【FE】フォーミュラE、チーム間の過度な開発競争を懸念。コスト問題も
フォーミュラEは、マニュファクチャラーによる過度な開発競争が起こる可能性のある状況に懸念を抱いている。










今後数メーカーがフォーミュラEに参戦することを受けて、マニュファクチャラー間で過度な開発競争が起こるのではないかという不安が生まれている。
フォーミュラEのマシンは、開発可能な分野が限られており、それ以外の分野の開発は基本的にはできないことになっている。例えばエアロダイナミクスに関しては、現状では一切の開発が許されていない。また第5シーズン(2018/19年)からは容量の増えたバッテリーを使用することになっている。
さらに第6シーズン(2019/20年)からは、メルセデスとポルシェがフォーミュラEに参戦することが決まっており、すでに参戦しているルノー、アウディ、BMW、ジャガーなどのマニュファクチャラーと戦うことになる。
ルノーのテクニカルチーフであるヴィンセント・ギャラドーはmotorsport.comに対し、「将来的にコストが増加する可能性があるが、これは間違いなく懸念事項だ」と話した。
「FIAがコントロールしているルールを通して、我々は”軍拡競争”のコストをコントロールしなければならない。シャシーやエアロ、バッテリーの開発をオープンにはしたくない」
「このチャンピオンシップはまだ誕生したばかりだし、小さな子供の面倒を見るように、我々は注意しなければならない。本当に気をつける必要があるが、これから参入してくる人々は、より自由にこういうことを考えたいと話していた」
「コストのコントロールなどをもう少し強化したい。さもなければ、フォーミュラEの繁栄を妨げてしまう」
フォーミュラEの既存のマニュファクチャラーやチームにとって最大の懸念事項のひとつは、マニュファクチャラーによるバッテリー製造、開発、供給が始まるようになることだ。
「多くの人々はバッテリーの複雑さを過小評価している」とギャレットは続けた。
「最初のバッテリーに関しては、ウイリアムズが本当に素晴らしい仕事をした」
「わずかに批判もあったが、しかし全体的には良い仕事をしていた。また第二世代のバッテリー製造者にマクラーレンを選んだのは、良い選択だったと思っている」
「いくつかのマニュファクチャラーがバッテリー競争をオープンにしようと働きかけているのはわかっている。しかしそれには待つ必要があり、将来的にいつそれをやるのかを考えなければならない。遠い将来の話になるだろう」
DSヴァージン・レーシングのチーム代表であるアレックス・タイは、FIAの指針により続けられてきたマネージメントは極めて重要であり、現在の、そして将来的なチャンピオンシップの繁栄を守るためにも必要だと考えている。
タイはmotorsport.comにこう語った。
「おそらく、フォーミュラEには最も明るい将来がある。なぜなら、(フォーミュラEの)マシンは我々が将来的に運転することになる車であるし、メルセデスなどこれから参戦するマニュファクチャラーへ興味を持っているという事実は、その事実を裏付ける支援することになる」
「我々のすべてのパートナーが、より懸命にイノベーションを進めるために、その関心を推し進めていくだろう」
「予算が過度に増加することに対して争うかどうかは株主次第だ。我々は公平性を保たなければならない。信条としては、フォーミュラEのエキサイティングさを保ち、これまでのように成長も続けていくことだ」
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