著名人がフォーミュラEで走る『EVOセッション』の第2回がジェッダで開催。競技形式になりクラッシュも続出……将来のレース実施の可能性は?
フォーミュラEは2回目の『EVOセッション』をジェッダで実施。10人のインフルエンサーがフォーミュラEマシンに乗り競い合った。
写真:: Simon Galloway / LAT Images via Getty Images
フォーミュラEは、2025-2026シーズン第4戦・第5戦が行なわれたジェッダ・コーニッシュ・サーキットで第2回『EVOセッション』を実施。世界各国から集まったインフルエンサー10名がデュエル形式で競い合った。
このEVOセッションは、世界の著名人が長期にわたる本格的なトレーニングを積んでフォーミュラE GEN3 Evoの実車をドライブするというもの。第1回は昨年マイアミで実施され、サッカー界の元スター選手セルヒオ・アグエロらが参加し成功を収めた。
今回参加した10名のインフルエンサーは、大半がYouTuberやTikToker。中でも有名どころは、TikTokで1億人を超えるフォロワーを抱えるカベンネ・ラメだ。様々なものを皮肉り、最後は無言で両手を広げるジェスチャーを見せる、そんなショート動画に見覚えのある方も多いのではないだろうか。
第1回のEVOセッションは事実上テストの延長のようなイベントとなったが、第2回となる今回は競技要素が増やされ、参加者10人を直接競わせる形式に変更された。ただし複数人による混走は行なわれず、ラリーのように単走のタイムで勝敗を決した。
まずは予選セッションとして各ドライバーが15分間の走行を行ない、下位2名が脱落して最下位決定戦に回ることに。残る8名がトーナメント形式のデュエル戦へ進出した。
参加者は低出力の300kWモードで走行。ただ4輪駆動で走行することができた。最速タイムは、YouTube集団『Sidemen』のメンバー、べジンガが予選で記録した1分27秒984。デュエルでは気温低下の影響で各車ややペースが落ちた。
比較対象として、フォーミュラEのレギュラードライバーはグループ予選では300kWで走行し、1分17秒台前半を記録。週末を通した最速タイムは、ジェイク・デニスが準決勝デュエル(350kW)で記録した1分15秒060だった。
モータースポーツ経験の乏しい参加者が競い合って限界に挑んだ結果、今回はスピンやクラッシュが多く見られた。
中でも大きなアクシデントに見舞われたのが、ローラ・ヤマハのマシンをドライブしたイジー・ハモンド。彼女はバックストレートエンドのターン13を立ち上がるところで激しくウォールにヒット。2021年のF1サウジアラビアGPの予選で鬼神のようなアタックラップを見せていたマックス・フェルスタッペンがクラッシュした場所と同じだ。クラッシュの激しさは比べ物にならないが。
幸いドライバーは無事。ハモンドは規定に従いメディカルセンターに向かった。大きく回り込むカーブで曲がりきれず、アンダーステアを出したままオーバースピードでウォールに突っ込んだ形だが、彼女は無線で、ブレーキを残したままターンインしてしまったことで止まりきれなかったのではないかと話していた。
優勝したのは、『TheBurntChip』を運営するジョシュア・ラーキン。予選最速だったベジンガとのデュエルを制した。
将来的なレース開催の可能性は?
優勝したジョシュア・ラーキン
写真: Oscar Lumley / LAT Images via Getty Images
フォーミュラEはこのように、世界的な著名人を活用した刺激的なコンテンツによってシリーズの知名度を高めようとしている。今後、インフルエンサー同士がコース上でレースをすることになれば、さらに盛り上がるだろうが、実際にシーズンを戦っている実車を壊されてしまったチームやドライバーにとってはたまったものではないだろう。フォーミュラE側も、この問題点を認識している。
フォーミュラEの共同創設者でチーフ・チャンピオンシップ・オフィサーのアルベルト・ロンゴも、参戦チームが関わらない形でEVOセッションが実施できるのであればレース開催も不可能ではないと考えている。実際、フォーミュラEには大規模なテストチームが存在しており、現在はGEN4車両の開発を行なっている。
ロンゴは著名人によるレース実施の可能性について、次のように語っていた。
「どのマシンを使うかに大きく左右される」
「来年のGEN4はプロでないドライバーが運転できるような代物ではない。GEN3の場合は多少の調整は可能で、十分なシミュレーションとトレーニングを積めば彼らでも運転できるが、GEN4では不可能だろう」
「だから最終的には彼らが使う車両をスケールダウンし、そしてチームと直接リンクしない形で実施することになるだろう」
「(現行の形式で)問題なのは、前日にプロドライバーが使ったマシンを使っていて、それを2週間後にも再び使う点だ。もし大クラッシュが起きて、修復に5日かかったらどうなるか想像してほしい。予算やリソース管理の面で、チームにとっては複雑な問題になる」
「だからチームとどれだけ結びついて開催するか次第だ。今後のEVOセッションがチームと関わらない形になるのなら、レースも可能だろう。全く問題ない」
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