小林可夢偉、初挑戦FEレース2は17位「今後に向け経験を積めた」
フォーミュラEに初めて挑んだ小林可夢偉。その香港ePrixのレース2は、マシンのトラブルもあり17位に終わった。

フォーミュラE第4シーズンの開幕ラウンドとなった香港ePrix。MS&ADアンドレッティでスポット参戦し、フォーミュラEデビューを果たした小林可夢偉は、レース2を17位(18番手でフィニッシュも、トップチェッカーのダニエル・アプトが失格したため、1ポジション繰り上がり)で終えた。
「なかなかのチャレンジでした。悔しい結果ですが、全然乗り慣れないクルマで、練習もせずに来たらこうなるんだなというのが実感できました」
そう小林は語る。
「他のドライバーがこれに乗るために10日間テストしてきても、なかなか合わせるのが難しいというレースですから。それでもこの2日間、クルマを壊すことなく終わることができたので、よかったです」
「経験を積むことが大事でした。途中でクラッシュしたりして経験を積むことができなかったら、今後に向けて損になるかもしれませんから」
「自分が分かっているクルマなら、そんなに悪くないはずです。それが分かったのもよかったです」
レース1は15位だった小林。順位だけ見ればレース2の方が下がっているが、これは乗り換え時に2台目のマシンがスタートせず、30秒ほどタイムをロスしたことが大きく影響している。しかしフォーミュラEマシンへの”慣れ”は実感しているようだ。
「ペース的にも良くなっているし、やればやるだけ良くなっていくのは分かりました。2レース目でも、リジェン(回生ブレーキ)が使えなくなった時にはこうすればいいんだと思いながら走っていました」
しかし香港ePrixの舞台は完全なる市街地コース。ウォールに囲まれ、少しのミスがすぐに大ダメージへとつながる。
「テストは壁がないところでやっていますから、失敗できるんですよね。でも、いきなり壁だから失敗したら終わり。だから(試していける)ステップが小さいから、時間がかかりすぎてしまいます。テストできないで来るのは、そこがすごく難しいですね」
初めて体験したフォーミュラEのマシン。その難しさは”リジェン”にあると小林は語る。
「(多くのマシンがスピンしたが)行き過ぎて止めるためにスピンするんじゃないですかね? リジェンができなくなると、本当に止まらないです。恐ろしいほど止まらないです」
「リジェンできなくなると、本当に(制動力が)ゼロになります。その時にブレーキを踏んだらえらいことになります。エドアルド(モルタラ)がスピンしたのも、そういうタイミングだったと思います」
「バッテリーが熱を持っていると、リジェンできなくなるんです」
「予告ないんです。それをエンジニアとやりとりして、ブレーキバランスを変えろなどと言われます。パドルを操作しても、リジェンが効かない時があります」
初挑戦のフォーミュラE。小林可夢偉は今後もオファーがあれば乗ると語る。
「オファーがあったらまた乗ります。今度は、おにぎりを持ってきます(※小林可夢偉は初日終了後、レース日のスケジュールが過密すぎ、食事を摂る時間がなかったと語っていた)。今日は食べることができましたけど、次に来る時は炊飯器を持ってきて、サランラップでおにぎりを作っておこうと思います」
取材/赤井邦彦
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この記事について
シリーズ | フォーミュラE |
イベント | 香港ePrix |
サブイベント | レース2決勝 |
ロケーション | 香港ストリート・サーキット |
ドライバー | 小林 可夢偉 |