FIA F3ソチ:レース1で2位獲得のシュバルツマンが王者に。角田裕毅12位
FIA F3選手権ソチラウンドのレース1は、プレマのマーカス・アームストロングが優勝。ロバート・シュバルマンが王者に輝いた。
Robert Shwartzman, PREMA Racing celebrates after taking Pole Position
Joe Portlock / Motorsport Images
2019年のFIA F3選手権の最終戦、ソチのレース1が行われ、プレマのマーカス・アームストロングが優勝。2位となったロバート・シュバルツマンが1レースを残してチャンピオン獲得を決めた。
スタート時刻のコンディションは気温21度、路面温度22度。降水確率80%という予報でサーキット上空には黒い雲も浮かぶが、ドライコンディションで各車がフォーメーションラップに入った。
そのフォーメーションラップ中から雨粒が落ち始める中、20周のレースがスタート。ポールポジションのシュバルツマンはまずまずの蹴り出しを見せた。しかし、ターン2までの直線区間でうまく加速したアームストロングがトップを奪った。逆転チャンピオンを目指す2番グリッドのユアン・ダルバラ(プレマ)は、6番手まで後退した。
後続にも大きな混乱はなく、17番手スタートの角田裕毅(イェンツァー)は12番手、19番手スタートの名取鉄平(カーリン)は24番手で1周目を終えた。
2周目、ターン5でベント・フィシュカーフ(HWA)がスピンし、マシンを止めたためバーチャル・セーフティカー(VSC)が出された。その間にも雨が強くなり、後方ではウエットタイヤへと交換するマシンもあった。
先頭が4周目に入ったところでレース再開。すると、リャオ・ハン・チュウ(イェンツァー)がターン5でクラッシュを喫し、今度はセーフティカー(SC)が出動することとなった。
ウエットタイヤを履いていたマシンはギャンブル失敗。SC走行中にスリックタイヤに戻す場面が見られた。
SCが解除され、7周目からレースが再開。リスタート直前、6番手を走っていたクリスチャン・ルンガー(ARTグランプリ)がユーリ・ヴィップス(ハイテックGP)に追突されスピン。20番手まで後退するという波乱の中、ニコ・カリ(トライデント)が好スタート。ターン2までにシュバルツマンを交わして2番手に浮上した。ルンガーに追突したヴィップスには、のちに10秒のタイム加算ペナルティが出された。
カリはファステストラップを叩き出し、アームストロングに急接近。9周目にアームストロングのテールに張り付くと、カリは90度コーナーの連続する区間でアウト側から見事なオーバーテイク。トップに躍り出てレース前半を終えた。
アームストロングも負けじと11周目のターン2でカリにオーバーテイクを仕掛けるが、止まりきれずに4番手までポジションを落としてしまった。
今回代役参戦でF3デビューを飾ったダービッド・シューマッハー(カンポス)が追突されスピンしてしまう場面があったが、SCなどは出動しなかった。
トップを守っていたカリだが、13周目のメインストレートでDRSを使ったシュバルツマンがトップを奪還。一度はポジションを落としたアームストロングもカリに迫っていくが、同じプレマ勢のダルバラはピリッとせず、6番手に後退。さらに後方からジェイク・ヒューズ(HWA)から攻撃を受ける苦しい展開だ。
なんとかアームストロングを抑えていたカリだが、17周目に2番手を明け渡してしまった。さらにはレオナルド・プルチーニ(ハイテックGP)にも迫られるが、3番手の座は守った。
しかし、プルチーニはペナルティを科せられているヴィップスに抜かれ、カリとの差が広がってしまった。
地元で優勝を飾りたいシュバルツマンだが、ファイナルラップのターン2で見事なブレーキングを見せたアームストロングがオーバーテイク。先頭に躍り出ると、シュバルツマンの逆襲を許さずトップチェッカー。今季3勝目を挙げた。
優勝は逃したシュバルツマンだが、2位でフィニッシュしたことで今シーズンのチャンピオン獲得。地元ロシアで、FIA F3の初代王者となった。
3位はカリ。一時はトップを走る速さを見せ、プレマ勢の一角を崩して今季2度目の表彰台を手にした。
角田は12位でフィニッシュ。スタートで大きく順位を上げたが、そのままポジションを上げていくことはできなかった。名取は20位でフィニッシュしている。
【リザルト】FIA F3選手権 最終戦ソチ:レース1
順位 | ドライバー | チーム | 周回数 | タイム | 差 | 前車との差 | Mph | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | Marcus Armstrong | プレマ・レーシング | 20 | - | 25 | |||
2 | Robert Shwartzman | プレマ・レーシング | 20 | 1.0 | 1.0 | 1.0 | 18 | |
3 | Niko Kari | トライデント | 20 | 4.9 | 4.90 | 3.90 | 15 | |
4 | Leonardo Pulcini | ハイテック・レーシング | 20 | 6.0 | 6.0 | 1.10 | 12 | |
5 | Jehan Daruvala | プレマ・レーシング | 20 | 8.3 | 8.30 | 2.30 | 10 | |
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