これもフォーミュラEの魅力? 日産ローランド、エネルギー節約の団子レースは「新しいファン層を作るきっかけになる」

ミサノE-Prixのダブルヘッダーはどちらもエネルギー節約を重視したレースとなった。ドライバーたちはこうしたレース展開についてどう考えているのだろうか。

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写真:: Andrew Ferraro / Motorsport Images

 ミサノで行なわれたフォーミュラE第6~7戦のダブルヘッダーは、エネルギーマネジメントが非常に重要なレースとなった。両レースで競争力を発揮した日産のオリバー・ローランドは、こうしたレースが新たなファンを作るきっかけになるはずだと語った。

 イタリアの常設サーキット、ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリが舞台だったミサノE-Prix。フォーミュラEが主戦場とするストリートコースと比べ、ブレーキングによるエネルギー回生ポイントが少なく、高速コーナーなどによるエネルギー消費が多いため、常設サーキットではエネルギーマネジメントが極めて重要になることが多く、ミサノもその例外ではなかった。

 土曜日に行なわれた第6戦は、序盤から各車がエネルギーを節約するべく、スローペースなレース展開。終盤に向けた位置取り争いから上手く抜け出したローランドとアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(ポルシェ)が優勝を争い、ダ・コスタがトップチェッカーを受けた。

 しかしダ・コスタがレース後車検で失格となり、ローランドが繰り上がりで優勝となった。

 第7戦は周回数が2周減ったことにより、前日の第6戦よりはペースが速く縦長の展開となったものの、終盤のプッシュに向けてエネルギーを節約し、タイミングを見て抜け出すレースとなったのは変わらなかった。

 ここでもローランドが上手くレースをリードしたが、それに食らいついたパスカル・ウェーレイン(ポルシェ)がエネルギー的に有利な状態に。最後はローランドがシステムトラブルをきっかけとした電欠に見舞われ、ウェーレインに軍配が上がった。

 両レースで高いパフォーマンスを発揮したローランドは、レースから数日後のオンライン取材に応え、ほぼプラン通りに走ることができたと語った。

 ミサノのようなマネジメントレースについて、どんな意見を持っているか? レース中どんなことに気をつけて走っていたか? という質問に答え、ローランドは次のように答えた。

「レース前にサッシャ(フェネストラズ/チームメイト)含め、チーム全体でレースに向けての計画を立てたんだ」

「これは正解や不正解がないオープンな会話であり、自分の中で前に出るタイミングやそうでないところなどが明確だった。その結果、両日ともほぼ完璧にプラン通り走ることができたと感じている」

 ローランドは、コースに対する印象も週末を通じて変わっていったと明かした。

「また、レースに対する僕の意見は週末を経て変わった。レース前は、スタートでのやりとりやリスキーなポジショニングなど、あまりにも多くの無駄な動きがあるので、コースがあまり好きではなかったんだ」

「特に初日のレースは周回数が多すぎたため、エネルギーの節約量をかなり考えて走らなくてはいけなかった。ドライバーとしては緊張感が高く、厳しいものとなったが効率を考えて楽しく走ることができた」

「モータースポーツのファンから見れば今回のレースはいつもと違うレースになったと感じる人も多いと思う。ただ、普段モータースポーツを見ない人でも楽しむことができるレースになったと思う」

「毎回こういうレースだと厳しいものになると感じるけど、F3のドライバーが今回のレースを見て楽しんでいたように新しいファン層を作るきっかけになると思った」

 ダ・コスタが直接パフォーマンスとは関係ないと思われる違反で失格となったとはいえ、両レースでトップチェッカーを受けたポルシェの効率性は注目に値する。

 その秘訣について聞かれたウェーレインは、昨年の戦いも踏まえて分析をしていたと明かした。

「ミサノのようにポジションの取り合いが激しいレースでは、効率が重要だと感じている」

「正しいタイミングで正しい位置に素早く移動することが必要で、一撃でトップから6番手または7番手になることもある」

「そのためトラブルを避け、効率的に走りたいと思っている。昨年、この種のレースでは苦戦を強いられた。昨シーズンの勝利はすべて、ポジションの取り合いが激しいレースではなかったため、取り合いになった際にどう対処するべきか分析し、努力したんだ」

「サンパウロE-Prixでもポジションの取り合いが激しいレースとなったが4位を獲得するなど、今回のレース結果のように明らかに前進していると実感している」

「良い結果を出し続けるためにも、これからもさらに成長と前進をできるように努めていく」

 ローランドの言う通り、フォーミュラEで時折見られるこうしたレースは、他のカテゴリーでは見られないモノ。両レースでローランドとポルシェ勢が強さを見せた他、ジェイク・デニス(アンドレッティ)が2位となるなど、決して運やくじ引きで結果が決まるような性質のレースになっているわけではないということも結果から見て取れる。

 一見カオスなようにも見える、大集団レースがフォーミュラEの独自の魅力として新たなファン層開拓につながるのかもしれない。

 

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