FE初ポイントのロッテラー「ベルニュとの争いは複雑な気持ちだった」
ロッテラーは、サンティアゴでの僚友ベルニュとの首位争いについて、複雑な気持ちでいたことを明かした。








テチータのアンドレ・ロッテラーは、チームメイトのジャン-エリック・ベルニュとのトップ争いや彼の優勝について、葛藤を抱えていると話した。
サンティアゴePrixの決勝レースをポールポジションからスタートしたベルニュは、序盤に後続との差を3秒にまで広げていた。しかしピットストップを終えた後、ペースの上がらないベルニュに対してロッテラーは徐々にその差を縮め始め、ついに両者はホイール・トゥ・ホイールのバトルを繰り広げた。
だがロッテラーは33周目にターン3のブレーキングでタイヤをロックさせ、ベルニュのリヤに乗り上げてしまった。これにより、彼らは危うくウォールに接触するところだったものの、かろうじてポジションを落とすことなくレースを継続できた。
この件についてロッテラーに尋ねると、「とても驚いた」とmotorsport.comに語った。
「スピードにはかなり自信を持っていたので、余裕を持って彼をパスできるはずだと考えていた」
「だけど彼は僕のチームメイトだ。チャンピオンシップでもかなりのポイントを獲得しているし、複雑な気持ちだ。僕としては、『ああ、かなりスピードがあったのに』といった感じだ」
「どこで安全に動くことができるのかを知りたかったし、ターン3はまさにその場所だと思った」
「彼は非常にアグレッシブにディフェンスしていて、僕は接触を避けられなかった。スピードにも大きく差があった。だけど幸運なことに、僕たちはマシンを止め、コーナーを曲がることができた」
一方ベルニュは、エネルギーマネージメントシステムに問題を抱えていたと主張しており、そのせいで1ラップあたりのエネルギー量を抑える必要があり、さらには無線によるコミュニケーション不足によって、強気な姿勢でアタックすることができなかったと言う。
「僕たちはバトルをするための同じ”武器”を持っていなかった」とベルニュは話した。
「だから僕はコーナーでとてもハードにプッシュしていて、2回もウォールにぶつかりかけた」
「(接触する前にも)彼はアウト側から全開で僕に仕掛けてきた。その時僕は、(もしロッテラーが引かなかったら)彼はレースを終えることができないと思っていた。だけど実際は僕がもう1周守ったんだ」
またウォールにぶつかる寸前のところまでロッテラーが後ろから”プッシュ”してきたことについては、ベルニュは笑いながらこう述べた。
「本当に短い時間の中で起きたことだった。でも僕はあの瞬間を頭の中に思い描くこともできる。まるで何時間もそれを体験していたかのようにね」
「運良く僕たちはウォールにぶつからずに済んだ」
サンティアゴePrixでの優勝により、ベルニュはドライバーズランキングで首位に浮上した。またワンツーフィニッシュで46ポイントを獲得したことにより、テチータはチームランキングでもマヒンドラを逆転して首位に立った。
ようやく初ポイント獲得のロッテラー
今回2位を獲得したロッテラーだが、これにより彼はフォーミュラEで初めてポイントを獲得した。
この第4シーズン(2017/18年)でフォーミュラEにデビューしたロッテラーは、厳しい洗礼を受けていた。香港ではインシデントが重なり、マラケシュでもリタイアに終わっていた。しかしシミュレーター作業や経験を積んだことで、彼はセットアップ作業に改善を見せていた。
「自信をつけたり、スピードを増すためにそれほどリスクを負うことができるチャンピオンシップではないので、これは大きな契約だ」
「もしミスを犯したら、ウォールにクラッシュしてしまう。今では物事がしっくりきているので、これを大きなステップだと感じているし、どうやってこういうマシンでレースをするのかというのは大いに理解している」
この記事について
シリーズ | フォーミュラE |
イベント | サンティアゴePrix |
ドライバー | アンドレ ロッテラー , ジャン-エリック ベルニュ |
執筆者 | Scott Mitchell |