FE最終戦でクラッシュのモルタラ、脊椎に微小な骨折も手術の必要なし。タイトル逃した精神的ダメージの方が大きい?
ベンチュリのエドアルド・モルタラは、フォーミュラE最終戦でミッチ・エバンスのマシンに追突した結果、脊椎に骨折を負ってしまった。
写真:: Rudy Carezzevoli / Motorsport Images
2020-2021シーズンのフォーミュラ最終戦ベルリンePrixのスタート直後に、ミッチ・エバンス(ジャガー)と接触したエドアルド・モルタラ(ベンチュリ)。彼は接触の衝撃により脊椎を骨折していることが明らかとなった。
シーズンフィナーレであるベルリンePrixは、決勝レースを迎えた段階で実に13人ものドライバーにタイトル獲得の可能性が残されているという状況でスタートしたが、その中でも有力とされていたドライバーが序盤から次々と脱落する展開となった。
ランキング上位組ではただひとり、3番グリッドと上位グリッドにつけていたエバンスだったが、スタートの際にドライブシャフトの故障と見られるトラブルで発進できず、立ち往生。後続のマシンがすんでのところでエバンスのマシンを交わしていく中、モルタラが避けきれずに高速で追突してしまった。このクラッシュにより、ランキング2番手のモルタラと同3番手のエバンスが揃って脱落するという波乱の幕開けとなった。
ふたりはマシンから無事に降りることができたが、モルタラは念のため病院で検査を受けた。その結果、彼は脊椎に微小な骨折を負っていることが判明した。
この骨折に関しては手術の必要性はないようだが、モルタラによると6週間の安静が必要とのことだ。
モルタラはmotorsport.comに次のように語った。
「良い状態とは言えないね。脊椎を骨折した。大きな衝撃だったから、やはり痛みはある。でも大きな痛みではないし、大きな怪我でもない」
「(回復には)6週間くらいはかかるだろう。いずれにせよこれが最後のレースだったので、ゆっくり時間をかけて治したい」
「手術の必要もなく、深刻な怪我でなくて良かったと思っている」
モルタラの負傷により、クラッシュしたドライバーが車外に出るプロセスについて懸念する声も上がった。モルタラはエバンスに追突して大きな衝撃を受けたにも関わらず、担架で運ばれることなく歩いてピットレーンに戻ることを許可された。
2台のマシンの残骸を見ると、エバンスのマシンはリヤのクラッシュストラクチャーが正常に機能していたようだが、モルタラのマシンはペダルアジャスターの下の部分が貫通してしまっており、その衝撃の大きさを物語っている。
ただモルタラは、身体的なダメージよりも精神的なダメージの方が大きいと語った。
「これを受け入れるには時間が必要だと思う。怪我をしたことが最悪だという訳ではない。とてもがっかりしているよ」
そう語ったモルタラ。止まっているエバンスのマシンに反応する時間は残されていなかったという。
「僕が覚えている限りでは、僕は良いスタートを切って、その前にジェイク(デニス/BMW)がいた。そして彼はギリギリのところで(エバンスのマシンが)目に入り、避けたんだ。ミッチのすぐ後ろにいるドライバーたちは、それに反応する時間があったということを想像してほしい」
「彼らは順に避けていく……どんどん避けるのがギリギリになり、スピードもどんどん上がっていく。そしてある時点で、自分の前の人がすんでのところで避けたとしても、自分は何も見えていないんだ。誰が悪いという訳ではないけどね」
結果的に2020-2021年フォーミュラのタイトル争いは、ポイントリーダーで最終戦を迎えたニック・デ・フリーズ(メルセデス)に軍配が上がり、フォーミュラE初の“世界王者”という栄誉を手にした。モルタラもリタイアに終わったものの、エバンスはじめ他のライバルも軒並み無得点に終わったため、ランキング2位でシーズンを終えている。
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