック/121点)、オリバー・ベアマン(プレマ/114点)、マロニー(109点)、ローマン・スタネック(トライデント/109点)、アーサー・ルクレール(プレマ/104点)までが逆転の可能性を残していた。
ポールポジションはアレクサンダー・スモリャル(MPモータースポーツ)。2番グリッド以下はマロニー、スタネック、マルタンス、ルクレール、ベアマンとタイトルの可能性を残すドライバーが続いた。一方で予選でクラッシュがあったハジャーは16番グリッドで、ひとり蚊帳の外といった状況だった。
22周のレースがスタートすると、まずは第1シケインをマロニーがトップで抜けた。スモリャル、マルタンス、スタネック、ベアマン、ルクレールが続く中、後方では接触がありセーフティカー出動。4周目まで隊列を率いた。
5周目にレースが再開すると、マルタンスがスモリャル、マロニーを次々攻略してトップに立った。このまま逃げの態勢かと思われたが、2番手に上がったマロニーが再びマルタンスに迫り、9周目の第1シケインでトップを奪い返した。
マロニー、マルタンス、ベアマンというトップ3でレースは折り返しを迎え、12周目にはベアマンがマルタンスを交わして2番手に上がった。タイトル争いは実質的にこの3人に絞られた形となり、マロニーとベアマンにとっては優勝を飾ってマルタンスが後退すればタイトルに手が届く、そんな展開となっていた。
そんな中、16周目にレズモでスピンしたクシュ・マイニ(MPモータースポーツ)をブラッド・ベナヴィデス(カーリン)が避けきれず、2台はクラッシュ。一度はセーフティカーが宣言されたが、バリアにダメージがあったためか赤旗中断となった。
レースが再開されれば、後続とのギャップがゼロになってしまうマルタンスは順位を落とすリスクがあり、マロニーやベアマンだけでなく、10番手につけるハジャーにも逆転の目が出てくる……しかし、ここからタイトル争いを巡る状況は混迷を極めた。
マルタンスに複数のトラックリミット違反による5秒のタイムペナルティが科され、さらにレースが再開されないことが決定したのだ。現場も誰が何位に入り、誰がチャンピオンになるのか混乱しており、各陣営が状況を呑み込めず神妙な面持ちをしていた。マルタンスも険しい表情をしていたが、結果的にマロニー、ベアマン、ジャック・クロフォード(プレマ)に次ぐ4位となってチャンピオンとなることが確定すると、喜びを爆発させ、インタビューでは感極まった様子だった。最終的なポイントはマルタンス139、マロニー134、ベアマン132だった。
アルピーヌ育成のマルタンスはフォーミュラ・ルノーで3シーズンを過ごし、2020年にタイトルを獲得して2021年からFIA F3にステップアップ。2年目でチャンピオンに輝いた。フィーチャーレース3連勝でシーズンを締めくくったマロニーや同じく後半戦で成長を見せたベアマンらルーキー勢は、奮闘するも惜しくもタイトルには届かなかった。
Be part of Motorsport community
Join the conversationShare Or Save This Story
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。
Top Comments