初の東京E-Prix制したギュンター「素晴らしい雰囲気だった。来年のレースも楽しみ!」今季のタイトル争いにも自信

初開催されたフォーミュラEの東京E-Prixで勝利したマセラティのマキシミリアン・ギュンターは、素晴らしい雰囲気のレースだったと振り返った。

Podium: Race winner Maximilian Günther, Maserati Racing

 日本で初めての本格公道レースとして、3月29~30日に開催されたフォーミュラE東京E-Prix。見事優勝を飾ったマセラティのマキシミリアン・ギュンターは、来年の開催が待ち遠しいと語った。

 日産のオリバー・ローランドがポールポジションを獲得し、集まったファンを大いに湧かせた今回のレース。決勝では、そのローランドとギュンターが実にフォーミュラEらしい優勝争いを展開した。

 ローランドはレース前半で首位を走っていたためにエネルギーを使いすぎてしまい、残り10周のところでギュンターがトップに浮上した。

 ローランドの後ろでエネルギーを節約していたギュンターは、その貯金を吐き出してリードを開くと、ポジションを落とすことなくアタックモードの使用義務を消化。チェッカーを目指した。

 最後は残りのエネルギー量もギリギリとなり、逆にローランドに迫られることになったギュンターだが、なんとか抑えきってトップチェッカー。自身にとっては昨年のジャカルタE-Prix以来、マセラティにとっては通算2勝目を東京E-Prixで飾った。

 東京E-Prixの初代ウイナーとなり、ギュンターはこれでポイントリーダー(パスカル・ウェーレイン/ポルシェ)と15ポイント差のランキング5番手につけている。

 自宅に戻り、メディアのオンライン取材に応えたギュンターは、タイトルを争うチャンスがあると思うかという質問に次のように答え、東京E-Prixの週末を振り返った。

「明らかにチャンスがあると思うよ。素晴らしいシーズンのスタートだ。これが最初の一歩だ」

「東京は素晴らしい週末だったし、すべてのセッションで力強いペースを見せることができた。僕たちは良い位置にいると思う。まだシーズン序盤だけど、良い結果を残したいね」

Race winner Maximilian Günther, Maserati Racing, Maserati Tipo Folgore

Race winner Maximilian Günther, Maserati Racing, Maserati Tipo Folgore

写真: Andreas Beil

 ギュンターは来日直後からファンの歓迎を受けたこともあって、東京E-Prixはアメイジングな週末になったと語った。

「すごくいい気分だよ。日本では素晴らしい時間を過ごすことができたし、街もサーキットも大好きだ。シーズン前から話題にされていたような場所に行くのは素晴らしいことだと思うし、みんながカレンダーのハイライトになると思っている。そこで最初のウイナーになったのは誇らしいことだ」

「日本での歓迎は素晴らしかったよ。14時間のフライトの後に空港へ到着すると、写真やファンアイテムを持って待っているファンが大勢いたんだ。チケットも完売し、トラックも全体的な雰囲気も素晴らしい経験だった。来年の開催が待ち遠しいよ」

 次戦のミサノ(4月13~14日)も、フォーミュラEにとっては初開催となる。舞台はミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリ。MotoGPサンマリノGPが開催されていることでも知られる、常設サーキットだ。

 ギュンターにとってもミサノは初体験のコース。東京E-Prixとは大きく異なるチャレンジになるはずだと語った。

「次のレースは、フォーミュラEにとっては新しいサーキットだ。ストリートコースではなくて、常設のトラックだから広くてオープンなコースだ。でも僕たちは例えばジェッダのような高速コースが得意な傾向があるんだ。ここ数ヵ月、パッケージをできる限り完璧なものにしようとハードワークしてきたし、どのサーキットに行くにしても良いフィーリングで行くことができる」

「セットアップでもドライビングでも適応する必要がある。ミサノに行くのは初めてだし、夜にMotoGPで見ただけだ。純粋なレイアウトという意味ではメキシコが一番近いかもしれない。でもグリップレベルが違えば、流れるようなレーストラックになるだろう」

 ストリートサーキットを主戦場とするフォーミュラE。これまで行なわれた常設サーキットでのレースでは、各ドライバーがより厳しいエネルギー節約を求められる傾向にある。

 東京E-Prixでは狭くツイスティなコース特性もあって、数珠つなぎのレースとなったが、ミサノではエネルギーを節約しながら団子状態の接近戦となる可能性も高い。

 ギュンターは、マセラティにとっての母国レースとなるミサノに向けて、東京E-Prixとは全く異なるチャレンジに適応しなければならないと語った。

「様々なチャレンジに適応するのはクールなことだ。高速サーキットや常設サーキット、典型的なストリート・サーキット……より伝統的で、エネルギー節約の重要度が高いエネルギーマネジメントが重要なレースもあれば、予選やトラックポジションの重要性が高いレースもある。レース中の判断や動きがスマートでなくてはいけない」

「ミサノは、東京とは全く異なるチャレンジになると思う。おそらく大幅にエネルギーをセーブして、かなりダイナミックなレースになると思う。マセラティのホームレースだからね、モチベーションは内側から湧いてくるよ」

「正直、エネルギーをどれくらい節約する必要があるかはまだ見てないんだ。でもミサノではかなり戦略的なレースになることが予想される」

 

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