いよいよ開幕のフォーミュラE。SCルールの調整で、レース終盤のバトルに懸念の声
メルセデスのニック・デ・フリーズは、フォーミュラEのセーフティカーに関するルール変更でレース終盤の混乱は避けられるものの、バトルが膠着状態になる可能性があると危惧している。
写真:: Sam Bloxham / Motorsport Images
フォーミュラEは、1月28~29日に開催されるディルイーヤePrixでシーズンが開幕する。昨シーズンからいくつかルールが変更されており、セーフティカー(SC)やフルコースイエロー(FCY)に関するルールもそのひとつだ。
フォーミュラEは時間制(45分+1周)のレースであるため、レーシングスピードで走る時間が減れば、それだけ1レースでのエネルギー消費量が減ることになる。エネルギー管理をレースの重要な要素として捉えているフォーミュラEは、これまでSCやFCY状態での走行が長引くほど、各マシンが使えるエネルギー量を差し引くことでバランスをとっていた。
しかし昨シーズンのバレンシア・サーキットで行なわれたレースでは、SC走行が長引き、レース終盤になって使えるエネルギー量が減った結果、多くのマシンがファイナルラップでエネルギー切れを起こして失速する事態となってしまった。
これを受けて、フォーミュラEは今季からルールを変更。SCやFCYでの走行が1分続くごとに、レース時間が45秒追加されることになった。追加時間の上限は10分であり、レース開始から41分以降にSCやFCYが出た場合は、それ以上時間が追加されないことになっている。
昨シーズンのチャンピオンを獲得したニック・デ・フリーズ(メルセデス)は、今回の変更でバレンシアのようなエネルギー切れ問題が起きる可能性は解消されたものの、レース終盤に各車のエネルギーが余ることで、バトルが膠着状態になる可能性があると考えている。
「レース終盤のFCYやSCのときに、エネルギーが極端に少なくなるリスクを減らすことができると思う」とデ・フリーズは言う。
「実際、少し残念だとも思う。レース終盤にFCYやSCに突入すると、ほぼフルプッシュのシナリオになると思うからだ」
「たとえばロンドンなど、ターゲットが高すぎてエネルギーマネジメントがほとんどできないシナリオでは、オーバーテイクもできずレースもできない」
「それに戦略的にレースをしている人たちにとっては、簡単に後退してしまう一方で、レース中にずっとやっていた仕事によるアドバンテージが奪われてしまうかもしれないんだ」
「バレンシアのようなシナリオに陥らないようにすることは簡単なことだと思う。個人的にはそれ(ルール変更)でレースが向上するとは思えない」
ヴェンチュリーのエドアルド・モルタラは、エネルギーを差し引くよりも理にかなったルールだと感じているものの、レース終盤に関してはデ・フリーズと同じような懸念を抱いているようだ。
「エネルギーを奪うよりも、遥かに理にかなっていると思う。そういった意味ではより良くなると思う」
「しかしニックが言うように、レース後半は全開で走ることになる。それはショーやスペクタクルという意味では決して良いことではない」
「僕は時間が経てば、このルール変更がどうなのか、分析できるかもしれないと思っている」
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