スージー・ウルフ、ヴェンチュリのフォーミュラEチーム代表就任

　2006年から2012年までDTMに参戦し、以後はウイリアムズのテスト兼開発ドライバーを務め、2015年でレーシングドライバーを引退したスージー・ウルフは、ヴェンチュリのフォームミュラEチーム代表に就任、シーズン4（2017／18年）最終ラウンドであるニューヨークePrixからチームに帯同する。

　ウルフは、チーム代表に就任すると同時に、同チームの株主ともなったようだ。なお、彼女の夫であるトト・ウルフは、F1でメルセデスのチーム代表を務めている。

　ウルフはレーシングドライバーを引退した後、若い世代の女性たちが、モータースポーツでその才能と知性を発揮する機会を促進、奨励するための非営利団体『Dare To Be Different』（あえて違った者となれの意）を主宰するなどの活動を行なっていた。

「私がプロのドライバーとして引退を決めた2015年に、マシンに乗るだけではなく、競争の激しいレース界でチャレンジを続けたいと思っていました」とウルフは語った。

「自分が持つ競争本能は、ドライブを辞めたからと言って消すとこはできません。私の決意と願望は、私の中で明るく燃え続けていたのです」

「私はその挑戦の正しい方向性を慎重に決めるため、時間をかけました。そして完璧な次のステップを見つけたのです。ヴェンチュリのフォーミュラEチームの代表および株主となる機会です」

「電気自動車のパイオニアとして知られた、ジルド（パストール／ヴェンチュリCEO）と共に働くのが本当に楽しみです。彼は、ごく最初の段階からこのシリーズの可能性を見出していました」

「彼は強力なチームを築き上げ、フォーミュラEのグリッドでその地位を確立しています。チームには、共に働くのが楽しみな才能ある人物がたくさんいます」

「フォーミュラEは、チームマネジメントに加わるというステップを踏む上で完璧な環境です。このシリーズは可能性に満ちており、伝統的なレースシリーズの型を打ち破っています。そしてこのシリーズは今、ワクワクするような発展段階を楽しんでいます」

　ヴェンチュリは、シーズン5（2018／19年）からHWAにパワートレインを供給する。さらに、チームには元F1ドライバーのフェリペ・マッサを迎え入れることになっている。ウルフの代表就任は、チームの発展に置ける次の段階の始まりだとパストールは話した。

「スージーを代表、株主として迎え入れられることを嬉しく思っている。彼女のエネルギーと専門知識はチームを強化し、経営陣にアプローチが導入されることによって、我々の成長を助けてくれる」

「スージーの個人的な経験により、チームやチャンピオンシップ、モーターレーシング全体にユニークな戦略的見解がもたらされる。彼女はきっとヴェンチュリをフォーミュラEのトップチームに導くだろう」

「株主になると彼女が希望したことは、彼女の揺るぎない取り組みを示している。私はそれを好ましく思っている。ヴェンチュリとヴェンチュリ・フォーミュラEチームは、グループの歴史において重要なタイミングでスージーを迎え入れることを誇りに思っている」

　ウルフは、来月のニューヨークePrix（7月14・15日）で早速チーム代表としての役割を果たす。今季、ヴェンチュリのドライバーラインアップはマーロ・エンゲルとエドアルド・モルタラだが、ニューヨークではベルリンに引き続き、トム・ディルマンがモルタラの代役を務めることになるだろう。DTMに参戦しているモルタラは、同週末にザントフォールトでレースがあるためだ。