小林可夢偉「現段階で次の話はない」と語るもフォーミュラE参戦に意欲的
アンドレッティからフォーミュラEにスポット参戦した小林可夢偉は、フォーミュラE参戦継続に意欲的だ。

アンドレッティからフォーミュラEにスポット参戦した小林可夢偉は、香港ePrixについて振り返った。
小林はWECとスーパーフォーミュラがシーズンオフに入ってから開幕したフォーミュラEシーズン4の香港ePrix(2レース制)で初めてフォーミュラEマシンをドライブした。
小林はフォーミュラEに参戦する3人目の日本人ドライバーとして一躍注目を浴びた。それを物語るかのように、スポット参戦の2レース連続でファン投票1位にとなり、ファンブーストを獲得している。
アンドレッティにはこれまでのレースキャリアで関わりのあったスタッフが所属しているため、"やりやすい"環境であると記者会見で語っていた小林だが、日程の都合上、テストなしで臨むという厳しい状況でのレースとなった。
レース1の予選は13位だったものの、決勝では無線トラブルを抱えたことでペースを上げられず15位。レース2では予選16番手、決勝を17位(18番手でフィニッシュも、トップチェッカーのダニエル・アプトが失格したため、1ポジション繰り上がり)で終えた。
小林はフォーミュラE参戦について次のように語った。
「WECと共通した部分が多いというイメージを持たれることがあると思うんですが、フォーミュラEでの操作は全く違ったものです。日頃から慣れないことをやったので難しかったですね」
「覚えることが多いというよりも操作が難しい。リジェン(回生)をパドルでやるのが難しいですね。もうちょっと慣れが必要です」
「でも他のドライバーからしたら"あの練習量でよく乗ったな"って感じですよ。僕としてはとにかくやるしかないって感じでした」
経験を積むことがフォーミュラEでの今後の課題となるところだが、現時点では香港でのスポット参戦だけで小林の次の参戦に繋がる話はないようだ。WECやスーパーフォーミュラ参戦を両立する多忙な小林にとって、香港ePrixは"ちょうど良い"タイミングで舞い降りたチャンスだった。
しかしアンドレッティの副代表であるロジャー・グリフィスは小林のパフォーマンスについて「簡単に判断しない」と語り、今後の起用する可能性を示唆している。さらに小林のレースの分析を行うことも明らかにしており、小林が持つ"もっと経験を積みたいという熱意"を尊重しているようだ。
レースに対して「めちゃくちゃ楽しかったです。またチャンスがあれば乗りたい」と語る小林。もし良いタイミングでチャンスが巡ってくれば、再び彼がフォーミュラEマシンをドライブする日が来る可能性はありそうだ。
来年の抱負
2015年よりスーパーフォーミュラに参戦する小林は、今年からKCMGに加入。新たなチームとの参戦で年間7位という結果に終わった。
第4戦もてぎではピット作業中のミスがあり、初勝利を逃したものの、シリーズ2度目の2位を獲得。全7戦9レース中5度入賞を果たしており、悪天候の影響でレースが中止となった最終戦まではチャンピオンの可能性をかろうじて残していた。
今シーズンのスーパーフォーミュラについて小林に尋ねると勢いよく「今年は(チームとの)デビューシーズンだったので、来年こそは必ずチャンピオンを獲得しますよ」と断言した。
また小林が表彰台を獲得したことで、KCMGはシリーズ参戦8年目にして初めて表彰台に上がった。昨年はノーポイントに終わったKCMGだが、今年は小林を擁して16.5ポイント獲得し、チームスタンディングでも年間6位と躍進した。
KCMGの土居隆二監督は今シーズンについて次のように振り返った。
「見ていてお分かりになるかと思いますが、今年は取りこぼしの多い年でした。しかし同様にその取りこぼしがなかったらもっと上に行けていたなと思います。そういう風に思わせられるレースが多かったです」
「チームの体制を整え、来年はチャンピオンを狙います」
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この記事について
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イベント | TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL 2017 |
執筆者 | 中村理紗 |