12月2日フォーミュラEデビュー。小林可夢偉が考える”将来のFEの可能性”

フォーミュラE第4シーズンの開幕戦香港ePrixに参戦することを決めた小林可夢偉に、その心境を訊いた。

 小林可夢偉がフォーミュラEにデビューすることが決まった。彼が出走するのは第4シーズンの開幕ラウンドである香港ePrixの第1戦と第2戦。MS&ADアンドレッティのマシンを駆ることになった。

 その小林に話を訊いた。

 小林はフォーミュラEの創設期に、参戦には懐疑的なコメントを発していた。しかし今回フォーミュラE参戦を決めた。その心境の変化の背景には、どんな想いがあったのか? それを尋ねると、次のような答えが返ってきた。

「ひとつは今、いろんなメーカーが行ってるじゃないですか? 何か理由があるんだろうなと思ったんですよね。そしてドライバーとしてもやることがいっぱいあるので、もしかしたら楽しいのかなという感じもありました。実際には、まだ走っていないので分からないですが……」

「個人的に言うと、フォーミュラEはF1とはまた違う発想を持ったモータースポーツなんだと思います。それが実質、多くのメーカーから認められてるじゃないですか。その理由が何なんだろうなという興味はすごくあります」

 小林自身、フォーミュラEの将来性をかなり感じているようだ。

「将来的にF1は落ちていく可能性もあると思います。でもその反面、フォーミュラEは上がっていくんだろうなと僕は見ています。出ているメーカーの数も、全然違うじゃないですか。正直、メーカーがたくさんいるカテゴリーは上がっていくと思うんですよ。だからそこに片足入れておくのは大事……だと思うんですよね。全然手の届かないところに行く前に、近づいておこうと」

 WEC(世界耐久選手権)をToyota GAZOO Racingの一員として戦う小林。そのチームメイトにはセバスチャン・ブエミやホセ・マリア・ロペス、そしてステファン・サラザンなどフォーミュラE経験者が揃っている。また今季のスーパーフォーミュラをライバルとして戦ったフェリックス・ローゼンクビストはフル参戦し、アンドレ・ロッテラーも小林と同じく香港ePrixでフォーミュラEデビューを迎える。

 これらのドライバーたちからフォーミュラE参戦を勧められたのかと尋ねると、どうやらそういうことでもないようだ。

「寝てるより、起きてる方がいいでしょ? 1カ月ずっと寝ておけ……と言われるのは辛い。でも毎日睡眠時間を6時間保証してくれたら、ずっと働いてる方が楽しいんですよ。結果残して、忙しいけどそれでお金をもらう方が、ドライバーとしての達成感はあると思うんですよね」

 F1時代、小林可夢偉のお気に入りのコースは高速コーナーが連続するようなサーキットだった。そして「モナコはあまり好きじゃないです」と語っていた。しかし、フォーミュラEは基本公道コース開催である。これについて小林は、次のように語った。

「そうですね。シンガポールも好きじゃないですけど、マカオはちゃんとポール獲ってるんですよ!」

「でも、フォーミュラEは公道じゃなきゃ無理だと思います。コースが広すぎると、何をやってるのか分からなくなりますから。しかし、それ以上の難しさの方が、このクルマにはありますから」

 周囲のドライバーからは、400km/hで走っているように感じられるほど、フォーミュラEマシンの扱いは難しいと告げられているという。

「正直、クルマの動きはそんなに良くないんですよ。重たい感じの走りになる。バッテリーを積まなきゃいけないとか色々な理由で、ホイールベースが長くなってしまうんですけどね。それをコントロール、しかも公道で走らせるから、難しいんですよ。スーパースポーツカーで200km/h出すのは怖くないんですが、軽自動車に600馬力のエンジンを積んだら、ものすごく怖いと思うんですよ。そういうイメージですよね」

 その中でもフォーミュラEマシンをコントロールする上で最も難しいところ、それはバッテリーの温度管理だと小林は考えているという。

「今までの経験が活かせるかどうか、やってみないと正直分からないです。WECのマシンとか、そんなレベルじゃないですね。バッテリーの温度をどう管理するかとかなんで。どうやって冷やせばいいのか、そんなの分からないですよ」

 ファンブーストの投票を募っている小林だが、それを使うと、バッテリーの温度が急激に上がってしまうため、使えないかもしれないと明言する。

「ファンブーストは困るんですよ。正直、もらえたら嬉しいですけど、それをレースに活かせるかどうかは難しい。ちょっとだけ使っても、温度がダーンと上がってしまって大変なんだと思います。レース中の出力も180kW(第3シーズンまでは170kW)になるから、これまで以上に大変。だから今季は、ファンブーストを使うチャンスがもっと減ってしまうと思います」

 日本での開催が待望されるフォーミュラE。小林もそれを心待ちにしているという。

「そりゃあ日本でやりたいですよ。街中でやるには、フォーミュラEはいいですよ。騒音もないですしね。しかも街中でやればアクセスしやすいです。モータースポーツの難点って、電車で観に行きにくいということだと思います。でも、それが電車で簡単にアクセスできるようなところでやってくれれば、友達も呼びやすいですから」

「東京か大阪でやって欲しいですよね。あと強いて言うなら北海道かな? 外国の人も北海道がお好きだと思うんですよね。北海道はご飯が美味しいですし、回転寿司もめちゃくちゃ美味しいじゃないですか! だから外国の方にも喜んでもらえると思います。それから風景もドイツとかに似ているような気がしますしね」

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この記事について
シリーズ フォーミュラE
ドライバー 小林 可夢偉
チーム アンドレッティ
記事タイプ 速報ニュース