第3世代のフォーミュラEマシン『Gen3』のティザー画像公開。”戦闘機”をイメージ
フォーミュラEとFIAは、2022-23年シーズンに導入される第3世代マシンのティザー画像を公開した。
フォーミュラEとFIAは、2022-23年シーズンに導入される予定の第3世代マシン『Gen3』のティザー画像を公開した。
フォーミュラEは2022年シーズンに向けて、11月29日から12月2日にかけてバレンシアで公式プレシーズンテストを実施。その初日、各メーカーやチームの代表者には、Gen3マシンのフルデザインと仕様が極秘裏に公開されたようだ。
一方で、フォーミュラEとFIAは今のところ、Gen3マシンのティザー映像しか公開していない。今回の画像については、「空力効率に優れた戦闘機のデルタウィング」をイメージしたものだと説明されている。
Gen3のマシンをデザインしたのは、第1世代、第2世代マシンと同じくスパーク・レーシング・テクノロジー社であり、従来のシングルシーターマシンとは一線を画す、個性的な存在感を持っているようだ。
画像ではかなりワイドなリヤタイヤを持つようにも見え、日産がサポートして2012年のル・マン24時間レースに参戦したデルタウイングをイメージさせるようなボディワークが浮かび上がっている。
フロントは、ウイングがホイールカバーを兼ねている第2世代マシンのようなデザインではなく、タイヤが露出している。一方でリヤは、第2世代マシンのように巨大なディフューザーを備えているようだ。大きなテールライトが追加されているのも特徴と言える。
FIAとフォーミュラEは、いくつかの重要な技術的側面についても合意しており、第3世代のマシンは「世界で最も効率的なレーシングカー」と謳われている。
ドライバーがレースを完走するためには、回生ブレーキによって「少なくとも」40%のエネルギーを回収しなければならないとされているのだ。現行の第2世代マシンでは、回生エネルギーの割合は30~35%の範囲に留まっている。
これを可能にするのが、前後合計600kW(フロント250kW、リヤ350kW)にも及ぶ回生制動能力と、総出力350kW(470bhp)を誇るパワートレインだ。リヤには油圧式のブレーキは搭載されない。
Gen3の理論上の最高速度は時速約200マイル(約360km/h)とされているが、フォーミュラEが走る一般的なストリートサーキットで、そこまでの速度を発揮するのは難しいだろう。
FIAとフォーミュラEの公式発表では具体的な数値は明言されていないが、当初の計画でGen3は120kgの軽量化が図られていた。
しかし、Gen3のパワートレインは未だ、「470bhpの内燃機関と比較して2倍のパワーウェイトレシオ」を目指しているとされている。
Gen3コンセプトは、使用済みのタイヤ、バッテリーセル、壊れた部品をすべて持続可能な方法で処理する「ライフサイクル思考」にも基づいている。ハンコックが供給するタイヤの製造には、持続可能な材料を26%使用するとされている。
FIAのジャン・トッド会長は、「新世代のフォーミュラEシングルシーター『Gen3』は、高性能、効率性、持続可能性を持ち合わせるクルマだ」と語った。
「8シーズン前にフォーミュラEが開始されて以来、イノベーションを推進し、持続可能なモビリティーの開発を促進するための努力を惜しまず、FIAの各チームがフォーミュラEとともに仕事をこなしてきた」
「この新しいシングルシーターマシンが、フォーミュラEを次のレベルに引き上げてくれることを確信している」
現在は、スパークがGen3マシンの非公開テストを進めており、各メーカーへのマシン引き渡しは春頃になる予定だ。
フォーミュラEのCEOであるジェイミー・ライグルは、次のように話した。
「第3世代のマシンを設計するにあたり、我々は高性能、高効率性、持続可能性が妥協することなく共存できることを実証することを目指した」
「FIAと協力して、我々は世界で最も効率的で持続可能な高性能レーシングカーを開発した。Gen3は、これまでで最も速く、軽く、パワフルで効率的なレーシングカーだ」
「これは、都市部のストリートでホイール・トゥ・ホイールの戦いを繰り広げるという、その生息地に合わせて設計されたクリーチャーなのだ」
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