テチータ、シーズン5からDSのワークス待遇に? ベルニュが示唆
ルノーとカスタマー契約を結んでいるテチータは、シーズン5からDSと提携し、ワークス待遇を得る可能性があるようだ。

チーム・アグリのエントリーを引き継ぐ形で、2016/17シーズン(シーズン3)からフォーミュラEに参入したテチータは、現在使用しているルノー製のパワートレインを2018/19シーズン(シーズン5)からDS製にスイッチし、ヴァージン・レーシングに代わってワークス待遇を得るようだ。
前身であるチーム・アグリがシーズン2の段階でルノーと2年間のパワートレイン供給契約を締結したため、テチータは現在ルノー製パワートレインを使用している。つまり、テチータはルノーのカスタマーとして扱われていることになる。
フォーミュラEのパワートレインマニュファクチャラーには次のシーズンに向けて、15日間のプライベートテストが許可されている。カスタマーチームがこのテストを行うには、供給先メーカーのテスト日を使わなくてはならず、そのためにはメーカーの裁量に従わなくてはならない。つまりルノーが許可しない限り、テチータはこのテストに参加できず、シーズン前に行われる3日間の公式テストのみでシーズンに臨むことになるのだ。当然、ライバルたちに対して遅れを取ることになる。
テチータのドライバーであるジャン-エリック・ベルニュは、この状況において単なるドライバー以上の役割を果たすことになる。彼はシーズン2でヴァージンに在籍し、DSと仕事をしているからだ。彼は現在もDSの主要な人物と良い関係が築けていることを匂わせている。
テストが制限されているテチータは”ライフル弾が飛び交う中、ナイフ1本で戦争に行く”ようなものだと、ベルニュは表現した。
motorsport.comが彼に、チームはメーカーと提携をする必要があるかと尋ねたところ「ああ、だけどそうなるはずだ。シーズン5から、僕たちはメーカーのサポートを受ける予定だ」と答えた。
「チームには安定性が必要だ。現時点で僕たちにはそれが欠けている」
昨季、ベルニュのチームメイトはころころ変わった。マー・チン・ホワが3戦、エステバン・グティエレスが2戦、残りのレースをステファン・サラザンが担当した。
この中で、ベルニュに匹敵するような速さを見せたのはサラザンのみで、2度表彰台に上がっている。一方でベルニュは2位を4度獲得し、最終戦モントリオールのレース2で優勝している。
ドライバーラインアップが安定しなかった原因について、ベルニュは次のように語った。
「それは僕たちがまだ新しいチームで、プロフェッショナルではなく他のチームのレベルに追いついていないからだ。僕たちはこの分野で、もっと多くの仕事をする必要がある」
「チームには本当に素晴らしい人々が在籍しているが、さらに組織化を進める必要がある。テストができないことと、何かが欠けているせいでうまく協力し合えないということが事態を難しくさせている」
ロッテラー加入でチームは前進する
2017/18年シーズン(シーズン4)からは、ベルニュの相棒としてアンドレ・ロッテラーがチームに参加することとなった。
ベルニュはロッテラーについて「彼は、僕とチームにとって素晴らしいチームメイトになるだろう」と述べた。
「チームはさらに前進できるだろう。僕にももっとプレッシャーがかかるけど、それはいいものだ。ふたりのドライバーが同じようなペースを発揮し、先頭争いできるようにならなければいけない」
「時に自分よりも速いタイムを出すようなドライバーがチームメイトになるのは良いことだ。なぜなら、すべてのコーナーやすべてのブレーキングポイントで最速のドライバーはいないからだ」
「チームメイトから学ぶことができる。それは、昨年には起きなかったことだ」
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この記事について
シリーズ | フォーミュラE |
ドライバー | ジャン-エリック ベルニュ |
チーム | テチータ |
執筆者 | Scott Mitchell |