FE、”ピットストップ最小限タイム”を取りやめ。一方で安全性懸念も

今週末のマラケシュePrixより、FIAが設けた”ピットストップ最小限タイム”規定が取りやめになることが発表された。

 フォーミュラEは、今週末のマラケシュePrixよりFIAが設けた”ピットストップ最小限タイム”を撤廃することを発表した。

 2014年にシリーズが発足して以来、フォーミュラEではレース中のピットストップでマシンを乗り換えることがひとつの大きな特徴となっている。またこのマシン乗り換えについては、ピットレーンへの進入から出口を通過するまでの間の最小限タイムがFIAによって定められている。

 なおこのタイムには、ドライバーとチームがマシン乗り換えを急ぐあまり安全性を損なうことがないよう、数秒間の猶予が設けられている。

 しかしチーム側がマシン乗り換えのプロセスを改善してきたため、この最小限ピットストップタイムは徐々に短くなっていった。

 このタイム規定は正式にレギュレーションに記載されているものではない。そのため、もはやこの猶予が不要であると判断したFIAは、この規定を取りやめることを決定した。チーム側には、今週末のマラケシュePrixを前にすでに通達されている。

 シーズン3(2016/17年)のチャンピオンであるアプト・シェフラー・アウディ・スポートのルーカス・ディ・グラッシはmotorsport.comに対し、原則としてはこの変更は”ポジティブ”なものだが、今これを行うことについては好ましくないと語った。

「このコンセプトには賛成だ。だけどこのような変更をするのなら、シーズン開幕前に行うべきだ」

「開幕前に変更を行えば、(シーズンが開幕してから)あらゆるものを最大限に利用できるチャンスを得ることができる。このような変更は全員にとってギャンブルになるし、おそらくマラケシュではレースはより複雑なものになるだろう」

 このルール変更により、ピットストップ時間は様々になり、ドライバーやチームはガレージを出るためにより急ぐことになると予想される。また一方では、タイムロスをしてしまう可能性も考えられる。

 レース中にマシンを乗り換えることの危険性については、これまで何度も挙げられてきた。たとえばDSヴァージン・レーシングのサム・バードは、他のドライバーがタイムを得ようとしてリスクを犯そうとすることを恐れていたといい、極めて複雑な感情を抱いていたと話した。

「ファンを興奮させるという点では、理にかなっていることだと思う」

「しかし安全面から考えると、僕にとっては理想的なことではない」

「タイムを得るためにドライバが一完全にベルトを締めなかったとしても、そういう行為を取り締まるものもない。そうなったら極めて危険だ」

「もしこういった行為が無視され始めたら、それは正しいことだとは言えない」

 一方ディ・グラッシは、ドライバーがタイムロスをすることなくしっかりとベルトを締められるように、このルール変更に伴って”LMPあるいはGT形式”のベルトに変更すべきだと主張した。

「現在使用しているベルトはシングルシーターの標準的なものであり、素早いマシン乗り換えのためにデザインされたものではない」とディ・グラッシは話した。

「LMPカーやGTカーのベルトはバックルの仕様が異なり、よりシンプルで効率的なんだ」

「もちろん、僕がしっかりとベルトを締めないというリスクを取ることは絶対にない」

「しかし現行のベルトは急いでマシン乗り換えをするために作られたものではないので、もしメカニックがしっかりとベルトを締めなかったり、プレッシャーを感じてミスをしてしまったら、もう一度完全にベルトを締め直すためには15~20秒かかるかもしれない」

「これもゲームの一部だ。だけどレースを失うことに繋がるという事態は避けるべきだ」

 なおフォーミュラEは伴いシーズン2(2015/16年)の時点でこのタイム規則の取りやめを検討していたが、当時は実際に規則が撤廃されることはなかった。

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この記事について
シリーズ フォーミュラE
記事タイプ 速報ニュース