ラッセルのメルセデス入り実現なら、ウイリアムズの後任候補はデ・フリーズかバンドーン? ウルフ代表「彼らはそれに値する」

メルセデスF1のチーム代表であるトト・ウルフは、フォーミュラEでメルセデスのマシンを走らせるストフェル・バンドーンとニック・デ・フリーズは共にF1ドライブに値するとして、来季のウイリアムズ入りの可能性を匂わせた。

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 メルセデスのF1チーム代表であり、同社のモータースポーツ部門を率いるトト・ウルフは、現在メルセデスからフォーミュラEに参戦中であり、同社のF1チームのリザーブドライバーを務めるストフェル・バンドーンとニック・デ・フリーズについて、いずれも「F1に参戦するのに値する」存在であると語り、来季ウイリアムズ入りの可能性があることを否定しなかった。

 今季ウイリアムズのマシンを走らせるジョージ・ラッセルは、来季はルイス・ハミルトンのチームメイトとしてメルセデス入りする可能性が高いと言われている。これが実現することとなれば、バルテリ・ボッタスがチームを追われることになるが、そうなった場合にはボッタスはウイリアムズには行かず、アルファロメオ入りするのではないかという憶測が持ち上がっている。

 そうなった場合、空席となるウイリアムズのドライバー候補となるのは、現在フォーミュラEでメルセデスのマシンを走らせるふたりだと言われている。

 デ・フリーズは2019年のFIA F2の王者であり、F1シートに空きがないためにフォーミュラEに参戦することになったという経緯があり、ラッセルがメルセデス入りした場合には、ウイリアムズのシートを射止める最有力だという呼び声も高い。

 一方バンドーンは、FIA F2の前身であるGP2で2015年にチャンピオンに輝き、スーパーフォーミュラでの1年を挟んで2017年にマクラーレンからF1フル参戦デビュー。ただ2016年にはスーパーフォーミュラに参戦するのと並行して、マクラーレンのリザーブドライバーを務めた……その当時にマクラーレン・レーシングのCEOを務めていたのが、現ウイリアムズのCEOであるヨースト・カピトであり、両者は”旧知”の間柄。その関係性も相まって、こちらもウイリアムズの候補のひとりだと言われている。

 ウルフ代表はこうしたふたりのフォーミュラEドライバーに関する噂を歓迎し、彼らがF1への道を見つけることを「非常に」望んでいると語った。

 ウルフは、フォーミュラEのロンドンePrixの会場を訪れ、motorsport.comに対して次のように語った。

「いずれのドライバーも、F1に参戦する才能と意欲、そして知性を兼ね備えている。そしてどちらのドライバーも、重要なジュニアシリーズのチャンピオンを獲得した」

「彼らはいずれもF1に相応しい存在であり、F1に戻ってくるための道を見つけられることを願っている」

 彼らを失うこととなれば、メルセデスのフォーミュラEプロジェクトには大きな影響を及ぼすことにもなりかねない。しかし彼らがF1に行くことについて”邪魔”をすることはないとウルフ代表は語る。

「フォーミュラEのドライバーとして、彼らを迎えることができて本当に嬉しい。彼ら以上の存在は、望むことができなかった。しかしもし彼らがF1をドライブする可能性があるのなら、その邪魔をするようなことは決してしないだろう」

 ウイリアムズ入りの可能性が取り沙汰されていることについて、デ・フリーズはmotorsport.comの取材に次のように答えた。

「その噂を読んだよ。それは僕にとっても驚きだった。僕はフォーミュラEでメルセデスと共に戦うことにとても満足している。ここが、成功を成し遂げたい場所なんだ」

「でも長期的または中期的に何が起きるのか、それは僕には分からない」

 バンドーンは前述の通り2017年にマクラーレンからF1デビューし、フェルナンド・アロンソのチームメイトを務めた。しかし当時のマクラーレンは低迷期であり、13ポイントの獲得に留まってランキング16位。翌年も同じランキング16位に終わり、その年限りでF1のシートを失うことになってしまった。

 また2020年のサクヒールGPでは、ルイス・ハミルトンが新型コロナウイルスに感染したことで欠場することになったが、メルセデスはリザーブドライバーのバンドーンではなく、ラッセルを代役として起用した。

 ウイリアムズからのF1復帰の可能性について、バンドーンは次のように語った。

「正直言って、そうは思わない。F1については、僕は既にそれに挑戦するチャンスを手にした」

「僕はマクラーレンのドライバーとしてF1にデビューしたことがあるが、最高のコンディションではなかった。僕にとってそれは絶対に必要なモノではなく、そこにいなくてはいけないと執着するようなモノでもない」

「(ウイリアムズは)状況は好転している。でも、そのことは僕の心の中にはないよ」

 

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