日産、ルノーに代わりフォーミュラE参戦へ? シーズン5からとの情報
2018年末に始まるシーズン5から、日産がルノーに代わってフォーミュラEに参戦することになりそうだ。

複数の情報筋によれば、アライアンスを組んでいるルノーと日産が、将来のモータースポーツ活動についての議論を行ったようだ。そしてルノーに代わって日産が、将来的にフォーミュラEに参戦することで合意されたとみられる。
日産のモータースポーツ部門であるニスモのグローバルモータースポーツ・ディレクターであるマイク・カルカモは、バレンシアで行われたフォーミュラEのオフシーズンテストを視察。ルノー・e.ダムスやFIAの下を訪れた。
日産はリーフをはじめとして多くの電気自動車を市販しており、今や世界最大の電気自動車メーカーのひとつだ。その日産がフォーミュラEに参戦し、その存在感をより強めることは、ルノー-日産アライアンスとって理想的な選択肢とも言える。
現在、フォーミュラEに日本の自動車メーカーは参戦していない。しかしフォーミュラE・ホールディングス(FEH)のCEOであるアレハンドロ・アガグは、その状況は変わるだろうとバレンシアで語った。
日産やトヨタ、そしてホンダのフォーミュラE参戦について尋ねると、アガグCEOは次のように語った。
「その3社のうち1社、おそらくは2社が最終的には参入するだろう」
しかしアガグCEOは、参入するのがどのメーカーになるのか、そしてそれがいつのことになるのかについては、明言を避けた。
ホンダはフォーミュラEに関心を持ち、FEHと話し合いを行ったことを認めている。しかし、現在のフォーミュラEで自由に開発できるのは主にインバータとモーターであり、ホンダとしては「技術面での価値」を疑問視。現時点での参入を見送る決定を下した。ただ、同社の山本雅史モータースポーツ部長は「もっとテクニカルな領域に入ってくれば、会社に進言する可能性もある」と語り、将来のフォーミュラE参戦については含みを持たせた。
トヨタは現在WEC(世界耐久選手権)に参戦中だが、相次ぐライバルメーカーの撤退を受け、その計画を再検討しているとみられている。同社も過去にFEHと接触したと考えられているが、参戦には否定的な姿勢である。
日産からの正式発表は、来年3月のジュネーブ・モーターショーで行われる可能性が高い。そのため、第4シーズンから参戦することにはならないだろう。ルノーはシーズン4用のマシンZ.E.17を先月発表したばかり。そのため、レース中のマシン乗り換えが行われなくなるシーズン5から、日産のブランドでの参戦を開始すると予想される。
日産がフォーミュラEを担当することになれば、ルノーはF1のプログラムに注力することができるようになる。その一方で、フォーミュラEの第1シーズンから常に先頭を走り続けてきたルノーが、同シリーズを去るということを意味する。
一方、フォーミュラEの参戦権を保有しているのはe.ダムスであるため、彼らが引き続きチームのオペレーティングを務めていくことになるものとみられる。
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この記事について
シリーズ | フォーミュラE |
執筆者 | Scott Mitchell |