【フォーミュラE】強行出場のメキシコ戦、ブエミ「大変落胆した……」
イタリアから強行軍でメキシコ入りし、フォーミュラEを戦ったセバスチャン・ブエミは、最悪の結果に大きく落胆したいる。














セバスチャン・ブエミ(ルノー・e.ダムス)は、WECプロローグが行われているイタリア・モンツァを金曜日午後に出発し、一路メキシコへフライト。そして土曜日の早朝に現地に着き、そのままフォーミュラEのメキシコシティePrixを戦った。しかしブエミは、強行軍での出走にもかかわらず最悪の成績に終わったことに、非常に落胆している。
ブエミは、メキシコ到着から数時間しか経っていないにもかかわらず、早速フリー走行1回目から出走。このセッションと次のフリー走行2回目ではトップタイムを記録し、さすが3連勝中の昨年王者としての威厳をまざまざと見せつけた。
しかし予選以降はその流れが一変する。予選ではグループ1に振り分けられたが、全4グループある予選の中で、当時の路面は最悪のコンディション。結局、7番グリッドから決勝をスタートすることになった。
決勝では、順位を上げて6番手になるものの、マシン乗り換えのためのピットストップで大幅にタイムロスしてポジションを落とすと、フェリックス・ローゼンクビスト(マヒンドラ)を抜こうと1コーナーでラインを外したことでオーバーラン。さらに順位を落とし、結局14位でレースを終えることとなった。
「実に苛立たしい。なぜなら、僕らは一番速いパッケージを持っていたにもかかわらず、多くのポイントを失ってしまったからだ」
そうブエミは語る。
「僕らは勝つことのできるクルマを持っていた。しかしそれを達成できずにここを離れることになり、実に失望している」
「僕はファンブーストを使って、ローゼンクビストを抜こうとしたんだ。彼はロックアップして、コーナーに入ることができなかった。だから、僕もターンインすることができなかったんだ。しかもペチート(ホセ・マリア・ロペスのこと)が僕の前でスピンするなんて……。僕は最悪な時に、最悪なところにいたんだ」
「それが今日起きたことだ。僕は予選でも間違った場所にいた。とても恵まれなかった。僕はみんなのためにコースを掃除しに行ったんだ。そして、レースではスピンやアクシデントを避けるために努力した」
マシン乗り換え時のタイムロスについても、不運があったとブエミは説明する。当初、ピットストップの最低時間は57秒に設定されていたが、後に60秒に変更になった。しかし、アンドレッティはそれを知らずに、57秒のつもりでコースへ復帰させてしまった。このため、ブエミがピットレーンに出ようとしたところ出ることができず、すでにファストレーンに出ていたマシンに先行されることになってしまったのだ。アントニオ・フェリックス・ダ・コスタとロビン・フラインスのふたりは、57秒でピットアウトしたため、後にペナルティが科されている。
「”アンセーフリリース”のルールがあるため、僕は合流することができなかった。だから、僕は3〜4台のマシンをやり過ごさなければならなかったんだ」
そうブエミは語る。
「彼らは制限時間を守らなかった。しかし、僕は”危険なリリース”をしなかったんだ」
開幕3連勝を果たし、ラインキングを独走していたブエミ。しかしメキシコePrixが終わってみれば、ランク2位のルーカス・ディ・グラッシ(アプト・シェフラー・アウディ・スポート)とのポイント差は、わずか5に急接近した。ディ・グラッシは非常に早いタイミングでマシンを乗り換え、そのアドバンテージを活かして優勝を果たしたのだ。
「彼らが信じられないような仕事をしたのは間違いない。でも、空からセーフティカーが降ってくるような、とても幸運な出来事だった」
そうブエミは語る。
「彼らは素晴らしいよ。ここと香港では、信じられないような運に恵まれた」
ブエミにとっての唯一の救いは、最速ラップを記録し、1ポイントを積み増したこと。この”1ポイント”が、シーズン後半に大きな意味を持ってくるかもしれない。
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この記事について
シリーズ | フォーミュラE |
イベント | メキシコシティePrix |
ロケーション | アウトドローモ・エルマノス・ロドリゲス |
ドライバー | セバスチャン ブエミ |
チーム | DAMS |
執筆者 | Scott Mitchell |