ローゼンクヴィスト悪夢のリタイア。アプト”悲願”の初優勝
フォーミュラE第5戦メキシコシティePrixの決勝が行われ、ダニエル・アプトが悲願のFE初優勝を達成した。

フォーミュラE第5戦メキシコシティePrixの決勝レースが行われ、ダニエル・アプト(アプト・シェフラー・アウディ・スポート)が悲願の初優勝を果たした。
F1メキシコGPの舞台にもなっているエルマノス・ロドリゲス・サーキットで行われたメキシコシティePrix。ポールポジションスタートのフェリックス・ローゼンクヴィスト(マヒンドラ)が完璧なスタートを決め、その後ろにオリバー・ターベイ(NIO)、セバスチャン・ブエミ(ルノー・e.ダムス)が続いた。ペナルティにより最後尾スタートとなったルーカス・ディ・グラッシ(アウディ・スポート・アプト・シェフラー)は、一気に17番手までポジションを上げた。
ここメキシコは非常に抜き難いレイアウトとなっており、各車が数珠つなぎの状況でレースが推移していく。これは昨年も同じような展開だった。エネルギーの使用状況も各車ほとんど同じだ。
そんな中でも、先頭のローゼンクヴィストは、ファクテストラップを連発し、後続との差を広げていく。
またファンブーストはディ・グラッシ、ブエミ、ローゼンクヴィストの3人に与えられたことが発表された。
ドラマが起きたのは14周目の最終セクターだ。トップを走っていたローゼンクヴィストが突然スローダウン。ピットレーンの入り口付近で停止してしまったのだ。ローゼンクヴィストはなんとか再び走り出すことができたが、最後尾まで下がってしまった。
これでターベイが難なく先頭に踊り出ることとなった。しかもその直後のブエミはペースが上がらず、3.5秒以上というセーフティリードを築いた。
一度は走り出したローゼンクヴィストだが、その後複数回にわたりマシンをコース上にストップさせ、リセットするシーンが見られた。それにより、結局ローゼンクヴィストは周回遅れとなってしまう。そして18周を走ったところでピットインし、マシンを乗り換え。しかしこれにより、結局2周遅れでのコース復帰となった。
21周目には、アプトがペースの上がらないブエミがターン1でミスしたところを見逃さず、オーバーテイクを成功させて2番手に浮上する。
23周を終えたところで、アレックス・リン(ヴァージン)やニック・ハイドフェルド(マヒンドラ)ら5台がピットイン。続く24周終了時点ではターベイやアプトらがピットイン。このタイミングでアプトがターベイの前に出ることに成功し、ブエミはジャン-エリック・ベルニュ(テチータ)にも先行されてしまった。
ネルソン・ピケJr.(ジャガー)とディ・グラッシは25周を走破してからピットインした。
なおアンドレ・ロッテラー(テチータ)はマシンを乗り換えてコースに戻る際、メカニックの足を引っ掛けてしまった。これによって後にドライブスルーペナルティが科せられ、大きく順位を落とすこととなってしまった。
先頭に立ったアプトはターベイに対して3秒以上のセーフティリード。4番手に落ちてしまったブエミは、ファンブーストを活かしてベルニュから3番手の座を奪い返した。ベルニュはその後ピケJr.にも抜かれてしまう。
マヒンドラには悪夢が続く。今度はハイドフェルドのマシンがコース上でストップしてしまったのだ。結局彼はピットに戻り、リタイアを決断。またローゼンクヴィストもその後リタイアを決め、これでマヒンドラは全滅という結果となった。
37周目にはディ・グラッシがファンブーストを使ってジェローム・ダンブロジオ(ドラゴン)をオーバーテイク。12番手となった。
先頭のアプトは、悠々のひとり旅。逆に2番手争いは残り2周で白熱してきた。46周目のターン1で、ブエミはターベイを抜くことを狙ってブレーキングを遅らせる。しかしこれで順位が変わることはなかった。
そして最終ラップ。アプトは後続に6秒以上の差をつけてトップチェッカー。今季第2戦で首位フィニッシュしながら車両規定違反で初優勝が取り消された際の鬱憤を晴らすこととなった。
2位はターベイ。ブエミの執拗な攻撃を何とかしのぎ切ることに成功し、自己最高位、そしてフォーミュラEでの初表彰台を決めた。ブエミが表彰台の一角を確保した。
最後尾グリッドからの出発となったディ・グラッシは驚異的な追い上げを見せ、9位フィニッシュ。アウディ・スポート・アプト・シェフラーは2台揃ってポイントを獲得した。
次戦プンタ・デル・エステePrix(ウルグアイ)は3月17日に行われる。
この記事について
シリーズ | フォーミュラE |
イベント | メキシコシティePrix |
ロケーション | アウトドローモ・エルマノス・ロドリゲス |
ドライバー | ダニエル アプト , フェリックス ローゼンクヴィスト |
チーム | アウディ・スポーツABT , マヒンドラ |