マクラーレン、フォーミュラE撤退理由は世界三大レース制覇&市販車との関連性「参戦シリーズの再評価は必要。悪く言うつもりはない」
マクラーレンは、今季限りでのフォーミュラE撤退という判断は、参戦カテゴリーを再評価した結果であり、電動フォーミュラカーシリーズを「悪く言うつもりはない」と説明した。
Sam Bird, NEOM McLaren Formula E Team
写真:: Simon Galloway / Motorsport Images via Getty Images
マクラーレン・レーシングは、4月25日に電動フォーミュラカーシリーズであるフォーミュラEから現在のシーズン11(2024-25)限りで撤退することを発表した。これについてチームを率いるイアン・ジェームスは、ブランドの参戦カテゴリーを精査した結果だと説明。フォーミュラE側を「悪く言うつもりはない」と語った。
F1やインディカー・シリーズなどに参戦しているマクラーレンは、ダブルタイトル連覇を達成したメルセデスを引き継ぐ形で、Gen3導入初年度となるシーズン9(2022-23)からフォーミュラE参戦を開始。日産製パワートレインを使用した。
2022年にマクラーレンは電動オフロードレースであるエクストリームEにも進出し、シリーズが水素燃料バージョンのエクストリームH移行のため途中終了となった2024年まで継続参戦。電動モータースポーツでのポートフォリオを拡大していた。
ただマクラーレンの市販車には電動モデルがなく、ブランドは参戦カテゴリーの見直しを実施。最盛期を迎えた世界耐久選手権(WEC)ハイパーカークラスに参戦するチャンスを得て、F1モナコGP、インディ500、ル・マン24時間レースの世界三大レースを制する舞台が整ったこともあり、フォーミュラEがポートフォリオから外れることとなった。
メルセデス時代から実働チームを率いてきたジェームス代表は、撤退の理由について次のように説明した。
「マクラーレン・レーシングは何よりもまず、レース会社だ。知っての通り、F1やインディカー、フォーミュラEなどに参戦してきた」
「他にはない、幅広いポートフォリオがマクラーレンにはあるが、我々は常にそのポートフォリオの評価を続けていて、2027年にWECハイパーカークラスへ参入するチャンスがある」
「マクラーレンはル・マンでの歴史がある。1995年のル・マン制覇はもちろん、世界三大レースでの3冠はモータースポーツにおける栄冠と見なされているからね。その方向性にマクラーレンが興味を持つのは当然のことだ」
「フォーミュラEに関しては、現状では(マクラーレンの)市販車のポートフォリオと直接的な関係がないと思う。他の活動に集中し直すことは重要だと思う」
一方で、マクラーレンがフォーミュラEに悪い印象を持っているわけではないとジェームス代表は強調した。
「しかし、決してフォーミュラEを悪く言っているわけではない」とジェームス代表は続けた。
「フォーミュラEは力強く前進していくと強く信じている。我々はこのチームを次の章に引き継ぐため、取締役会と経営陣のサポートを受けている。私は今、そこに力を注いでいる」
マクラーレンは現状、今シーズン限りでフォーミュラEから撤退する予定だが、Gen3 EVOが終了する来シーズンまで参戦し異なるメーカー/ブランドに引き渡すなど「様々なシナリオをサポートする体制は整っている」とジェームス代表は説明した。
気になるのはどのメーカー、どのブランドが輝かしい歴史を持つこのチームを引き継ぐかということだ。フォーミュラE側は様々なメーカーやブランドから関心が寄せられているとして、CEOのジェフ・ドッズは「誰が後任になるのかワクワクして見守っている」と語っていた。
これについてジェームス代表は、チームの新オーナー探しが順調に進んでおり、チームスタッフは次世代マシンGen4以降に向けてフォーミュラEでの旅を続けることを望んでいると明かした。
新チームオーナー探しの現状についてジェームス代表は次のように答えた。
「とても前向きだ。皆さんの想像の通り、この選手権には大きな関心が向けられている。Gen4レギュレーションでは、既に5つのメーカーが参戦を表明している。非常に安定した基盤を築くと思う」
「Gen4では、最高出力が350kWから600kWになり、全輪駆動でエアロパッケージ、新しいタイヤもある。ゲームチェンジャーになるだろう。ここにいるマクラーレン・フォーミュラEチームのメンバーを代表して言わせてもらうなら、その旅の一部になりたいと思っている」
マクラーレンというブランドがフォーミュラEを離れても、メルセデス時代から続く実働チームはグリッドに留まる努力を続けている。
一方でドライバーたちは渡り鳥。ベテランドライバーのサム・バードは、今季の戦いに集中していると強調した上で「今後に関して近いうちに話し合うことができれば嬉しい」と語り、若手のテイラー・バーナードは「フォーミュラEでのレースを本当に楽しんでいるけど、僕はまだ本当に若いし、他での機会も沢山あると思う」として、フォーミュラE以外でも活躍の場を求める可能性を示唆した。
なおダブルヘッダーとなった今年の東京E-Prixでマクラーレンは、レース1でバーナードが3位表彰台を獲得。バーナードはレース2でもトップ争いを展開したものの、他車との接触によりリタイアを喫した。バードはレース1で入賞を逃したものの、レース2では8位で4ポイントを手にした。
記事をシェアもしくは保存
Subscribe and access Motorsport.com with your ad-blocker.
フォーミュラ 1 から MotoGP まで、私たちはパドックから直接報告します。あなたと同じように私たちのスポーツが大好きだからです。 専門的なジャーナリズムを提供し続けるために、当社のウェブサイトでは広告を使用しています。 それでも、広告なしのウェブサイトをお楽しみいただき、引き続き広告ブロッカーをご利用いただける機会を提供したいと考えています。